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そそられはしない
約2年振りに祖父母と会った。
昔から非常にアクティブな祖母は、雰囲気こそ変わっていなかったものの、どこか小さくなったように見えた。
彼女が小さくなったのか
僕が大きくなったのか。
後者の説を推したいが前者の説が濃厚である。
はーーーーーぁ(ため息)。
まぁ人に限らずだけど、生き物というのは歳を重ねると変化していくもの。
それがたまたま祖母の身長を縮めたのだろう。
神様は僕の身長を伸ばしてはくれなかったけど、
きっと年々身長を縮めていきはするんだろうなと思うと今から憂鬱である。
さて祖父はというと、普通に驚いた。
2年振りに会ったというのに、あの日僕と分かれた直後から時を超えてきたんじゃないかってくらい変わってない。こちらもまた歳を感じさせないほど元気で何より。
集合場所をシャボンディ諸島に設定していたら
目からビームくらい出ただろうか。
いややっぱりそんなの出なくていいや。
久しぶりの再会ということもあってか、豪華な食卓だった。
好物の唐揚げを貪っていると左サイドから祖母の視線を感じた。
ニヤニヤする祖母の手元に目をやると鉄火巻をマヨネーズにダイブさせている。
鉄火巻が醤油以外の調味料とコラボしているのを初めて目の当たりにして思わず聞いてしまった。
「それは美味しいの?」
「これがね、意外にも合うのよ」
本当に意外である。
ツナマヨの前例がある以上、絶対に合わないとまでは言わないが、やや抵抗感の芽生えるビジュアルをしていた。
聞けば何となくマヨネーズにつけてみたら美味しかった、ということらしい。
チャレンジャーだな祖母。
今日のところはビジュアルに圧倒されてしまって
醤油に逃げたけど、いつかやってみようかと思う。
きっと僕はしばらくの間、鉄火巻ないしマヨネーズを見るたびに祖母の顔が浮かぶことになるのだろう。
次に会う時に鉄火巻とマヨネーズの相性について
祖母と語れたらいいな。