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訪日外国人ガイドの寝言1

関西空港にて

明らかに中東のどこかの国から来たであろう装束の若い男性が国際線到着ロビーに現れた。

手ぶらで。

そしてその彼の後を腰が曲がるほどの荷物を背負って後を追って出てきた、同年代くらいの若い男性。

手ぶらの男性はお金持ちの「王子様」だろう。

そして荷物を抱えてついて歩いているのは王子様の「召使い」だろう。

王子様は召使を気遣う様子は全くない。

召使は王子様から遅れないように一所懸命足早でついていく。

2人はサウスゲートの出口に向かって無言で歩き去った。

キリマンジャロに登った時以来の光景。

若い白人女性のお客さんは何一つ持たず山を歩き、その後を現地タンザニアの10代くらいの少年ポーターが、引っ越しするんじゃないか?と思うほどの荷物を、腰を海老のように曲げて背負って歩いていた。

日本人チームはリーダーから「なるべくポーターの負担にならないように、せめて自分の荷物は自分で背負ってください」と言われていた。

世の中は様々。

本当に様々。

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