
漫画の話.4 荒木飛呂彦
ジョジョの奇妙な冒険
中学生の頃、「この漫画がすごい」と友人から教えてもらった。
ずっとジャンプは読んでいたので存在は知っていたが、絵柄が怖いのでスルーしていた。お勧めされ、読むきっかけができた。
丁度「第三部 空条承太郎編」が始まって、しばらく経った頃だった。
スタンドの概念が広く知れ渡ってきた頃だった。
嬉しさと悔しさを感じた。
こんなに面白い作品と出会えた事の嬉しさ。
今までスルーしていた事の悔しさ。
怖いと思っていた絵は、話を理解し、流れの必然を知ると、違和感がなかった。読まずに、偶然目に入ってきた絵の、ショッキングな情報だけを怖がっていた事を知った。未知だから怖い。「スタンド」と同じだ。
「スタンド」とは、特殊能力を持つ守護霊のようなもので、自分の分身として出現させ敵と戦う事ができる。襲撃されるとまず、誰に何をされたかわからない状況になる。通常はパニックになる場面だが、常に冷静な主人公は、状況を分析し、敵の能力を理解し、逆境を逆手にとって相手を倒す。
すぐに過去の「第一部」「第二部」も読んだ。
これらは、第三部の主人公、承太郎の先祖の話で、「スタンド」ではなく「波紋」という、ヨガのような呼吸法で作り出す太陽のエネルギーを武器に、吸血鬼などを相手に戦う物語だった。
第一部の主人公、ジョナサン・ジョースターと、ディオ・ブランドー。善と悪を象徴するこの二人の戦いが、時代や場所を変えながら受け継がれ続いて行く。第三部の倒すべき敵も、100年ぶりに現世に現れたディオだ。
第三部では、日本からディオの潜むエジプトを目指して旅をする。
飛行機や船を使うと、敵のスタンドの攻撃で墜落したり沈没したりするので、結局陸路を使う事になる。ユーラシア大陸横断の旅だ。異なる文化を持つ国から国へ、移動し続ける長い旅をする事に、憧れに近い興味を持った。
実際、僕はバックパッカーになり、エジプトにも行った。
最初のきっかけは、この「ジョジョ第三部」かも知れない。
現在、中学生の息子がジョジョに興味を持ったのを機に、文庫版全50巻を購入し、読み返しています。
実は、第五部以降はまだ未読。
第八部にあたる「ジョジョリオン」が現在ウルトラジャンプで連載中との事。楽しみながら追いかけたいと思います。