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成功例1個で、成功本を出したがる人たち
あたいが今朝、浜辺で見つけてきた謎のパウダー。
この汚れた布にこすりつけたら、なんとビックリ、汚れが落ちちゃったの!
よーし、洗剤として売ろうっと!
こんなことする人、いますか?
「他の汚れ、他の布で、いろんなパターンを試さないと、商品化なんて怖くてできないだろう」
そうっすよね、普通。
お金をいただくんですから、もし汚れが落ちなかったら、クレーム続出で大変なことになっちゃいますよ。
しかし、
自分の本を出したいと思う、著者志望の人々の世界では、なぜかたくさんいるのです。
『母集団1 サンプル数1』の成功例で、「こうすればうまくいく」というハウツー本(ノウハウ本)の出版企画書を書けちゃう人たちです。
「偏差値35だったけど、こんな勉強を1日3時間やったら、あのステキな大学に合格できました。よーし、本出そうっと」
たまたま 運がよかっただけじゃないんですか? 読者が参考にして、本当に合格を再現できますか?
「ずっと、目のピントが合わなくなって、老眼かなーってヘコんでたんだけど、最近目の調子がいい。きっと、この野菜スープを毎朝飲み始めたからだわ。よーし、本出そうっと」
それきっかけですか? 健康関係は一番、ヘタ打てませんよ!
「ここ数年、会社の売上が落ち込んでたんだけど、朝礼で全社員にパラパラを踊らせるようにしたら業績が上がったよ、ガッハッハ、よーし、本を……
」
因果関係ありますか? かわいそうなので、やめてあげてください。
「夫婦仲がずーっと険悪だったんだけど、あたいがニセ彼氏の存在をチラつかせたら、途端にダンナが飛びついてきて、そのまま………… キャー!」
ダンナの性格にもよるんじゃない? 性癖か?
もっとも、成功例1個でも、本を出版してもいい人はいます。
出版社からオファーをもらった人たちです。
その場合は、もちろん問題ありません。
しかし、なかなかそうもいかないのが現実。
この世の陰では、おのれの成功例1個をまるで絶対法則かのようにゴリ押ししたボツ企画書が、山のように廃棄されているのも痛いほど知っております。
ちゃんと大人しく、自然へ還ればいいのですが。
SDGs……。
どうすればいいのか…………。
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近いうちに、打開策をいくつか体系整理して、noteでご提案したいと思います。
決して絶対法則ではありませんが。
一生に一度、著者になってみたい方は、どうかご期待ください。