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座らない椅子
自宅にずっとある、でもずっと滅多に座ったことのない椅子があります。その椅子は窓際にあって、そこに座って外を眺めたことがあって、窓の外には桜の木があって、それはそれはいい眺め。妻はよく「椅子ばっかり買って、この椅子も座ってないでしょ」と。でも思う。椅子ってそれでもいいと思う。その椅子がそこにあるだけで、「そこに座った思い出」がそこにずっとある。桜の季節の暖かな日の心に映った景色と居心地が、そこにあるようで、そこにあることで、生活の居心地がずっとあるようで。よくよく思うと、僕は座る椅子よりも、座らない椅子の方が好きなのかもしれません。それは別荘のようなものなのかもしれません。自宅という食卓椅子があって、そこには毎日通うように座る。けれど、窓際の椅子は、1ヶ月に1度くらい。そこに座るには、ちょっと心に余裕がないと座らない。何か機能があるというよりも、日常を少しだけ離れて、頭を空っぽにして「生活のようなふりをして、日常から少し距離を置く」。そこには日常はないけれど、「座る」という日常行為はある。毎日座らないからといって、その質にこだわらなくてもいいかと言うと、そうでもなく、その椅子の上質さは、結果として日常の忙しさの合間にふと、その椅子を思い出して、そこにある休憩の質を想い、頑張れるかもしれないと思う。僕にとってのそんな椅子は、人によっては車かもしれないし、旅行かもしれない。なくてもいい、けれど、実はそれがあるから、毎日が成立しているのかもしれない。そんな僕の椅子。
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