長野市SDGsフォーラム特集②
10月16日(日)長野市芸術館で行われる「長野市SDGsフォーラム」
長野を代表して「長野市SDGsフォーラム」に出演される方々にお話を伺いましたので、1名ずつご紹介させていただきます。
■菊地美希さん(長野県立大学)
R-DEPOTの活動を通してSDGsの本質を学びました。
正直なところ、私の活動がSDGsに繋がっていると意識したことはありませんでした。自分の興味があること、自分が楽しいと思うことを突き詰めていったら、結果的にSDGsに繋がっていた。そんな感じですね。
R-DEPOTの活動に関わるきっかけも友人からの紹介で、最初は気軽に考えていましたが、活動内容を知るにつれて、ハマってしまいました。
R-DEPOTは「まちづかいの拠点」を目指して、地域で培われてきた暮らしや文化を尊重しながら、自らが暮らす「まち」を考え、育んでいく活動を展開しています。
そのうちの一つが「空き家のストック」です。空き家に残された古道具や古材を買い取り、モノに込められた思いや物語を次の使い手に引き渡していくという活動で、R-DEPOTが入る建物の一階にある店で販売されています。
また、空き家をリノベーションして、新しい利用者とマッチングしたり、移住や起業を考えているかたに向けたプログラムを提案していく予定です。
現在、私は広報として日々の活動を写真に収めたり、SNSで発信したり、さまざまなイベントの調整やサポートを行っていますが、活動に関わりながら、運営のノウハウを身に付けている最中です。
R-DEPOTには、建築学部の学生がいたり、古い金物店をリノベーションしてショップを開いている方がいたり、長野市のリノベーションの先駆け的な存在である編集企画室の方がいたりと、多彩なアイディアをお持ちの方が多いのでとても刺激になります。
地域に根差した暮らしをされているところも興味深いですし、建築学生の考える設計は、ただのおしゃれな建物ではなく、そこに人の動きが見えるものになっていたり、私が持ち合わせていないセンスが感じられ、活動のヒントになっています。
まちづくりを声高に言わずとも、自分が楽しく暮らす中で、結果的に面白いものを生み出しているという点も惹かれますし、皆さんキラキラしているんです。そういう方と一緒に活動していると、新しい考え方や手法が見つかり、世界が広がります。
SDGsの理念に「誰一人取り残さない」という考え方があります。それは社会が目指すところのダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(包括)の思想と同じで、多様な人材を受け入れ、お互いを認め合い、風土を作り出すという点においては、R-DEPOTの活動に共通しているのかもしれませんね。
SDGsという言葉は知っていても、何から初めていいのかわからない。何だか難しそうで私には無理。と思っている人も多いと思いますが、まずは日々の暮らしの中で、疑問に思っていることや不便に感じていることに目を向けてみる。そして、何ができるのかを考え、行動してみる。
「ペットボトルはエコじゃないから買わない」といった0か100しかない考え方ではなく、小さなことを積み重ね、総じてエコに繋がったのなら、それで良しという考え方でいいと思います。
またSDGsの17のゴールに掲げられている目標は、環境に関するものだけではないので、何かしら自分事として関われるものがあるのではないかと思います。その関わり方も、率先して進んでいく人、誰かの後ろについていく人、それぞれでいいと思います。
私自身も、大学に入るまでは「自分が先頭に立って何かをやるんだ!自分が動かしていくんだ!」という気負いがありましたが、R-DEPOTで広報に携わるうちに、誰かの後押しをすることでも変化を起こせるということに気づきました。
誰かを思って活動したことがSDGsに繋がったのなら、素敵ですよね。
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