見出し画像

essay#12 それはちっちゃめのおっきいおっさんではなくてですね




記事のヘッダー画像はこの記事の中で起きたことを詳しく調べようと総合病院にて検査してもらった時の自撮りです。

普段自撮りなんて全くしないくせになんでこんな時だけ鏡越しに自撮りしてんだ私。余裕かよ。





昨年の1月末、夜間急にちっちゃめのおっきいおっさんに右側頭部・右目・右耳・右上顎をガブガブ食べられてるような激痛に襲われまして。


その時私の中で浮かんだ選択肢は以下でした。


A.救急車を呼ぶ

B.タクシー呼んで夜間救急センターに駆け込む

C.騒いで家人を叩き起こしこの家の中に鎮痛剤がないか聞く

D.夜中だし、みんな寝てる時間だし、耐える



そしてビビリの私がとった選択は


D.耐える


でした。




が、





E.耐えられませんでした。





痛みを痛みで打ち消そうと腕つねりから始まりセルフビンタとかセルフグーパンチしてみたものの全然ダメで、

ぐるぐるぐるぐるひたすら左右に転げ回り、

でも布団の中のスペースも限られてるのであんまり派手に動けず、

でもでも転げ回るエネルギーが内から湧いてきちゃうので上下に揺れまくり(ライブ会場で盛り上がってぴょんぴょん飛び跳ねてる人の動きを布団の中で横になりながらやってる感じ)、



『この無駄に湧き上がってくるエネルギーをどうにかして崩れゆく地球を守ることに使えやしないか??太陽光発電みたいに…そう、SDGs…』

『そうすればこの衰退先進国と呼ばれて久しい日本の経済を少しでも立て直せるかもしれない…!』


とか壮大にバカな妄想をし始め、


壮大にバカな妄想をして痛みを紛らわそうとしても依然頭をガブガブ食べられてる感覚は消えずどんどん強くなり、


そのうち痛みとともに不安もどんどん膨らんできて



『あれ?これもしかして明日を迎えられない系の痛みじゃない??』と思った瞬間


【長女 1987〜2023】って書かれた墓石が見えました。
(何故か西洋スタイル)





自分の人生を振り返りながら、

ああ、大好きな人に大好きってちゃんと伝えられてたかな、とか、

そもそも私が好きだっただけで、あの人は私のことを本当に好きだったわけではなかったのかもしれないな、とか、

会ってちゃんとありがとうって言いたい人が沢山いるのにこのままもう会えないのかな、とか、

太鼓屋さんに産まれたのに結局父に必要とされたことなんて一度もないままだったな、ずっと不出来な娘って言われ続けて正直しんどかったな、とか、

でも妹たちは2人ともすごく優秀で結婚出産も経て人間としてもとてもしっかりしているから、家庭を持っているわけでもない私がいなくなっても平気かぁ、とか、

クリームパンとたまごかけごはんもっと沢山食べとけばよかったな、とか


また色々とうっすいことを思考し、



…死んだら、先に亡くなった人たちに会えるのかな、それならもう死んじゃってもいいかもな…と思ったその瞬間、

右目からだけダバダバ涙が出てきて更には右鼻の穴からだけドバドバ鼻水が出てきました。



おおいどうした左側、何をサボっているんだ!





そして大して内容の濃くない、なんか目黒区〜世田谷区あたりに新しくできたカフェで延々と流れてそうなロードムービーみたいな走馬灯で半生を振り返りながら、

どうもそのまま痛さに気絶したらしく、翌朝を迎えました。

よかった〜。

でも枕と顔面と髪の毛が涙と鼻水と汗で盛大に濡れていて、
アンタこんなとこにオネショして!!!!メっでしょ!!!!でした。









父方も母方も脳梗塞やくも膜下出血を頻発する家系なため、あー私も絶対脳に何か起きたな、近日中に死ぬなこれ…coming soonだわ…と覚悟したものの目覚めた時に痛みはなく、、、、

でも断続的にちっちゃくておっきいオッサンに頭をかじられる感覚は続き、、、、

ヘッダー画像にあるように、大きな病院をハシゴしてあっちこっち診て頂いたものの脳にもどこにも異状はなく。


最後にやっと頭痛専門の先生に診ていただきました。

頭痛専門なのに、診察室に入った瞬間いきなり片手にでっかい金槌(大工さんとか太鼓屋さんとかヤ○ザ映画とかでしか見ない奴)を持ってお出迎えしてくださる白衣の悪m…じゃなくて先生が見えてしまった私でしたので

『頭かち割られる!死ぬ!シヌゥ!!』


と慄いたらその姿勢のまま挨拶もせず無言で膝をコツンコツンと叩かれ(神経の異状がないか確認するためだったそう)


膝以外にもそのでっかい金槌で案外優しく身体中を叩かれ(いつ本気出して殺されるか実は気が気じゃなかった)、


飲酒運転テストなのかウォーキング審査だったのか…?みたいな感じでここからここまで歩いてみて、とかやらされて、

最終的に出された診断結果は群発頭痛というものでした。


右目からだけ涙がダバダバ出てきたのも、自分の感情で涙したわけじゃなくて群発頭痛の症状だそうです。



頭をちっちゃめのおっきいオッサンに食べられる感覚というのはアレだけど、

人生最悪の痛みとか、

死んだ方が楽とか、

陣痛の痛みのピークがずっと続くとか、

欧米では痛さに耐えられなくて拳銃で頭を撃ち抜いた人がいるとか、

日本でも歯痛と勘違いして歯医者さんに無理やり抜歯してもらう人もいる(でも当然歯は関係ないのであとに残るのは歯ナシの自分と続く群発頭痛のみ)とか、

目玉を抉られる痛みとか、

耳の穴に火箸を突っ込まれてかき混ぜられる痛みとか、

ネットを見るとそんなこと書かれてます。そしてまあわかるんですよ、ぜんぶ。

いや陣痛は未経験だし、ていうかぜんぶ未経験だけどさ…そのニュアンスわかる!てことあるでしょ?そうそう、そういう痛さです。


ていうか今更だけどちっちゃめのおっきいオッサンて何だよ…3mくらいのオッサンのイメージ。




こんなトンデモ頭痛をいきなり授かってしまって困惑していたのですが、

よかったこともありまして、

耐えられる痛みの上限が一気に上がったので(耐えられてはいないけども)なんか私の根性レベルが上がった気がすることです。無麻酔でどこまでやれるか一度試してみたい…と打ち込んで、やっぱりイイです。痛いのは嫌です。



そういえば私の母、やたらめったら痛みに強い人で、3人の娘を産み落としているのですがその経験談を『漏らしそうだったけど間に合った〜』と毎度通勤途中の緊急事態を乗り切ったサラリーマンみたいに話してくれるので、ちょっとだけ偉大な母に近づけたかもしれません。

いや母よ、漏らすって言うな。




群発頭痛についてはまだまだ知られていない部分が多いこともあり、私のessayという名の駄文の中でもよろしければ、少しずつ私自身の記録としても、1人でも多くの人に群発頭痛を知ってもらう目的でも、これからちょびちょび記していけたらなと思うております。

いいなと思ったら応援しよう!