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理想的な休憩のタイミング
1)女子高生の憂鬱
少し前に、高校生(女性)のクライアントさんが「腰が痛い」との事でお越しくださいました。
腰痛になった心当たりがあるか尋ねると「10時間つづけて勉強していたらそうなってました」とのこと。
何でも試験前だったらしく、いったん集中すると時間の経過を認識しないのだとか。
朝から勉強を始めて、気がついたら日が暮れていたというのですから、まさしく「寝食を忘れて」ですね・・・。
腰が痛くなった原因は、長時間に渡って同じ姿勢を続けていたから、これしかありません。
座っていても同じ姿勢を保ち続ける事は、意外と重労働なのです。
今後、腰痛にならないためにやるべき事は明確で、適度に休憩を挟み身体を動かせば、あっさり解決します。
整体師としては「60~90分ごとに休憩してね」これだけです。
とはいえ、絶対的に正しい提案なのかと言えば疑問が残ります。
確かに、腰の事だけを考えれば間違いではないのですが、中断する回数が増え過ぎると効率が落ちてしまうのも事実です。
集中力が途切れる事無く10時間ですからね。これはもう立派な才能でしょう?簡単に真似できるものではありませんので、放棄するにはあまりに惜しいです。
2)最適な休憩のタイミング
大阪から東京まで、おおよそ500キロ、クルマで移動するなら5~6時間でしょうか。
この際、ノンストップで移動すると、途中で休憩を挟むケースよりも疲労します。
理由は座ったままで腰を伸ばすことができず、部分的に筋肉が疲労するためですね。
身体的な疲労に加えて、緊張感から精神的にも消耗し、時間の経過と共に集中力は低下していきます。
ところが、パーキングエリアで休憩をとれば、固定されていた身体を動かし腰の疲労をリセットする事が可能です。
さらには、緊張感からも解放され、集中力の低下も防ぐことができますよね。
休憩なしで移動
・所要時間を短縮できる
・心身ともに疲労しやすい
・集中力が低下しやすい(事故に遭う確率が上昇)
休憩ありで移動
・所要時間が増加する
・心身ともに疲労しにくい
・集中力が低下しにくい(事故に遭う確率は低下)
とはいえ、休憩が多いほど良いのかといえば、そうではありません。「全てのパーキングエリアに立ち寄れ」と言われたら困るでしょう?
体力、集中力に優れている人にとっては、ノンストップで走り続けた方が効率の良いケースもあるのです。
従いまして、最適な休憩のタイミングは「人それぞれ」という事になり、唯一無二の解は存在しません。
3)結論と致しまして
勉強や仕事も似たようなもので「60~90分で休憩」と決めておけば、そうそう腰痛にはなりませんが、全体で考えると非効率になってしまう可能性が高いのです。
というわけで、少し面倒ですが集中力と体力の限界を見極めつつ、自分にあった休憩のタイミングを模索することをオススメします。
ただ、集中力があり過ぎると、身体の疲労を感じにくくなる傾向があるのも事実ですから匙加減が難しいです。くれぐれも慎重に進めてください。