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2 新・店舗付き住居

d hotel (d news) ができるまで 2

路面店の限界を感じ新しいd&departmentを発想。初夢に建築家の長坂常さんも現れ、お願いしに行ってきました。

これは2020年に開業する予定のD&DEPARTMENTの初のhotel project「d news」の記録です。


この連載では、時間軸が一回ごとに前後するような、昔に戻ったり、最新状況になったりするように書いていきます。それは僕にとってこのプロジェクトは、過去からの想いであり、現在形の格闘でもあるからです。少し、読みづらいかもしれませんが、おつきあいください。

僕の中に長らく経営してきたストア「D&DEPARTMENT」の限界が見えてきた時(特に都市での営業)、一つのアイディアが浮かびました。それが「d news」です。

まず、なぜ、D&DEPARTMENTに限界を感じたかというと、これは皆さんも絶対に関わっていることで、ネットショッピングで家具のようなものを、普通に買う時代になったからです。そして、ネットストアの買い物の快適性、例えば、検索したり、最安値を調べたり、配送時間を設定したり・・・・・・。路面店の店内で膨大な数の実物からものを選ぶことは、楽しかったはずですが、もう、ネットのそれに慣れてしまったのです。つまり、第一に、ネットストアと共存するスタイルか、全く、ネットストアでは実現できないことを提供するかのどちらかを選ばなくてはなりません。

最初はソファのようなものは、試してじっくり検討しないでネットなどでは買わないと、思っていました。そして、若い人を中心に「ものを買わなくなった」と思っていました。そうではないのです。ものは買っている。ネットで買っているのです。つまり、「dらしい新しい売り方」を考える必要が出てきました。これは多くの路面店に言えます。


そこにひも付き、高い家賃を払って、スタッフを雇用し、在庫を抱えるというスタイルも、ネットからの影響で改良しなくてはなりません。もうお気づきかとは思いますが、世の中の店は小さくなっています。もっと言うと「小さくて、ネットにはできない体験がある」店が増えています。ということで、dも大きくスタイルの進化をしなくてはなりません。


ある益子の陶芸家が、僕らの日本の店舗を巡りながらワークショップをしている姿をふと意識してみました。

そういえば、昔から百貨店の催事場では、「大北海道物産展」「京都の伝統工芸展」などの催事が行われ、多くの地方からの職人が百貨店を巡りながら、伝えながら収入を得ています。

職人だけを見ていても、ものの作り方や流通の仕方、売り方、買われ方が変わってきている。そこに敏感に反応して、また、自身の人生においての「幸せ感」とも照らし合わせ、産地を守りながら、旅をして人と接し、直接ものを売る・・・・・・。そういうスタイルを応援するためのdになれたらいいなと、思い始めました。

もはや、定番商品を広いスペースに並べ、定価でスタッフが丁寧に説明して販売するだけでは、これはネットストアに惨敗になります。
もちろん、経験を持って接客し、気持ち良く買ってもらうことは続けながら、コンパクトで、巡ってくる生産者に販売の場を提供し、宿泊してもらう。そして、これまでの20年間でつながっている生産者と長く続く素晴らしいものに関心の高いdのお客さんをつなげていく。

そう思っていく先に「2組くらいの宿泊ができて、多目的に使えるスペースと、厨房を貸し出す」という「泊まれるd」をシステム発想で、全国に1,000か所くらい作り、その活動管理、PRをしていくというdになっていけないか、と、考え始めました。

そして、その名前を「d news」としました。

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