翁長聖はアルディージャのFKを蹴るのか?
4ヶ月ぶりにJリーグが再開した。
J2の再スタートは我が街のクラブVファーレン長崎をリアルタイムで応援して、その後引き続いて一番気になるチーム大宮アルディージャの試合をチェック。
大宮アルディージャというクラブのことをほとんど知らないが昨シーズンから気になるようになったのは高木琢也監督が率いるようになったから。
さらに今シーズンから、Vファーレン長崎でデビューからずっと応援してきた翁長聖選手がこのチームでプレーするようになったからだ。
そんな大宮初心者な私が、翁長選手中心にとはいえ、大宮アルディージャの試合のことを書くのは10年早いっていわれるかもしれないなあ。
開幕戦では左WBでスタメン出場した翁長くんだったが、ボールはシノヅカ選手の右サイドに渡るのがほとんどで、あまり攻撃に絡めず、要求される守備のタスクだけはしっかりこなすという感じで、まだみんなにとけこめてない転校生感にあふれていた。
その後、コロナウイルス禍によるJリーグの活動休止で、翁長情報はぱったり途絶え、「おーい、生きてんのかよお〜」とtwitterに向かってつぶやく日々。
5月の中頃から全体練習に入れた長崎などと違って、関東圏のチームは6月に入っても全体練習は再開されず、アルディージャも6月初旬にやっと全体練習に入れたようだ。
それから3週間あまりで第2節のアウエー対ジェフ千葉戦。
転校生翁長くんはチームに溶け込めただろうか?
翁長選手、開幕戦と同じく左WBでスタメンだった。右WBにいたシノズカ選手はもう1列前の右シャドウに。開幕戦からメンバーも数人変わっていた。
翁長選手は開幕戦とは打って変わって、再三ボールにからんでいる。
左サイドでボールを受けてからのドリブルや1対1の仕掛け、
深くえぐってからゴール前にあげるクロス、
カウンターとなると猛ダッシュで味方に並走するプレー、
パス交換からボールを渡すと一気に内側に走りこんでボールを受けようとするプレーが玉田選手っぽい。(さては昨シーズン玉田選手を見て学んだかな)
守備でもジャンプ力を生かし相手を制するヘディングもみられた。
前半13分ごろドリブルで左サイド深くに駆け上がってクロスを打とうとしていたところにジェフの選手のボディコンタクトでピッチ外に押し出されてしまった。ちょっと悔しそうだったが、後半同じようなシチュエーションで相手が持ち上がったらしっかり体をぶっつけて阻止していた。
前半20分ごろの味方が見失ったボールを拾って低く速いクロスをゴール前に入れ、そこに渡部選手が飛び込んできたシーンはゴールこそ決まらなかったが、見事な連携だった。実況の桑原さんが渡部選手の位置がよく見えてましたね。と褒めていたが、2017シーズンの長崎での翁長飯尾の両サイドの連携はもっとダイナミックだったから、翁長選手にしたらお得意のプレーかもしれない。
前後半通して、シンプルにボールをさばくことと自ら仕掛けることの判断を迷いなくやっていたような感じ。
相手のセットプレーになると味方の壁の位置を細かくチェックしたり、試合中にボランチのキャプテンと意見交換してプレーを修正したり、すごく積極的だ。
おそらく心身ともに調子がいいのだろう。
プレーの連携はまだまだとしてもとにかくチームの推進力として機能していたと思う。
久々に楽しそうにプレーしている翁長選手が見られた。
さらに驚きのプレーがあった。
前半アディショナルタイム、小野選手がFKを決めたチャンスシーン。
FKのキッカーがボール前に3人立ったが、その一人が翁長選手だった。
ダミーなのかキッカー候補なのか?
気になっていたら、後半でのFKチャンスでも3人がボール前にたち、なんと翁長くんが蹴ったのだ。
それも壁を越えて上から落とすボールを!
残念ながらボールは落ち切らずにゴールを越えたが、意図的なキックだった。
このキックは翁長聖がフリーキッカー候補に名乗りをあげたキックだったと記憶してもいいかな。
昨シーズン、V長崎の練習場で、練習が終わった後、必ず居残り自主練でボールを蹴るメンバーがいた。翁長選手もその一人だった。毎日毎日原田コーチを相手にクロスを上げ続けていた。その居残りが楽しそうで、見学の私たちも一緒に居残りして練習場を最後に去る人たちになることもしばしばだった。
中村俊輔選手が「個人の技術を磨くには自主練しかないよ」と言っているが、あの自主練が形になってきたのならファンとしてもうれしいことだ。
転校生・翁長聖は いつの間にか大宮アルディージャの翁長聖になっていた。
なんかすごくホッとした。
ところで、
僭越ながら大宮のファンのみなさんにちょっとしたお知らせをしてもいいだろうか。
「翁長聖という選手は、時々空気を読まないゴールをきめてしまうことがある。」
本人が意図しているわけではないがなぜかそうなってしまう運命にあるのかも。
V長崎のJ1昇格試合でもチームレジェンド前田選手が勝ち越しのゴールを決め、前ちゃんのゴールでJ1に行けるとスタジアム全体が感動感激している矢先に、駄目押しのゴールをきめたり、
昨シーズンのルヴァン予選の対マリノス戦では2対1でマリノス勝利がほぼ決まったようなアディショナルタイムに飯倉選手の股を抜いてゴールを決め、マリノスファンの喜びを打ち砕いたりなど(このときマリノスにはイッペイシノズカ選手がいましたよ)。
だから私は危惧しているのだ。
大宮アルディージャのファンサポーターが楽しみにしているJリーグ通算1000ゴール目のゴールを空気読まない翁長選手が決めるかもしれないということを。
まあ、そのためには次の試合も登録メンバーに入らなければならないから、まずはそこからの競争があるね。 (2020年 07月 01日付)