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d news agui物語.9 「街並みアパート」

自分の故郷「阿久比町」に活動の拠点を作るとき、一番初めに思ったことは「町の風景を残す」こと。そして町が昔、機織りの産地であることから残る「ノコギリ屋根の工場跡」の建物を借り、始めました。

そして活動の一つ「町歩き」を週1回のペースでできるようになったある日のその町歩きの途中で気づいたのでした。町がどんどん変わっている様を。

田舎では特にそうだと思うのですが、特別な建築でもない、普通の民家などが残っているだけで、それが町の懐かしさ、町の風景となっています。住んでいる人は「古い建物だなぁ」くらいにしか思わないかもしれませんが、実は、それは町のある時代を残すもので、しかし、特別なものではないので次々と取り壊され、新建材をふんだんに使った安くてアッと言う間に建つ建築に代わってしまいます。


そんな古い家を持っている人にとっては、例えば、遠くから結婚を機に戻ってきてくれそうな子供夫婦のためになら、新築で家でも建ててあげることが、息子、娘たちにとっては嬉しいこと。そんなこんなで日々、町はおおよそ「町の歴史」に関係ない大手住宅メーカーの「商品」としての家やアパートが立ち並んでしまい、町の風情がなくなっていき、そこには一軒一軒の「快適な暮らし」だけがある、少し寂しい町の様子になっていきます。町歩きをしていて、そんな家や、特にアパートによく遭遇します。そして思ったのです。

この町らしい、せめて外観だけでも風情を持ったアパートを、この町の土地を持つ地主に営業をして建てさせている住宅メーカーと一緒に作れたら。
地主さんだって、「町らしいアパート」でアパート経営ができれば、そうじゃないアパートで経営するよりも気持ちのいいはずです。そんな「街並みアパート」を提案したいと思い始めています。

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