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#短編小説
短編小説:『高校生探偵団(仮)』
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この子はもしかしたら口から生まれたんじゃないかしら、なんて小学生になってすぐに担任の先生に言われて、僕の母親はこう返した。
「将来は落語家か、詐欺師かもしれませんね」
生憎だけれどもちろん僕はどちらにもなるつもりなんて全くなくて、この十五年間で描いた将来の地図はこうだった。
この世のすべての人を幸福にする。
自分でも馬鹿で馬鹿でかい風呂敷を広げてしまったなと思っているんだけれど、
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この子はもしかしたら口から生まれたんじゃないかしら、なんて小学生になってすぐに担任の先生に言われて、僕の母親はこう返した。
「将来は落語家か、詐欺師かもしれませんね」
生憎だけれどもちろん僕はどちらにもなるつもりなんて全くなくて、この十五年間で描いた将来の地図はこうだった。
この世のすべての人を幸福にする。
自分でも馬鹿で馬鹿でかい風呂敷を広げてしまったなと思っているんだけれど、