VJの映像素材管理にEagleを使っているよという話
TL;DR
Eagleは神、みんなも使おう。
はじめに
はじめまして、関東でアニソンやサブカル系クラブイベントを中心にVJ活動をやっております、nagatea(@nagatea_p)です。
VJ活動を本格的に始めたのが2022年の11月というかなり最近なのですが、これからも頑張っていきたいのでよろしくお願いします。
さて、VJを本格的に始めるにあたって、先人方の書いてくださった記事を片っ端から読むみたいなことをやっていました。(今もやっています)
その過程で、VJの映像素材の管理と検索にEagleがいいよという記事を見つけたので先日試しに入れてみたところ、想像以上に使い勝手が良くてVJ用途に使うようになったのと、最近いろいろな人に「それなんてソフト?」って聞かれることが多かったので紹介記事を書いてみることにしました。
あんまりこういうの書いたことないので拙い文章になるかもしれませんがよろしくお願いします。
みんなVJの仕込みやりながらこういう記事も書いててすげえよ…。
Eagleとは
Eagleは主にデザイナー向けの画像収集&管理アプリケーションです。
ブラウザの拡張機能経由で画像やスクリーンショットを撮影し、それをフォルダやタグ、フィルターなどの機能で管理することができます。
買い切り型のアプリケーションで、価格は2ライセンスで29.95ドルです。15ドルで1ライセンス追加で購入できます。試用期間や学割もあります。
1度購入するとその後のアップデートは無償で提供されるらしいです。
このEagle、画像の収集&管理をメインとしたアプリですが、動画も管理できます。
インタフェースは下のような感じです。
Eagleに動画をドラッグドロップで放り込むとサムネイルが自動生成されて、マウスオーバーすることでプレビュー再生をすることができます。
動画を選択しながらspaceキーを押すことでアプリ内で再生、Command(Ctrl)+Enterキーを押すことでFinder(winだとエクスプローラー)で開くことができます。
また、選択したクリップを他のアプリにドラッグ&ドロップすることができ、そのソフトに合わせた挙動をしてくれます。
例えばFinderだとファイルのコピー、VDMXだと映像のロードといった感じです。
なので、VJ用の映像素材の管理として使用するなら、
1. Eagleで映像の整理や検索
2. VJソフトにドラッグ&ドロップしてロード
という感じの使い方になります。
メリット
ここからはEagleをVJ映像素材管理アプリとして使うメリットを紹介します。
Mac・Windows両方に対応している
VDMX使いなのでVJはMacBookでやらざるを得ないのですが、普段映像素材を集めたり動画を編集したりはWindowsが入ってるデスクトップPCで行っています。
このアプリを使うと、Windows PCで素材をインポート・整理→MacBookで検索・読み込みという運用ができるので、映像の管理が1アプリで完結できて
インタフェースも同じ(Windowsアプリ側がMacのインタフェースに寄せている)なので、使い勝手も変わらないです。
検索が強い
これがメインのメリットです。
このアプリケーション、素材の管理アプリだけあって検索が爆速です。
これだけなら他の検索アプリケーション(WindowsだとEverything、MacだとEasyFind)があるのですが、「Eagleとは」の章で紹介した通り、サムネイルが出る&マウスオーバーでプレビュー再生ができるため、ロード前に動画のチェックができます。
主にアニソンVJをやる場合は検索した時にサムネとマウスでプレビューできるのは本当に助かります。映像違うじゃねーか!がかなり減るので。
また、環境設定から「Eagleを開いて検索」にショートカットキーを設定することでアプリウィンドウが隠れていてもすぐ検索ボックスにカーソルを合わせることができます。自分は「Command+Shift+F」に割り当てています。
これで普段はVJソフトの裏に隠しておいて、映像をロードしたいというときだけショートカットからEagleの検索を呼び出すということが可能になります。
また、拡張子やファイルサイズ、動画のアスペクト比等でフィルタ検索も可能です。
少し変わった機能でサムネイルの色でのフィルタ検索ができます。インポート時に色情報も生成しているため、こちらも検索が爆速です。
管理ライブラリを分けることができる
フォルダやタグとは別に、ライブラリ自体を分けることが可能です。検索の範囲やタグをライブラリごとに管理できます。
また、ライブラリはそれぞれ別のストレージの場所で管理できるので、この映像素材群は内蔵ストレージで管理してSSD忘れてもいつでも呼び出せるようにしたい、みたいなことができます。
自分は3つライブラリを作っていて、
クラブVJ用の映像素材ライブラリ(ローカルストレージに置いてDropboxで同期)
アニソンVJ用の映像素材ライブラリ(外付けSSD)
上のどっちにもまだ置けない未整理状態の映像を管理するライブラリ(外付けSSD)
という使い分けをしています。
また、ライブラリ同士は素材やフォルダの右クリックメニューで別ライブラリにインポートすることが可能です。
デメリット
つらつらメリットを書いてベタ褒めしてきましたが、もちろんデメリットもあります。
一部のコーデックには対応していない
具体的にはHapやDXVなど、VJソフトで負荷が軽くなる部類のコーデックのサムネ表示やプレビュー再生に対応していません。(ファイル名やサイズ等の情報の管理は可能です)
まあこれはFinderやエクスプローラーでも再生できないのでしょうがない部分ではあります。
自分は割り切って映像素材は全部H.264に変換しています。
VDMXだとそこまで困らないので…。
(追記: 困るようになってきたので使う素材はEagleからタグでエクスポート→全部Hapに変換してます)
フォルダ構造がEagle用に整理されるのでその他のアプリで管理できなくなる
検索性能と引き換えにフォルダ構造が犠牲になります。
さらに、元のファイルを参照するという作りではないので、インポートした素材はすべてEagle用のフォルダにコピーされます。
つまり、単純にストレージ容量が2倍必要です。動画ってただでさえ容量食うのに…。
自分はVJに使用するEagleのフォルダを外付けSSD、元のフォルダ構造の映像素材群をHDDに保管しています。バックアップは大事。
Macで素材をインポートするとWindowsでサムネイルが読めなかったり検索にひっかからなくなったりする
Macで動画をインポートしたEagleライブラリをWindowsで開くと、ファイルは存在して開けるのにサムネが壊れててプレビュー再生ができなくなったりする動画がありました。(全部ではないです)
また、同時に検索のインデックスも壊れるらしく、動画が検索にひっかからなくなりました。"機動戦士"で検索すると見つかるのに"ガンダム"で検索すると出ないみたいなことが起こって「Eagleびみょいな〜」って思ってた時期もありました。
Windowsで全て映像素材をインポートし直したらどちらの現象も直ったので、Mac(特にApple Silicon)特有のバグかな〜と思っています。そのうち直りそう。(追記3をご確認ください。)
(追記: バグある!って感じで書いたのですが、Windowsで全て映像素材をインポートし直して以降Win/Macどちらで素材追加しても上記のバグは起こらなくなりました。初回のインポートをMacでやると起こる?発動条件が分からん〜)
(追記2: おそらく別な要因でサムネが壊れておりなおかつEagle経由でファイルが読めないバグに遭遇しています。メタデータだけあるけどそもそも本体のファイルがない状態。自分でH.264に再エンコードした映像でたまに起こる…)
(追記3: 使っているSSDのファイルシステムをexFATにしているのが原因でした。仕様周りのいざこざのせいでMacとWindowsで微妙に挙動が違うらしく、特にffmpegを使って再エンコードしたファイルは高確率でインポートしたOSとは別のOSで読めなくなります。exFATを使うのをやめればいいのですが、そういうわけにもいかず、いい解決方法が思いつかない…。)
おしまい
みんなもEagle、使おう!
ちなみにこの記事、Eagleの追加ライセンスの無料クーポン用に書いた記事だったりします。
VJ用のメインMacBookが死んだ時用にサブのMacBookでも動くようにしたい(ライセンス料2000円くらい金払え)
参考記事
こういった「自分はこんな環境でVJやってます」という記事めちゃくちゃ参考になります…!
VJ始めたばっかりなので環境は試行錯誤の状態ですが、VJスタイルが固まったらいつか書きたいです。
追記: 書きました。こちらも是非ご覧ください!