呪いの言葉はブーメラン

 原付に乗っていると排気量に関係なく四輪車から不快な思いをさせられることがあります。無理な追い越しをされたときはその最たるものです。
 こわくてドキドキして腹が立ちます。ただ冷静さを失うと危険につながります。そんな時、心を落ち着かせるために時々呪いの言葉を使います。

 その中で一番使ったのが「後輪パンクしろ」。
 自分としては中程度の呪いの言葉です。低速で走っていればそうでもありませんが、スピードが乗った状態でパンクするとかなりこわいです。
 ここでおことわりしておくと、運転者や同乗者の身体に危険を及ぼしてくれとまでは願ってはいません。精神的苦痛と金銭的な負担はそこそこだろうと思ってかけていました。

 ところが「人を呪わば穴二つ」とはよく言ったものです。
 昨日後輪がパンクしました。自転車ですけど。

 買い物に行こうと自転車に乗ったらペダルが重いんです。
 あれ、先週月曜日のバイトの面接へ行くときに空気を入れたばかりなのになと不思議に思っていました。

 すると後輪だけ空気圧が明らかにおかしいんです。指で押すとタイヤがぶよぶよしてました。

 ああこの感じはパンクだわ、ちょっと困ったなぁと。自転車を路肩に寄せて止めて、後輪を1周させて様子を見ましたが釘やネジが刺さっている様子はありませんでした。

 ということで何か踏んだんじゃないんだということはわかりましたが、分かったところで自分では直せません。とりあえず近くの自転車屋さんまで押して行きました。

 物腰のやわらかな店主さんはちょっと見るなり「あー、これパンクですね。どのみち外してみないとどこがどうとかはわからないんでお預かりしますね」とおっしゃいました。この日は同じような修理が重なったらしくて時間がかかるとのことでしたが、こちらは急ぎではないのでそのままお願いしました。

 自転車屋さんからの帰り道、自分が投げつけ続けた呪いの言葉をふと思い出しました。もしかしたらそれが原因だったかな、とかあんなこと言わなかったらよかったのかなとも思ったりしました。

 でも図々しい私は自転車のタイヤで済んでよかったな、と考えるようになりました。これなら修理代もそんなにかからないし。

 修理が終わる約束の時間に自転車を取りに行き様子を見る意味でも乗って帰ったら、あまりの乗りやすさに感激しました。これならパンクしてもよかったかな、全体の調整までしてもらって申し訳ないけどうれしいわ、と変に明るい気持ちになりました。

 でもやっぱり呪いの言葉はよくないです。未来の自分のことを考えたらできれば使いたくない。
 そのためにもまずは自分が危ない運転をしないように心がけないと、と強く思いました。

 みなさまもどうぞご安全に。 
 

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ながまき さい
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