小さな命が起こす奇跡
自然環境を見る時、僕は人間世界に例えて見る癖があって、そうやって自然界を見てみると、複雑に見えるものが、すごくシンプルに見えてくる。
この日は、月に一度の運天区の環境改善。
環境の要のポイントである御嶽だけど、様々な要因によって、力が無くなってきているのを感じる。
大きい木はほとんど折れて、蔓が蔓延り、中木、低木も元気がなく、鬱蒼としてジメジメしているけど、土はパサパサと乾燥している。
傷んでいる森は、どこもだいたいこんな感じ。
とくに、このような小さいベイビーがボロボロになって、元気がない状態は、環境全体がかなり傷んでいると思う。
人間界に例えると、おじいおばあたち、高齢者から、中年、若者、子供、全ての世代が元気無い状態。
子供たちが、元気無いということは、社会全体が、異常事態ということがわかると思います。
この子なんて、もうグネグネにいじけてしまっている。
健全な森では、樹々同士、虫、微生物、名もなき生物たちが、お互いに助け合いながら、小さな命を見守りながら育てます。
人間界も、同じですよね。
そして、子供たちが遊び周り、無償の愛を振りまいて、そんな元気な子供がいる環境は、常に笑い声が絶えず、色んな人たちが食べものをくれたり、料理を作ってくれたり、遊んでくれたり、勉強を教えてくれたり、おじいおばあが孫のために貯金してくれていたりと、子供の周りの環境は、愛溢れるエネルギーが活発に動いています。
こういう環境は、子供も、周りの大人たちも元気になります。
自然界も全く一緒だと僕は思っています。
この小さい苗木が、育っていく過程で、周りの樹々たちや他の生物たちが、あーでもないこーでもないと動いて、環境全体が豊かになっていく。
なので、先ずは、このベイビーたちのお手入れをしました。
この子の周りを掘ってみると、やはり、ひどく乾燥していました。
何箇所かに穴を掘り、枝葉などの有機物を差し込んでおきます。
そうすると、掘った穴から水と空気が動き、水が染み込むようになり、入れた有機物が分解されていく過程で、土中に菌糸が広がっていき、根もやってきて、菌と共生を始めます。
植物が、光合成で得た糖などを微生物にあげるかわりに、植物がとってこれないミネラルなどを、微生物たちが取ってきてくれます。
なので、乾燥したり、水脈が詰まり、ベチャベチャになっている環境だと、一部の菌しか生きていけない環境なので、植物も、一部の植物しか生きていけません。
ですが、こうして、改善していけば、やがて土が潤ってきて、生き物が多様になってきます。
次回の環境改善の時、どうなっているのか楽しみです。
この日は、区長さんと、宜野座の鍾乳洞の改善をしている、古知屋村自然を守る会の、にれさんが来てくれて、風を通したり、踏み固められた地面を掘り掘りしたりと、3人で黙々とやっていました!
また次回は来月、5月のどこかでやりますので、興味のある方は連絡ください!
掘った穴に雨が染み込み、菌糸が伸びていき、蟻や虫が枝葉などの有機物を食べ、運び、糞をして、その糞を新たな微生物が分解して、穴をさらに横や縦に掘ったり広げたりする虫が出てきて、と無限に連鎖が広がっていくのを、想像しながら眠りに落ちるのが、最高に気持ち良いです。
ではまた!
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