ヴェストワンカップ2022本戦1日目

2022/05/28(土)

待ちに待ったヴェストワンカップ本戦

メジャーな競技麻雀の大会に参加するのは今回初めてで1週間ほど前から緊張で眠れない日が続いていた。前日は0時過ぎに寝付いていたようだが目が覚めたのは朝の5時(普段は8時起き)

まずはシャワーを浴び目を覚まして音楽を聴いてテンションを上げホテルをチェックアウト。その後軽く朝食を食べ、コンビニにで綾鷹×1一本満足バー×2を買っていざ会場である天満橋会館へ

受付開始の10時30分頃に会場入りしたが既に人は多かった。有名どころで言うと最高位戦の近藤誠一pが目に入った。受付でもらった冊子を開くと5回戦までの卓組がすでに決まっており所定の卓へ座る。今年からルールが少しだけ変わり5回戦までは同じブロック内の人と総当たりするシステムとなっている。

書きたいことが多くて前置きが長くなってしまったが本題の対局について書いていきます。

1回戦
東家 自分
南家 五十嵐p(最高位戦)
西家 逢川p(協会)
北家 松ヶ瀬p(RMU)

東1親番配牌を見るとまあまあ悪い。いきなり放銃スタートはキツイので終盤テンパってたらいいやので感覚で手を組んでいくと決める。中盤逢川pから立直。序盤に56mが並んで切られるなど少し変則的な捨牌だったが自分が三向聴くらいの手のためベタ降り。前に出ていた五十嵐pから7mが切られるとロンの声が

「12000」

発暗刻ドラの東雀頭の高め567三色だった。この捨牌で7m当たるのかと驚きつつ逢川pの河は要警戒だと頭に入れる。自分はわりと人読みするタイプなので対局者の打ち筋とか傾向は同卓しながら常に意識するようにはしている。

東2対子の役牌をポンして5001000。記念すべき初アガリ

東4クイタン2000の聴牌からの逢川p立直。自分の待ちは忘れたが確か両面待ちで安牌もないのである程度は押していった中ツモ7mで少考。萬子は河に4mがポツンと切られていたが東発のアガリ形を見て何やら思惑がありそうなためスジとはいえ降り。その後五十嵐pの打1mにまたしてもロンの声が。自風暗刻ドラ裏の1m単騎の満貫。クイタン仕掛けの自分が完全に狙われているなと感じたが7mで降りられたのは感触は悪く無かった(ただし1mは掴んでたら切ってた)

南1松ヶ瀬pが立直してツモアガる。ドラ1m3枚使いのメンピンツモドラ3で痛い跳満親被り

南3 なんやかんやで点棒は以下の通り

逢川p(親)  47500

自分          33600

松ヶ瀬p    33400

五十嵐p      5500

ここで考えてたのは2着が偉い最高位戦ルールとはボーダーを見据えてトップを目指したい。この点棒での3着はNGなので他の人の動向を見てやむを得ずの2着はOK

対局に戻り手牌のほうはドラ対子以外は少し悪い格好。跳満ツモで一発逆転を狙いたかったが間に合いそうもないためクイタン仕掛けに入り何とかドラと3sのシャンポン待ちテンパイ。数巡後に安めの3sをツモリ10002000。逢川pとの点差は7900のためオーラス満貫出アガリ条件となる

南4 配牌にドラ中が対子で条件完成。ただし手格好が悪いので最悪ドラ後付の仕掛けも考慮する(点棒状況的に3着目の松ヶ瀬pからはドラが切られる可能性があったため)

中盤  779m34p246677s中中

七対子は見切り二枚目の7sをポン打2sで中バックに決める。次順2pツモ打4s河も三段目に入り待望の中ツモでテンパイし打7m嵌8m待ち。すぐに松ヶ瀬pから8mが放たれ8000のアガリ。逢川pを100点差でマクリ何とかトップ。仕掛けの良し悪しは別にして結果は良かった。

画像1

2回戦
東家 YT工務店さん(アマ)
南家 自分
西家 松井p(麻将連合)
北家 小川p(最高位戦)

東3 アガリのないまま流局流局で防戦一方の微差ラス目。そこへまたしてもYT工務店さんからの立直。無スジは勝負しない形で一向聴のまま鳴いたら最終ツモ番を放棄しながら形テンを取れる牌が立直者から放たれる。鳴きたいのは山々だが鳴くと立直者に海底が回るため少し躊躇ったが受け気味だった他の二者との差は縮めたいのでチーする。しかし結果として最悪で立直者に海底ドラ3の跳満をツモられてしまう。ここは序盤だったし我慢したほうが良かったかも

南2 アガリがないまま17000持ちの親番。運良く先制立直をかけることができ7700のアガリ

南2-2 供託もありドラ6pが2枚あるためクイタンドラドラを目指してまずは一副露。すぐに対面の小川pから立直がかかるがチャンス手のためここは一向聴からでも押していく。数巡後346678pの打36pでの聴牌。小川pの河は1段目に5pが切られている以外は筒子の情報なし。ここは打6pが割に合わなすぎて打3pを選択。5pは見た目2枚しかないがここは仕方ないと判断する。何巡かお互いにツモ切り後流局も見えた終盤に5pツモ。これはほんと運が良かったが改心の2200オール+3000。

南3 時間打ち切り最終局。小川pがドラ9pポンした後に發の後付ツモの20004000。まさかの2連勝で少しだけジャンプアップを意識するがこの時点で緊張による疲労感が半端なかった

画像2

3回戦
東家 小林さん(アマ)
南家 新島p(最高位戦)
西家 夢野さん(アマ)
北家 自分

新島p夢野さんとの上位3位対決。トップよりも二人より着順が上であることを意識して臨んでいたが東発から夢野さんが立直に仕掛けに攻め続け一人浮き40000オーバーのまま自分がラス目で親番へ

東4-2 新島pから一段目立直が入る。親番、手が悪くないということで手格好を優先して進めていくなか9巡目ピンフのみの聴牌が入る。打点がほしいため立直も考えたがドラの6mを持ってくるとスライドできるため闇テンにする。無スジをプッシュしながらツモ切りが続いたまま16巡目。ツモは残り2回。打点もほしいし闇テンもここまでかとツモ切り立直を決行すると新島pが自身の当たり牌8pを掴んで裏なし5800+600+1000のアガリ。

東4-3 問題が起こったのはここ。夢野さん以外がほぼ横並びで何とか先制立直したいと思いながらの先制14m5s待ち立直。カン材もないため立直後はアガリ牌以外は切るだけ…疲労感もあり少しだけ集中力が切れてしまったのか本来のツモヤマとは異なる場所からツモってしまった。すぐに同卓者から指摘を受け立会人を呼ぶことに。その後裁定の結果アガリ放棄となった。やらかしてしまったことによる大きな落胆とチョンボ扱いにならないことによる小さな安堵が混在した。アガリ放棄となるため当然他三者は真っ直ぐとアガリや聴牌を取りに行く。流局後ノー聴立直で無いことを確認した後、3人に1000点づつ支払う。痛恨の親落ちであった。正直言うとその後の展開はあまり覚えていないがここでのミスが響きラスのまま半荘が終了してしまう。

画像3

4回戦
東家 井上p(最高位戦)
南家 自分
西家 小西さん(アマチュア最強位)
北家 田中p(最高位戦)

正念場。3回戦で自らのミスでラスってしまい更にここでラスを引くと正直厳しい。ある程度素点のある(20000持ちくらい)の3着までならOKとして臨んだ四回戦。実を言うと小西さんはヴェストワンの予選やA.ruleで数回同卓したことあるが一度も着順上になったことなくて多少苦手意識があった。それも含めての正念場である。対局の方は小場が続いた。流局、軽いアガリの応酬でジリジリとした展開が続き、全員合わせての最高打点は5200 。そして南3の点棒条件は以下の通り

井上p  32000

自分 28300

田中p 36000

小西さん(親) 23700

非常に僅差である。戦前立てた最低目標の素点のある3着ではあるがラスも近い。その変わりにトップも狙える。手組みも押し引きも重要となってくる局面であるが早い巡目からここまでアガリがなく防戦一方で耐え忍んでいた小西さんから立直声がかかる。攻め返せそうな手ではなかったので終盤の聴牌を見越しながらのオリを選択。ここは立直後に通った牌のスジが捕まり田中p→小西さんの3900の横移動。トップが近づいた反面ラスも近づき更に押し引きが難しくなった時間打ち切り最終局の南3-1。点数は以下のとおり。

井上p  32000

自分 28300

田中p 32100

小西さん(親) 27600

トップ条件 出アガリ3900 ツモアガリ10002000

このメンツでこの点差での最終局はキツすぎる…結果はどうであれ悔いが無いようには打とう。極力立直棒は出さないよう手を組みたいと手に取った配牌はドラは無いが發と南が対子で他の手格好もまあまあ良し。3着確保の1000点2000点ならアガれそうな手だがどうしようか…役牌をポンするかスルーか決断できないまま一打目を切る。悩みながら手なりに進めていった6巡目親の小西さんから再度立直がかかる。

(間に合わない。役牌以外も鳴いて進めるしかない)

瞬時にそう決意した反面、手牌はどんどん進んでいき、遂に面前で聴牌が入った。なんと始めに鳴こうか迷った役牌がどちらも暗刻になったのだ。

南南南發發發33p56sXXX   ※XXXは順子

3200は3500+供託1000で条件クリア。恐怖心とともに余剰牌の無スジ4pをプッシュ。力が入っているのが自分でもわかるくらいだった。4pにロンの声はかからず次巡安全牌をツモ切った後小西さんから7sが放たれた。

「ロン3200は3500」

順位点を含めると43500点のアガリとなり前回のラスがほぼ帳消となり、割と現実に通過が見えてくるポジションとなった。

最終局に押した4p、めちゃくちゃ怖かった。以前は押さなければいけないとわかってても恐怖心で押せなかった。だが今は押せる。アイシールド21のセリフで「タイムを0.1秒縮めるのに一年かかった」的なセリフがあるが正に「危険牌一枚押すのに一年かかった」である。

画像4

5回戦
東家 加藤さん(アマ、元近鉄)
南家 自分
西家 角谷p(協会)
北家 田村T(麻将連合)

ジャンプアップ通過と脱落者7名が決まる5回戦。ここからは特に他者のポイントや点棒状況を意識して打つ必要がある。戦前、対戦者のポイントを把握して以下の通りマークしていこうと決めた。

加藤さん(-126.5pt)→大大トップ条件。大きく狙ってくるだろうから特に親番のときは半端な仕掛けや立直はしないでおこう。反面軽い鳴きは少なそうだから仕掛けが入るまでは絞りとかは気にしないでおこう、見逃しとかはする局面じゃないので特に考慮不要

角谷p(-84.3)→加藤さんとほぼ同じ対応。ガンガン無スジを切って押すタイプなので注意。

田村T(+84.6)→この卓内での最重要選手。ボーダー争いのライバルのため着順を上で終わらせたい。自風などの役牌も積極的に絞りにいく。相手方も自分に対しては辛く打ってくるだろうがそれも考慮する。

対局のほうは東1田村Tの一人聴牌という嫌なスタートで始まり東場で田村Tに走られてしまいそのままトップ。自分は南場で点数を回復し33000持ち2着で終えた。連対取れたのは良かったがマークしてた選手にトップ取られて内容的には不満が残る結果となったが何とかボーダー内の3位で最終の6回戦を迎えることができた。ただし心身ともに疲労はピークだった。

画像5

6回戦
東家 自分
南家 田中p(最高位戦)
西家 小川p(最高位戦)
北家 松ヶ瀬p(RMU)

泣いても笑って本日の6回戦。あまり経験少ない条件戦ではあるが一応こんなこと考えてます的になことを書いていこうと思う。とりあえず卓組とポイント葉は以下の通り。

画像6

ポイント条件から①→②→③の優先順で対局に臨んでいこうと決めた。

①松ヶ瀬さんより着順が上でいる。

②それが無理ならせめて卓内2位は確保

③初日に限りワイルドカードがあるためラスになるくらいなら3着でもOK。

色々条件や戦い方を整理しながら運命の最終戦が始まった。

東1親番 トップはほしいが無理に狙わなくてもいい放銃しないことを最優先して手を進める。無理に泣いて聴牌を取る必要はない。鳴くと他の人のツモ回数が増え攻めるチャンスを増やしてしまうことを念頭に入れる。重苦しい空気の中全員ノー聴で親が落ちる。今回に限り悪くない結果である。

東2 親番である田中pがツモアガる。直接放銃しない分にはまだOKと言い聞かせるが焦りと恐怖心はあった。

東3-2 配牌にドラ4sが33445の形である大チャンス手。大トップを狙う小川pが親番のため立直をかけない手組み(タンヤオや一盃口)を目指す。ただし小川pからの立直がないことを確認できるまでは喰いタン発進は保留とする。すると7巡目か8巡目、3枚のドラをツモリ打3sのピンフドラ3。正直想定外だったが正に僥倖の聴牌で程なくして待ちの6pをツモり22004200+供託。このアガリで精神的に相当楽になった。先は長いが目下ライバルの松ヶ瀬pとは満ツモ圏外のトップ目に立てたがここからがキツかった。

東4 親の松ヶ瀬さんがオタ風の西北を連続でポン。場に緊張感が走る。大トップ狙いの小川pから東が切られるが声はかからない。自分の手にも東が孤立してたため切りたかったがダブ東混一の山越しを警戒してここでは合わせなかった。まだ巡目も序盤であり可能性としては1%もないと思っているがそれでも12000,18000と言われる可能性がある以上はヌルい牌は打たないと決めていた。結果としては松ヶ瀬pの一人聴牌、混一のみの白単騎。1000点を払い、親は継続するが時間を消費できて万々歳である。

東4-1 配牌から役牌が対子手は悪くない。点差はあるがここはライバルの親を流すため全力でいこうと決めた。上家の9pはスルーして次巡の6pを両面チー。役牌の後付だが少しでも鳴けるよう全力で喰いタン仕掛けのようにみせた。程無くして役牌が暗刻になり出アガリ。めちゃくちゃ価値のある1000は1300。全く油断はしてないが前に出ると決めてのアガリをものにして8割方勝てたとこのときは思っていた。

南1親番 小川p田中pの二人聴牌。1500の支出で親を流せたのは大きい。ついでに時間も消費できた。

南2親の田中pがアガリきりトップ目に立つ。自分は2着へ落ちたが悲壮感はない。道中時間打ち切りの合図があったため次局が最終局

南2-1時間打ち切り最終局

持ち点(開始時pt)→現pt

自分   36400(94.9)→111.3

田中p 43800(27.4)→ 71.2

小川p18800 (9.9)→   -31.5

松ヶ瀬p21000(92.1)→73.1

卓内2位争いが接戦。着落ちしない限り自分の卓内トップは確実なためここでも山越しでの着落ちに細心の注意が払う。

最終局対局開始早々後松ヶ瀬pから發の一鳴きが入る。この時点で三元牌はおろか字牌や生牌は全て絞りにいく。そうした中下家の親の田中pから迷った挙げ句チーの声が。親リーがなくなり少しだけ楽になった。巡目が進む松ヶ瀬pの河が濃くなってきた。筒子の混一のようだ。前に出ざるを得ない田中p小川pから生牌の字牌屋筒子が溢れてくるが再三言うように山越しの可能性があるため現物になるまでは合わせずに手に止めておく。そんなこんなで田中pの最終手番無スジの5pをプッシュし流局。卓内2位争いの二人の手が開けられお互いに36p待ち。最終的にはここで聴牌を取れたため松ヶ瀬pはワイルドカードで出場が決まり、田中pも一人聴牌かアガっていれば松ヶ瀬pに変わりワイルドカードが決まっていたのであった。本当に紙一重。そして自分はというと卓内1位にはなったが別卓の結果待ちとなった。(多分大丈夫だよね…)と言い聞かせながら運営の結果発表が始まった。

まずはGブロックの2位〜4位の発表。九州最強位のめぐみさんなどが名前を呼ばれた。

そしてHブロックの発表が始まった。

運営「2位田村さん」

2位は別卓の田村T。2ラスからの4連トップは圧巻である。そして3位発表

運営「3位徳田さん」

自分の名前が呼ばれた。ホット一息。まわりの拍手に迎えられ前に出て翌日の日程について書かれた紙を名札と引き換えにもらう。

実を言うと名前は呼ばれるとは思ってたけど4位だと思ってたから3位で呼ばれたときは心の準備ができていなかった。

その後IブロックとJブロックの発表が終わり少し他の選手と話をして会場を後にした。

事前に明日の会場近くの大三元の近くに宿を取っていたためひとまず西中島南方へ向かっていたのだが、今日一日の疲労のせいか歩く度に足が震えていた。麻雀打つだけでこんなに疲れるなんて思ってもみなかった。ホテルにチェックインしてベッドで今日一日を振り返る。明日はミスをしたくない、勝てるのだろうか、もっと疲れるのだろうか多少の不安と今日一日の卓上の興奮感で全く眠れる気がしなかった。

画像7



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?