砂漠の二人
ユニとクジは、茶色く乾いた芝生がぽやぽや生える砂漠みたいな丘を二人で歩いている。
クジは仲良くしたいのに、ユニはいつものようにどんどん離れるように先を歩いている。
そのうちにコヨーテのような大型のイヌ科の動物の遠吠えが聞こえて二人は身を寄せ合って恐れている。
日が暮れて気温が低くなり、こごえそうになりながら二人はくっついて眠る。
それを見ている僕は体を持たない霊体だ。
二人の行く末が気になって見守っているが、危ない目にあっても何もすることはできない。
黙って見ているしかない。
(了)
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