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#掌編小説
【読切】【掌編小説】書斎のギフト
これは僕が初めて爺さんの書斎に入ったときのお話。
うちの両親と違って爺さんは投資による資産家だった。僕の父は大手のIT系企業勤務で、母は専業主婦だ。今でこそ珍しいが、六歳の僕は母の愛情をたっぷり受けて育っていた。
立派な木造の洋館の三階にそこはあった。母には「おじいちゃんの大切な本ばかり置いてあるから入ってはいけないよ」と何度も言われていた。僕は今でもわりと素直で、その言いつけを守っていた。
これは僕が初めて爺さんの書斎に入ったときのお話。
うちの両親と違って爺さんは投資による資産家だった。僕の父は大手のIT系企業勤務で、母は専業主婦だ。今でこそ珍しいが、六歳の僕は母の愛情をたっぷり受けて育っていた。
立派な木造の洋館の三階にそこはあった。母には「おじいちゃんの大切な本ばかり置いてあるから入ってはいけないよ」と何度も言われていた。僕は今でもわりと素直で、その言いつけを守っていた。