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眠れぬ夜に試したいこと
朝晩は肌寒く感じるようになりました。日の出、日の入りも遅くなり、冬の到来を予感させますね。
さて、この時期になると、眠る際に手足を温める人が増えはじめます。
具体的には、靴下を履いたり、カイロで手を温めたりしつつ、お布団に入るのです。
今や充電式のレッグウォーマー、電気カイロまであるのですから驚きます。
辛く感じるくらいに手足が冷えると、眠るどころではありませんよね。手足を温めることで眠りやすくなるのなら、推奨はしませんが靴下やカイロを利用するのも有りでしょう。
とはいえ、手足を温める事が、却って入眠の妨げになってしまうケースもありますので注意が必要です。
ご存知の通り、睡眠時は体温が低下します。厳密には、眠る直前から体温が下がりはじめ、低くなるにつれて眠りが深くなっていきます。
言い換えると、体温が平熱のままだと眠れません。仮に眠れたとしても、眠りは浅く睡眠の質は低いのです。
それで、入眠の際、体温を下げるために重要な役割を担っているのが手足で、手の平、足の裏から放熱します。
幼児の手足が熱を帯びてくると、「寝そうだな」「眠いのだな」と判断しますよね。
これは体温を下げるため、手足から熱を逃がしている際に生じる身体の変化なのですが、実は子供だけではなく大人でも同様の現象が起こっています。
眠るために放熱が必要なタイミングで、手足を温めるとどうなるか? 放熱を妨げることになり、体温が下がらず眠くならないのです。
と言いつつ、手のひらを温めると副交感神経が刺激されリラックスできる、とオススメしたことがあります。
矛盾するように思えますが、リラックスと睡眠は直結しているわけではないのです。
①「交感神経が優位」な緊張した状態では眠れません。そこで、②「副交感神経を優位」にし、眠りやすい状態に誘導する必要があります。
上記の過程を経て首尾よくリラックスできると、③「手足から放熱」が始まり入眠へと至るわけですね。
つまり、手のひらを温める目的は②であって、今回のお話は③ですから矛盾しません。
そういうわけで、「何だか寝付けないな」と感じるようなら、手足に注目してみましょう。
熱がこもっているようなら、上手く放熱できるように手のひらと足の裏が空気に触れるような体勢をつくります。
すると、体温が下がり眠気が誘発される可能性が高くなりますので試してみてください。
なお、「手足が冷たくて辛い」という場合は、血流不足ですので放熱どころではありません。
無理をして、手足が空気に触れる位置取りにしようものなら、悲惨な事になってしまいます。ご注意ください。