
夢を描ける贅沢で幸せな毎日。
お風呂に入りながら、いつも通り考え事をしていた。
そうしたら私が私に突然言った。
「なんて贅沢な悩みなんだろう」と。
でも私は私にこう返しそうになった。
「贅沢って、真剣なんだが?」
そう、真剣なのだ。
今をどう過ごすか。
何を大切にして生きていきたいのか。
目の前にあるチャンスをどうしたらものにできるのか。
過去を振り返ることだって、今しなくちゃいけないタスクなんだから。
「いや、嫌味が言いたいんじゃないよ」
「じゃあなんで贅沢なんて言うのさ」
私と私の会話は続く。
長く付き合ってきたからこそ、この世の誰よりも思ったことをそのままぶつけられる。
だからもう1人の自分自身と向き合っているこの時間が、1番重要なタスクだったりもする。
「だってさ、今ある苦しみからどうやって解放されるか。みたいなそんなことしか考えられない時期もあったじゃん」
確かにそうだ。
ノートに書き殴ることでしか自分を曝け出せなかったあの時期。
誰にも話せなかった。
人にだけじゃなくて、自分自身にさえ自分を打ち明けることが出来なかった。
「まぁね?体調もあんまり崩さなくなったし」
「そのくせ少しでもどこか痛いと今じゃ『すぐ休も』ってなるでしょ?」
「うん」
「それ、幸せな贅沢なんじゃない?」
私は今を100%言語化するために、考え続ける。
でももう1人の私は『曖昧』さを幸せと呼ぶ。
今の私が気付けないことも、いつか私が気づいてくれる。
そして言語化出来なかった苦しみを、私が涙と愛で流してくれる。
私はそうやって生きてきた。
「でもさ、黙ってられないんでしょ?」
「そうだね」
今、ひとつの夢についてずっと考えている。
挑戦するかしないかなんて、そんな段階ではない。
どうやって叶えるのか。
叶えた後は、どうやって夢を広げていくのか。
そして、それをして誰を救いたいのか。
それを考えることが楽しくて、苦しくて、もどかしい。
「だからこうして何かひとつでも事を起こそうとしたんでしょ?」
行っておいで、と背中を押してほしい。
人は誰しもがそんな温かい支えを待っているんだと思う。
理解と深い愛情をそれに感じるんだと思う。
「……憧れている人たちがいるんだ」
私が行きたい先にはキラキラ輝く憧れの人たちがいる。
いつもその人たちの創ったものに感動しては、下唇を噛んできた。
もう立ち止まるのも、創作を手放すのも嫌だ。
欲がある。
誰かに知ってもらって、一緒に創り上げてほしいという欲が。
まだ痛む傷口があるからこそ、私にしか作れない絆創膏があると思う。
それを諦めたくない。
何もかもを諦めようとしていたあの頃とは違う。
私は一緒に痛みを味わってきた私がいる。
だから、諦めちゃダメなんだ。
どんな形でもいい、表現を続けよう。