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長野市SDGsフォーラム特集①

10月16日(日)長野市芸術館で行われる「長野市SDGsフォーラム」

長野を代表して「長野市SDGsフォーラム」に出演される方々にお話を伺いましたので、1名ずつご紹介させていただきます。

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■篠田恭椰さん(信州大学大学院総合理工学研究科)
近年問題となっている空き地を、地域の新しい居場所に!

私が所属する「佐倉研究室」は、「多様性」と「積極的に変化を許容すること」を念頭にさまざまなプロジェクトを展開しています。

その中のひとつである「まち畑(はた)プロジェクト」は、長野市の善光寺門前界隈に年々増えている空き地を活用して、周辺環境に応じた「まち畑」を作っていくというものです。

「空き家の減築」と「廃材の利活用」がテーマの「すけろくガーデン」

すけろくガーデン

「地域住民との交流」と「とれた野菜での食の循環」がテーマの「ラ・ランコントルの裏庭」

ラ・ランコントルの裏庭

「人と動植物の共存」と「ヤギと竹による循環」がテーマの「ヤギのいる庭」

ヤギのいる庭

の3つの活動を展開しています。

「佐倉研究室」に所属したきっかけは、佐倉弘佑助教が学外活動の積極的な参加を推奨してくださっていたことや建築を学ぶうちに、実践の場が必要だと感じたからです。佐倉助教は、どんどん経験を重ねて、還元して欲しいという考えをお持ちなので、研究室だけでなく、学外活動にも積極的に関わっています。

私がリーダーを務めていた「すけろくガーデン」は、研究室立ち上げとともに活用を始め、土地の所有者の方が営んでいる居酒屋の店名をプロジェクト名にしました。

また、空き家と一緒にお借りした空き地は、シェア畑としての活用を行うだけでなく、ピザ窯を作ってピザを焼いたり、いろいろな遊びをしてみたり、鶏を飼って玉子を食べたりと、手間をかけずにどう楽しむかを地域の人たちと一緒に探っています。

また、空き地と一緒にお借りした母屋は、かなり老朽化が進んでいましたが、減築することによってそこに新しい空間が生まれました。減築する際に生じた健具を鶏小屋に転用したり、瓦を畑の区割りや階段に活用するなど、廃材をなるべく畑の中で再利用しています。

鶏小屋

このプロジェクトは、建築設計として社会を構想するだけではなく、実践を通して社会にアプローチしながら、自分たちのイメージと現実のギャップを測るという意図もあるのですが、SDGsの項目に照らし合わせてみると、当てはまるところと当てはまらないところが如実に表れていて、今後の課題を見直す良いきっかけになりました。

プロジェクトを、より社会貢献度が高いものにしていくためには、SDGsの全体像に沿った取り組みをしていくことが重要だと感じています。

SDGsは、社会の複雑な課題をシンプルにして、誰でも参加できる状態にしているところに寛容さを感じます。社会にアプローチすることを、すごいこと、難しいことと捉えるのではなく、認識しあうことが大事なのではないでしょうか。

なにか新しくアクションを起こすことよりも、どこかでみんながやっている些細なことを一つ一つ集めて、大きな輪にしていけたらいいなと。これは、私が学んでいる建築設計や、まちづくりにも共通していることもあり、SDGsを知ることで理解が深まった気がします。

「この活動をまちに浸透させたい、地域に文化を作りたい」

私たちはそんな思いで取り組んでいます。

しかし、研究室の学生だけでは、3つのプロジェクトを動かすだけで精一杯です。

そこで今、他の団体や大人の方を巻き込んでNPOを立ち上げる準備を進めています。法人化することで行政と連携がしやすかったり、社会的に認めてもらえたり、可能性が広がることを期待しています。

資金繰りをどうするか、継続的に関われる人材をどう増やすかなど、やるべきことはたくさんありますが、みんなで盛り上げながら、大きな輪にしていけたらと思っています。


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