好調ロアッソ熊本を相手に連敗ストップなるか
パルセイロの現状
第17節いわてグルージャ盛岡(H)、第18節カターレ富山(A)と上位に対して勝ち点を一つも奪えていないパルセイロ。後半戦の再開節テゲバジャーロ宮崎(A)こそ複数得点&無失点で勝点3を奪えましたが、昇格大本命の順位につけるチームには無得点に終わっています。また、いずれの試合も前半に先制点を決められており、自慢の堅守に陰りが出てきています。攻撃に関しては、『ブロックをつくる』相手の策略を崩すことができずにカウンター。もしくは、即時奪回をいなすためのロングフィード。良いように昇格に向けて勝点3を贈呈してしまっている現状です。
ロアッソ熊本の今季戦績
今季のロアッソ熊本は、ここまで8勝6分2敗。上位の中で1試合少ないながらも昇格圏内と勝点差2という好調なシーズン。昨季の終盤での失速を経験しているだけに死に物狂いで昇格を目指しているはずです。
特に、2敗という成績は今季のJ3で最少敗戦数です。引き分けが少なく勝利数の多い、福島ユナイテッドFC・いわてグルージャ盛岡・FC岐阜とは異なり、カターレ富山とロアッソ熊本には『負けない強さ』が備わっています。
今季喫した2敗は、両方ともホームゲームでありアウェイゲームではここまで無敗を継続しています。
『Uスタで勝てない、いわてグルージャ盛岡』
『ホームで無敗、カターレ富山』
『アウェイで無敗、ロアッソ熊本』
パルセイロは、とんでもない3連戦に立ち向かっているのです。
パルセイロvsロアッソ熊本の通算戦績
J3での初対戦はロアッソ熊本が降格してきた2019シーズン。ここまで5試合でパルセイロの3勝、ロアッソ熊本の1勝、1引き分けとなっています。
つまり、今季アウェイで破れるまではロアッソ熊本に対して無敗だったのです。そして、パルセイロに勝利するまでロアッソ熊本は、今季ホームゲームでの勝利がありませんでした。
負けたことのない相手&相手はホームで未勝利という大きなアドバンテージをひっくり返されているという状況。「まだ3シーズン目でデータも少ないし...」「それは偶然...」と私も思いたいですよ!
じゃあ、どうして自分たちに不利なジンクス、データを跳ね返せないんだよ!
失礼しました。あくまでもデータはデータ。数字に過ぎませんからね。でも、ここまで有利なジンクス・データをひっくり返されて、不利なジンクス・データ通りに勝点を伸ばせないのか。これはパルセイロが昇格するために破るべき大きな殻なのかもしれません。
マッチプレビュー
互いのチームがシステム変更をしなければ、パルセイロは4-1-2-3、ロアッソ熊本は3-3-2-2のシステムでぶつかることが予想されます。前節のカターレ富山と同様のシステムですが、戦い方まで一致しているとは言い切れません。
ロアッソ熊本はサイド攻撃に特長があると考えます。攻撃時、ウィングバックとインサイドハーフが流動的にポジションを変更して、守備に亀裂を作ろうとしてくることが特長です。下の動画で起こりうる守備の亀裂を想定しました。視覚的に理解しやすくなっているのでご覧ください。
4-1-2-3を採用している以上、構造的に仕方がないところではあるのですが、インサイドハーフとウィングでのプレスをひっくり返されたときに一気にピンチを迎えてしまいます。ロアッソ熊本はその弱点を攻めることに特化した攻撃システムなので、対策を練る必要がありそうです。それが、試合途中からなのか試合開始からなのかは監督次第ですが、策なしで挑むにはあまりに相性の悪い相手です。
ロアッソ熊本対策案
上位相手に得点が奪えない一因に、相手の攻撃を受け切ってしまうという点が挙げられます。最近の敗戦と前半戦終盤の違いは守備面にあると考えています。
前半戦終盤では、前線からのプレスがうまくハマるか、相手の深い位置まで侵入した後の即時奪回で隙をついて得点という場面が見られました。
相手の攻撃をひっくり返すための対策案を考えていきましょう。
対策
『4-4-2のシステムによるサイドでの潰し』
以上の方法をとれば、構造上簡単に崩されることはありません。それでもロアッソ熊本のインサイドハーフとウィングバックは強力なので注意が必要です...
この守備ブロックは4-2-3-1からの可変システムでも形成可能です。しかし!2トップで見てみたい。
要因① FWの登録人員の多さを生かす
やはり、『4-3-3』or『4-1-4-1』をするには中盤で運動量があって対人戦に向いた選手が住永と坪川の他に最低2人は欲しいところです。宮阪や東の併用は運動量や守備の面でやや不安が残りますし、山口では対人戦の面やポジティブトランジションでの力強さでやや不安が残ります。森川や水谷はできてしまいそうですが、サイドで脅威になって欲しいです。藤山...おっと、たらればはご法度。
それなら、榊・佐野・金園・武田・高窪・人見・上米良を要する圧倒的FWの数で変幻自在の攻撃&組み合わせを試みても良いのではないでしょうか。
昇格戦線崖っぷちの今、下手な小細工よりも効果があるかも...?
要因② 攻撃方向にパスコースを
カターレ富山戦で露呈した攻撃の遅さ&自陣側のみの関わり。ここを構造上解決するには1.5列目で戦うより最前線で勝負した方が攻撃が活性化しそうです。両方が最前線で張って攻撃がノッキング...なんてこともありえますが、サイドを主攻とするパルセイロにとって、もう二兎を追う必要はありません。実際サイドの人員はリーグトップと比べても遜色ないはず。今季はここを突き詰めるならやりきって欲しいです。
スタメン予想
スタメン予想というか「横山監督が私と同じように分析していたらこれでいくべきでしょ!」という傲慢さ全開の予想です。何なら当てる気なんて20%くらいです。
昇格圏内への生き残りを懸けた一戦に横山監督がどんなメンバーを送り出してくるかに注目です。