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旅の話.36 ダービー①
トトロの木とジブリの真実
ブルームからバスで2時間半、北東にダービー(Derby)という街がある。
アボリジニが多く住む、小さな街だ。
ほとんどの人が通り過ぎてしまうこの街に、僕が立ち寄った理由は、トトロの木があると聞いたからだ。
「オーストラリアには、宮崎駿作品のイメージモデルがたくさんある」
と、旅の途中で出会った人からよく聞く。※なんと、調べてみたら、ジブリ公式が正式に否定したとの事。ただのリアルな噂だったみたい・・・・・・。
でも、当時の僕はウルルにある“風の谷”を実際に見て、「本当だ」と思った。そして、「ダービーにはトトロのモデルとなった木がある」と聞いて、見に行く事にしたのだ。
バスは出ていないそうなので、自転車をレンタルして、片道7kmの道を走った。タイヤの歪んだボロチャリだった。
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正式名称は“Boab Prison Tree"と言う。監獄の木だ。
丸くて中が空洞になっている為、かつては囚人を閉じ込めていたそうだ。
中に入ってみたり、木登りしてみたり、絵を描いてみたりした。
大型のツアーバスが停まり、中から裕福そうな老人集団が出てきた。
ちょうど絵を描いていた時だったので、取り囲まれ、話しかけられた。
「その絵を売る気はあるか?」と聞かれたけど、断ってしまった。
今思えば、売って、もう一枚描けばよかったのに。
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この日から現在まで約25年間、トトロの木だと思っていたものが、実は違っていたなんて・・・・・・まあ、別にいいか。