「覇権」で読み解けば世界史が分かる (1) ローマ帝国
注)全て書籍からの引用です。
序章 転換期こそ歴史から学べ
次々と常識を逸脱した事件が起こるようになっていますが、これも「時代が転換期を迎えている」ことを示しています
安定期と違って、混乱期は先が見えません
特定の地域・文化建・世界に覇を唱える強国が現れると、その強国の力が及ぶ範囲が「安定期」となり、
そうした強国が衰えると「混乱期」になります
第1章 ローマ帝国
歴史法則01
何事にもバランスが取れた体制・システムが安定と長寿の秘訣。
何か一つの理念を「理想」としてそれに偏重した組織は、一面に強みに見せるが適応能力に弱く、短命に終わる。
歴史法則02
バランスを失ったとき、為政者に富や権利を再分配する柔軟性があるかどうかが国家再建の分岐点となる。
歴史法則03
組織の安定は対外的膨張を促す
◎ローマ共和国 発展の理由
・民主と独裁の説妙なバランスが取れた政治システムと構築した
・貴族が権力と富を独占せず、平民に分け与える柔軟性があった
・自分の家族・財産・生活を守るために戦う士気の高い軍団を保有
歴史法則04
急激な変化は、組織を破壊する
歴史法則05
殷富は富の偏在を促し、富の偏在は秩序を破壊する
歴史法則06
自己修復能力を失った組織は崩壊に向かう
しかし、その前に「変質」というもう一段階を経ることがある
◎ローマ共和国 崩壊の契機
・殷富が富の偏在を生み、同時にローマ共和国の繁栄を支えてきた貴族たちの柔軟性を失わせ、自己修復能力を失った
・市民兵はいなくなり、カネのために戦う士気の低い傭兵となった
歴史法則07
旧秩序の破壊者、新秩序の開拓者は葬られる
歴史法則08
たとえ「新秩序の開拓者」を葬ろうとも、「新秩序そのもの」を葬りさることはけっしてできない。
別の者によって継承されるのみ
◎ローマ再生の理由
崩壊期に入った組織が再生できるか消滅するかは、新旧システムの融和ができるかどうかにかかっているが、
ローマは、カエサル、オクタヴィアムス2代かけてこれを融和させた
歴史法則09
人は絶望に追い込まれると妄想に救いを求めるため、国家が崩壊過程にある時は新興宗教が跋扈することが多い。
そしてそれが国を亡ぼす元凶となることも珍しくない。
歴史法則10
領域の拡大が臨界点に達したとき、一気に崩壊が始まる
◎ローマ 滅亡の理由
・ローマ発展の基盤であり、ローマ唯一の紐帯であった「ローマ精神」がキリスト教によって破壊された。
・ローマの繁栄を支えた膨張が止まったとき、ローマの崩壊が始まった
・傭兵軍団によって支えられた帝国は、傭兵によって滅ぼされた