旅の話.59 ハイファ
ティベリアのバスターミナルでパトリックと別れた。
彼はこれからテルアビブへ行く。
僕はこれからハイファへ行く。
ハイファはイスラエルの北西にある、地中海に面した港町だ。
大きな港があって、坂道と階段の多い、小さな街だった。
ここからフェリーに乗って、ギリシャへ渡る予定だ。
なかなか丁度いい安宿がなくて、結局BethelというB&Bに泊まった。
B&Bとは、ベッド＆ブレックファースト（朝食）の事だ。
つまり朝食付きで、1泊56NIS（1680円程）だ。
「今夜、山の上のショッピングモールで、無料のコンサートがあるよ」
と、教えてもらったので、行ってみる事にした。
場所を教えてもらい、地図に印を付けて、歩いて向かった。
地図は平面だけど、実際は斜面がきつい上り坂か階段だ。
そんなに遠くないと思っていたのに、結局1時間も登山のように歩いた。
全身汗でびっしょり。疲れた。
しかし、山から見渡せる港街の夜景がすごく綺麗だった。
フェリーで出国
翌日、ギリシャのピレウスまで行くフェリーのチケットを買った。
夜20時に出航して、ギリシャの島々に寄り、3日かけてピレウスに着く。
最安のデッキ席は、その名の通りデッキで3泊するチケットだ。
107USドル（13000円程）だった。
出国の手続きが面倒臭かった。
セキュリティーチェックとして、いつ日本を出て、どこを回ったのか、それぞれ何日かけたのか、友達を作ったか、誰かに何かを貰ったか、資金はどうやって作ったか、中東に特別な興味はあるのか、などを詳しくしつこく聞かれた。密輸やテロ対策だろうか。
つづく