鹿島の引退試合、長崎のOB戦

記事の初公開日:2015年 07月 07日

本当に羨ましい、あの日鹿島のスタジアムにいた人たちが羨ましい。
柳沢選手、中田浩二選手、新井場選手の引退試合。
日本のサッカーが一番盛り上がっていて、キラキラした天才プレーヤーアたちが一番多くいた時代の、そのプレーヤーたちが鹿島スタジアムに集結した。
カズ、ゴン、名波、俊輔、伸二、ボンバー、楢崎、福西,城、クボタツ……
迎え撃つ鹿島側も主役の3人のほか、秋田たち鹿島のレジェンドに小笠原、マルキーニョス、鈴木隆行…松葉杖の内田も
メンバー表をみてあまりの豪華さに手が震えそう。
ネットやtwitterに上がる写真や動画で選手たちが本当に楽しそうに幸せそうにプレーしているのが見て取れる。選手にとってもファンサポーターにとっても夢のような時間だっただろうな。
俊輔が子供のように無邪気にプレーを楽しんでいる。ファンとしては一番嬉しい。

その前日、長崎ではVファーレン長崎のOB戦が行われた。
ホームでトップ大宮を迎えてリーグ前期の最終戦。その試合の前にOBたちとVファーレンユースが対戦した。
Vファーレン長崎のクラブ創設10周年記念で行われたものだ。もともとサポーターグループが企画していたものをクラブが10周年の記念行事として組み込んでくれたらしい。引退した選手たちに一人一人連絡を取って出場お願いしたり雑務や裏方を引き受けるなど企画したサポさんたちもこのOB戦の成功に向けて頑張っていた。
この日OBたちのユニフォームはユニフォームサプライヤー・ヒュンメルさんのはからい(?)で、海外でも話題になったタキシードユニフォームだ。(このユニフォーム女性の間で大人気、ぜひ限定販売お願い!)お茶目なユニフォーム姿でちょっと照れ気味の元選手たち。ガチで始まった試合で両チームなかなか点が入らなかったが、お互い1点づつ取るとおじさま方の負けず嫌いに火がつき、いつの間にかフィールド内は黒タキシードの数がかなり多い。最後にはOB全員フィールド内に入って、ゴールマウスにはキーパーが2人という前代未聞のフォーメーション。おとな気なさに会場大笑い。

さすがに綺羅星の集まる鹿島の引退試合には負けるが、それでも初代キャプテンの宮崎真吾氏やキングオブレジェンドの原田武男氏、JFL時代からJ2昇格貢献した近藤健一氏や有光亮太氏、松岡康暢氏、松橋章太氏、昨シーズンまでプレーしたすぎたく(杉山琢也氏)、だいすけ(藤井大輔氏)ユーヤ(中村祐哉氏)などなど、チームを知って間もない私にとっても贅沢な顔ぶれだから、創設から支えてきたサポにとっては夢のようなひと時だっただろう。
2010年現役3年目に戦力外通告を受けて引退した阿部博一氏も参加してくれた。阿部氏はその後渡米してMBA(経営学修士)を取得し、日本の大手コンサルティング会社にインターンシップののち入社した。
Jリーグがスポーツビジネスの経営人材育成事業として今年立ち上げた「Jリーグヒューマンキャピタル」。第1弾として将来のクラブ社長やチェアマンを育てようと、立命館大と提携して人材開発講座をスタートさせた。266人の応募があり43人にしぼられたが、阿部氏はその一人に選ばれている。この43人には、鹿島の引退試合の主役の一人・中田浩二氏もいる。日本代表経験の有名選手とJFLの戦力外選手とがセカンドキャリアの場で肩を並べる。こんな未来もあるんだ。

引退後、それぞれの場所で力一杯生きている元選手たちの姿はとても清々しかった。

すべての選手 OBたちの前途に幸多かれ。

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