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十時愛梨は道明寺派。

予め断っておくが「花より男子」の話ではない。
今日の話題は、季節外れの桜餅。


十時愛梨には[ほのぼの花歌]という、とても神々しくて、慈悲にあふれていて、希望に満ちていて、見るものに力を与えるような、一言で言えば「尊い」Sレアがある。

19ほのぼの花歌+

ほら、とても尊いだろう。


だが、そんな中で少し異質な発言があるのだ。

春だから、包んでこねて、桜餅…おまけにあげる、苺大福♪

そう、急に歌を詠み始めるのである。


ところで。桜餅には2つの種類がある。ご存知だろうか。

お住まいの地域によっては、どちらか片方しか見たことが無い、という人もいるだろう。生地で餡を包み込んで作るのを「道明寺」、薄く焼いた皮で餡を包んで作るのを「長明寺」と呼ぶ。仕上がりもだいぶ違っていて、丸っこくて表面がつぶつぶしているのが道明寺、長細くて餡が見えるのが長明寺だ。

そして愛梨の詠んだ歌を見返すと、「包んでこねて」と言っているのだ。
すなわち、十時愛梨は道明寺派である


ところで。
先ほど「お住まいの地域によっては」と書いた。そう、桜餅は地域によって「道明寺派」と「長明寺派」に分かれるのである。

ところが。
こともあろうか、十時愛梨の出身地の秋田県は長明寺派なのである。しかも。先ほどリンクを張ったウェザーニューズの調査によれば、秋田県は全国でも唯一、長明寺派が優位にあるエリアなのである。

と、すれば。
十時愛梨は本当は長明寺派、という可能性もある。
普段はそんな素振りは見せないが、避暑地に秋田を勧めてくるくらい、愛梨は地元大好きなのである。

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十時愛梨は長明寺派なのか、道明寺派なのか、それとも花沢派なのか。そもそもなぜ秋田は長明寺派を貫くのか。残念ながら私は答えを持ち合わせていない。

だがしかし。一つ言えることがある。

「焼いて包んで桜餅」?
「巻いて包んで桜餅」??
「くるりと包んで桜餅」???

そう、長明寺の作り方を歌に詠むのは難しいのである。


その点において、「包んでこねて」というフレーズは、語感が優しいし、「包む」という言葉の包容力のある優しさ、もしくは「こねて」という言葉に、愛情を込めて作っている感じなどが感じられて、とても愛梨らしさを感じられるものになっている。つまり、実際の愛梨の桜餅の作り方とは別の問題として、歌を詠む上での語感の良さで道明寺を選択したのかもしれない。

とすると、この歌は桜餅自体に着目するよりも、「包んでこねて」を選んだ愛梨のセンスを注目すべき場面なのかもしれない。


ちなみに。
下の句の「おまけにあげる、苺大福」だが、おまけのほうがボリューミーな気がする。試しにカロリーを調べてみると、長明寺1個が96kcal、道明寺1個が80kcalであるのに対して、苺大福1個は148kcalで、やっぱり、おまけのほうが高カロリーである。


実のところ、この下の句も愛梨らしさが出ている部分である。例えばデレステの[ホーリーリゾートナイト]では「どれにしようかな~って迷っちゃって…だから、全部あげちゃいますっ」なんて言っているし、去年のクリスマスなんて、クリスマスケーキと一緒に「もうひとつのクリスマスケーキ」をくれたりしている。

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要するに、十時愛梨は過剰な供給をしがちなのである。

だから、「おまけにあげる、苺大福」というのは、十時愛梨の人柄を端的に表したベストな下の句なのである。


十時愛梨は急に詠うよ。
でもそこには、深い謎と明瞭な愛梨らしさがあるのである。

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