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日記的なもの 90「ヒトリシズカ的な話」

 一人静(ヒトリシズカ)という名前の花がある。この花、名前と違って群生する。名前が名前だけに、一本だけで陰にひっそりと静かに生えているのだろうと思っていたのだが、調べてみるとしっかりと群生していた。

 名前と違うやん!
 と、花の名前の語源を調べたら、Wikipediaに出ていた。

古くは「吉野静」とよばれ、『和漢三才図会』(1712年) に「静とは源義経の寵妾にして吉野山に於て歌舞のことあり。好事者、其美を比して以って之に名づく」とその由来が記されている。「一人静」の名は、近縁種のフタリシズカがふつう花序を2本もつことと対比させている。

Wikipedia ヒトリシズカ

 とのこと。そもそもが「フタリシズカ」が先で、その対比としての「ヒトリシズカ」だった。

和名の「二人静」は、2本の花序を能楽『二人静』における静御前とその亡霊の舞姿にたとえたものである。

Wikipedia フタリシズカ

 名前の由来が草花の特徴から命名されたわけではなく、また発見者の名前というわけでもなく、能楽から来ているというのが意外な話だった。
 しかも「静御前」。
 イメージだけだと可憐だな。

 でもやっぱり「ヒトリシズカ」という名前を見たら、ふつうは群生しているなんて思わんよ。

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