SansAmpGT2 コピー試作
表記ギターエフェクターを手配線にてコピー試作した。 回路の情報と特性測定結果を記録する。
元回路は次の情報(Sin Amp Rev.3.Feb.27.2007)を参考にした。
§1 試作
今回の複製品回路図を次に示す。
アンプシミュレーション回路を1系統追加しており、JC-120トーンコントロール回路のセンターボリューム設定時を模した特性で設計している。
回路配線は72mm x 95mmサイズのユニバーサル基板上で行った。部品の占める面積にはまだ若干の余裕がある。
回路はタカチTD11-11-5Nケースに収めた。 元々の製品は回路切替スイッチにスライドタイプが採用されているが、今回の試作機ではロータリータイプのスイッチを用いた。 ケース上の部品配置は次写真の通り。
スイッチポジションなどは手書きで仮加工の状態。
§2 測定
完成品回路の動作状態を測定した。 周波数特性の測定にはADALM2000と同機用アプリケーションソフトSCOPYのネットワークアナライザ機能を用いた。 入力信号の振幅は100mVp-pとし、50hzから10khzまでの周波数でゲイン特性を測定した。 各モード測定時のボリューム、スイッチ類の設定状態は波形写真のキャプションに記載している。
§2-1 アンプモード
アンプモードごとの周波数特性を示す。 ゲイン測定中に入出力波形をオシロスコープにて観測し出力信号の歪が最小となるようDriveレベルを調整している。
・2-1-1 California Mode
・2-1-2 British Mode
・2-1-3 Tweed Mode
・2-1-4 JC Mode
§2-2 トーンコントロール
アンプモードをTweedに固定し、トーンコントロールノブ最大と最小での周波数特性変化を示す。 赤いラインは比較用のトーンコントロール センター位置での周波数特性。
・2-2-1 Low最小
・2-2-2 Low最大
・2-2-3 High最小
・2-2-4 High最大
§2-3 モディファイ(Mod)モード
このモードの趣旨をよく理解できていないが、もともとのアンプに対して、ゲインアップ改造を行った場合を想定しているらしい。 この測定については新たに追加したアンプモード”JC”にて実施した。測定時の信号飽和を避けるためドライブを最小にしている。赤いラインは比較用のモディファイモード CLEAN位置での特性。
・2-3-1 High Gain Mode
・2-3-2 Hot Wired Mode
§2-4 マイクモード
アンプモードをJC、モディファイモードをCLEANにて測定した。赤いラインは比較用のマイクモード CLASSIC位置での特性。
・2-4-1 Centor Mode
・2-4-2 Off Axis Mode
§2-5 ドライブレベル
アンプモード、CaliforniaとBritishではドライブレベルつまみを時計回りに9時ぐらいまで回した時点で出力信号波形が歪み始める。(入力信号レベルを100mVp-pとした今回の測定条件にて) そこで参考データとしてドライブつまみを最大としたときの周波数特性も測定した。 赤いラインは比較用の各アンプモードでドライブレベル最小位置での特性。
ただし、出力波形は入力した正弦波と大きく異なり歪んでおり、このデータを回路の周波数特性とみなすべきではない。 どの周波数から波形歪が発生しているかを把握するための測定である。
・2-5-1 California, Driveレベル最大
・2-5-2 British, Driveレベル最大
以上
2022年4月23日 記