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俺の少年が終わらないし,そろそろジャンプは人生に食い込んできた

またESの提出締め切りを見過ごした。流してしまったと書くべきだ。何をしてるんだ俺は。D進するか働くか迷い続けているうちに、容赦なく社会も研究室も同じだけ時間が進む。また今日も進捗がなかった。どうせESを書くにも継続してきたことで一番期間が長いことはジム通いでもなくボランティアでもなくインターンでもなく,かれこれ13年買い続けたジャンプくらいしかない。むしろすごいやろ。俺を採ってくれよ集英社さん。なんか調べてたらそういう読者あがりの就活生は真っ先に落とすらしいと噂を聞いたことがある。鉄道会社が鉄オタを落としがちみたいなそれなんでしょうか。

大学卒業式の直前、いつも通り買いに行ったジャンプの表紙を見て,一体自分はいつまでジャンプを買い続けるんだろうと思い始めてしまった。思えばその瞬間が少年に一区切りをつける最後のタイミングだったのかもしれない。

最初にジャンプを買ったのはいつからだっただろうか。小4とかのころだっただろうか。
母親が行くスーパーには決まってジャンプが置かれていた。今でもその場所は思い出せるし,数年前に売り場が刷新されて100均になってからはしれっと雑誌売り場が撤去された。近くのコンビニは今月から新聞を含む全部の雑誌の取り扱いが消えた。

中1からはバスと電車通学になったことで,校則に怯えていたから月曜日の夕方にキオスクでジャンプを買ってからバスで読みながら帰っていた。ヒロアカが始まったのはその年の7月くらいだっただろうか。正真正銘,少年ながらに「これはヤバいのが始まった!」と震えていた。あの頃のデクは3つ年上だった。最終回手前の時期には5つも年下になっていた。

風邪をひいて母親にジャンプを頼んだときには,分厚い方がいいだろうという優しさから増刊号のGIGAが買われていた。ちゃうねん。赤丸ジャンプからGIGAへの過渡期だった。

ジャンプを持っていれば,どんなヒエラルキーであってもそれなりにヒーローになれた。実際はジャンプをタダで読みたい作品だけ読めると思われていたとしてもそれはそれで今は許せる。
爺ちゃんが死んだ日の朝,病院で買ったジャンプにはNARUTOの最終回が載っていた。「爺ちゃん,NARUTO終わったわ。何も同じ日に行かんでも」なんてことを,背伸びして飲み始めたブラックコーヒー片手にベッドのそばで話していたことを覚えている。
世界が鬼滅に気づく頃,俺は最終章を読んでいた。呪術がおもろいと騒がれる前から,毎週ジャンプを楽しみにしていた。チェンソーマンの始まりだって,リアタイしていることを誇りにすら思っていた。今でもチェンソーマンの1話巻頭表紙のジャンプは保管している。

バキより前に,カッコいい漢の存在を知った。それはもうたくさん。ジャンプっ子ならありきたりなそればかりだ。

BLEACHにこち亀の最終回も迎えた。何も読んでいないのにHUNTER×HUNTERの休載ネタにノレるくらいには読み続けていた。テストでエグい赤点を取ったのに普通にジャンプを買って帰ってきてバチ怒られした週のトリコはNEO戦だった。テストで見たことない赤点を取った週のジャンプは煉獄さんの最期の回だった。

コミックスを買わないと連載が続かないのを知ってからは,ちょくちょく小遣いを握りしめて本屋に行って買い続けていた。

初めて1話からハマって,それからコミックスを1巻の初版から買った作品の話をしよう。『左門くんはサモナー』をご存知だろうか。どうせ知らないですよね。読んでください。1話のリンク貼っときました。知ってた?嘘やんちょっと喋ろ??LINEのIDとか送った方がいい??

今連載中の『超巡!超条先輩』(以後「超巡」)の沼駿先生の前作なんですけど,これがねぇ!!私の高校生活を狂わせたんですよ!!もう10年前くらいなんですって!!2015年からの連載なので10年前,10年前!?自分その頃えっ?あぁ"〜絶賛厨二病を超えて冷めてきたくらいの時期じゃないですか。怖いって。

で,この超巡が今週のジャンプでめでたく1周年を迎えたわけです。めでたい。このまま2周年手前でアニメ化決めてくれ。もう脳内でCVは出来てんだよ。そういやVOMICってまだ続いてるんですかね。今キャンペーン中で3巻分無料で読めるんで追いついてください。ちょっと前に警官つながりでこち亀とコラボしました。これもうしばらく連載続くだろ。

こ周年回にね,出てきたんですよあいつが。前作主人公の左門召介が。こんなんもう歴年のファンが大喜び。具体的にはジャンプを10年以上買い続けてきた少年のままの異常者人たちが大喜びしていた。

さっき10年前って書いたじゃないですか。そうなんです。10年。10年前に生まれた子は小学生も後半,自分がジャンプを買い始めたくらいのタイミングに差し掛かってくる。

10年だ。自分の10年と沼駿の10年は同じ10年だ。ざっと3650日,描き続けていたわけだ。読み切りも何度も出ていた。増刊もジャンプラも本誌も出るたびに泣きそうになりながら読んでいた。オタクは一度どハマりした作品の作者が大好きになる性質を持つーーー♡

思えば直近の連載陣の先生たちの前作を何度も知っている。打ち切りや円満終了を経てはちゃめちゃにおもしろくなった人たちばかりだ。最近の連載だと,『ひまてん!』の小野先生は前作の『フルドライブ』も覚えてるし,読み切りも覚えている。スポーツものとかバトルものとかから「可愛い子上手いんですからラブコメ描きましょうよ!!」みたいなこと提案した編集さん,あんた天才だよ。ボーナス貰ってくれ。マジで。頼むから。

ジャンプが人生と化してしまった。よく考えたら10年以上ほぼ毎週読んでるってことは,それはもうほぼ親戚よりも関わってる頻度は高い。週1で通っている塾の先生くらいの感覚だろこんなん。数値的には人生の6割はジャンプの存在がチラついている。

そう考えたらもう,ジャンプは親戚の子よりも親戚している。小学校くらいから大学くらいまでの期間の子供の発達を見つめているようなものだ。「お〜!大きくなったねぇ!」みたいなそれじゃないか。

連載が終わって新連載になるたびに,「久しぶりやねぇ」としみじみしている。松井先生や篠原先生なんて何回このくだりをやっているのだろうか。ジャンプラの連載も終わっては新しく新連載を携えて帰ってくる先生が現れた。いいね,最高だ。

まだまだ少年から大人になるには時間がかかるらしい。ONE PIECEが終わったらとは思っているけど,どうなっていくのだろうか。でもそろそろ本当に最終章に入りそうなんだよなぁ…毎週どんどんアクセルが踏み続けられている気がする。これ3年後とかにはきっぱり終わっててもおかしくないし,あと7年くらい続いててもおかしくはない。でも…と思っている間に沼駿が帰ってくるみたいなことがあるからジャンプはやめられない。こんな嬉しい縛り,煙草と同じく,値上がりがピークを超えるまでは買い続けてみようと思う。

自分が過ごしてきた時間と同じ瞬間,多分今も,あの頃面白かったのに打ち切られた作品を生み出した人たちはペンを動かしているかもしれないし,そうじゃないかもしれない。でも,自分と同じ時間に他の人も研究していると言われるよりもこう,アツくなれるのはこっちの方だ。もうちょっと生きるのを頑張りたい。あの作者の新作は,まだ世に出ていない。読まないと。むしろそんなくらいのモチベの方がね,いいのかもしれない。

最近出たジャンプ合作,知ってます??ちょっと長いけどほぼ今のジャンプの象徴みたいな概念なので,よかったら見てください。おすすめです。

書きたくて書き溜めてる下書きがそこそこあるので,またぼちぼち投稿します。ほなまた。

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