伊勢鈴蘭と川村文乃
こちらは #川村文乃アドベントカレンダー 11月23日(15日目)の文章です。
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#川村文乃アドベントカレンダー は2024年11月28日をもってアンジュルムを卒業され、アイドルとしての物語を完結する川村文乃さんの門出を祝福したい!という趣旨のアドベントカレンダーです。
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皆様ごきげんよう。
突然ですが、「清く正しく美しく」という言葉をご存知でしょうか?
これは実業家・小林一三氏が設立した宝塚歌劇団のモットーであり、劇団員養成所である宝塚音楽学校の校訓です。今日まで受け継がれているこの言葉は、もうすべてのタカラジェンヌが大切にしているといっても過言ではないかもしれません。
ただ、そこにはどういった意味があるのか。解釈は様々だと思います。本稿を執筆するにあたり、以下の記事を参考に自分なりに考えてみました。
現役時代は月組の組長として様々な舞台で活躍し、現在は宝塚ホテルの総支配人を務める元歌劇団の憧花ゆりのさん。こちらのnoteで意味を考察されています。「精神のあり方について考えるべき」と述べられており、表面上の意味だけで語るべきでないとおっしゃっています。
「清く」は自分に嘘をつかないということ。素直でまっすぐという意味合いが強いんじゃないかなと思います。「正しく」は道を外れないこと。マナーや礼儀をきちんとしていることが重要ではないかと。「美しく」は自分の信念を貫くこと、誰にでも分け隔てなく接すること。
僕が生まれたのは宝塚市なので、小さいころから宝塚歌劇の存在は知っていました。ただこの言葉について深く向き合うことはほとんどなかったので、いい機会になったなと感じています。
さて、ハロプロにおいて宝塚歌劇が好きな人といえば、僕の敬愛するアンジュルムの伊勢鈴蘭さん(以下れら)でしょう。
11月23日、れらはグループ加入6周年を迎えました。ここまでハロプロの一員として獅子奮迅し、日々成長を続けてきた姿には頭が上がりません。これからも全力でついていきます。
れらが加入する約9年前、アンジュルムのサブリーダー・川村文乃さん(以下かむ)が「高知県おさかなPR大使」に任命されました。ここからローカルアイドルグループ「はちきんガールズ」として活動していくことになります。
当初は高知県内のスーパーが彼女のステージ。来店するお客さんに気を遣いながらも、毎週末鮮魚売り場の冷蔵ケースの間で歌い踊っていました。また炎天下の野外ステージで、誰もいない客席に向かってパフォーマンスすることもあったんだとか。
そんなかむが、よさこい祭りをきっかけにアイドルを志し、14歳で高知から上京。オーディションなどを経て、16歳からハロプロ研修生となりました。
はりまや橋のバスターミナルで見せた決意の表情。
もはや説明はいりませんね。
高知から東京は、夜行バスだと11時間近くかかります。ハードな移動の中でも、毎回夢がかなった姿を想像し、「絶対にこうなるぞ」とイメトレを重ねていました。アイドルになりたいという思いは絶対に曲げず、地道にコツコツ努力を重ねてきました。
そして2017年7月にアンジュルムに加入。約1年4か月活動した後、れらが新しい仲間として加わることになりました。北海道と高知の違いはあれど、地方から上京した点では重なる部分もあります。
翌年6月、当時リーダーだった和田彩花さんが卒業。竹内朱莉さんが新リーダーに指名され、サブリーダーにはかむが選ばれました。
大抜擢に涙し戸惑いながらも、自分にやれることをやろうと決心。告知などにおいても、自ら率先して高知の観光案内をブログで行うなど、熱い思いを発信し続けました。
そんな先輩の姿に刺激を受けたのは、れらも例外ではありません。
マグロ解体師の資格取得の際は、1年近くオンラインで部位や特徴、口上の仕方を勉強。実技は1日約8時間もの講習に挑んでいました。受講当初は指導する講師から「荒々しさが足りない」と指摘されることもあったそう。
それでも諦めることなく最難関の1級にこだわり、見事日本人女性で初めて資格を取得。ここでも自分の信念を最後まで貫きました。
意志を曲げないカッコよさもありながら、純粋な人間らしさも持ち合わせているのがかむです。メンバーに対し”でへでへ”しているところにも、純真さを感じずにはいられません。
れらは未経験でアイドル界に入った分、近い先輩だったかむから様々な形で影響を受けてきました。パフォーマンス面やパーソナルな部分だけでなく、アイドルとしてどうあるべきか、礼儀作法やマナーもかむから教えてもらってきました。
それはすなわち、かむ自身がその部分に対してきちんと取り組んでいたということなんでしょう。ローカルアイドルや研修生を経験している分、鍛えられた面は大きいのかもしれません。
かむは以前れらに対して「感情が動かされるときに、その場で絶対に出さずに、カラッと淡々としていられる」と語っています。れら自身も「メンバーの前でもちゃんとしていたいタイプ」と自称しており、これはかむから「正しさ」を感じたからなんでしょうね。
目標に向かって意志を貫きまっすぐに突き進む。
人として道を外さず、礼儀を重んじる。
誰にでも平等に接し、人間らしさもあわせもつ。
そんなかむはまさに、れらにとって「清く正しく美しい」存在でした。
きっと今後は、そのポリシーを受け継いで日々成長してくれるはず。僕はそう信じて疑いません。
かむは芸能活動に区切りをつけ、新たな道に歩み出します。れらは歴が上から2番目になるので、グループを支える中心的な存在になるんでしょうね。
別々のステージに立ったとしても、きっと根底には「清く正しく美しく」の精神があるはず。それぞれがそれぞれの場所で、タカラジェンヌにも負けないくらい美しく輝くことを切に願っています。
僕たちはかむのように優しいまなざしで、活躍を見守っていきたいですね。
11月28日、日本武道館
愛と夢と希望に満ち溢れた空間となりますように
かむの歩む未来が、キラキラしちゅーものでありますように
これは悲しいお別れじゃない。
絶対に「さよなら」は言わない。
心からの「ありがとう」と「いってらっしゃい」で、新たな舞台へ背中を押そう。
そして、「かむがサブリーダーで良かった」と心から思えるように。