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距離感とラインがデザインできれば1ホール平均2パット以内が見えてきます

秋のベストシーズンから師走へと入りましたが、まだまだ穏やかな晴天に恵まれてのゴルフを楽しむチャンスがある今日この頃です。

私は11月30日からの週がゴルフウィークとなり、11/30が我孫子ゴルフ倶楽部。12/3からは関西に場所を移して、茨木国際ゴルフ倶楽部、名神八日市カントリー倶楽部、くずはゴルフリンクスと3日間続けてラウンド。この週は4日間、ゴルフをやりました。

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(写真は名神八日市CC名物のピアリッツグリーン)

いずれも過去から現在にかけて、プロゴルフトーナメントを開催しているコースでのラウンドとなり、このベストシーズンらしく、それぞれに仕上がったグリーンでのパッティングを楽しみました。

新しいパターマット登場!

実は11/30に、先日プロモーション動画を撮影したダイヤゴルフの新しいパター練習マット「ダイヤオートパットHD」がリリースされ(12/15から発売)、私がその新しいパターマットを使っての練習方法を紹介するYouTube動画が、ゴルフ用品界さんのチャンネルでアップされました。

ということです、今回の記事は、このYouTube動画の内容をベースに、皆さんのパッティング上達の役に立つような内容にしたいと思います

「ダイヤオートパットHD」GEW動画はコチラ

https://youtu.be/5RfLXowyS4Q

The art of putting 

最近、ラウンドをご一緒するアマチュアゴルファーの方の行動で見かけるのが、打つ前にグリーン上で自分のボール位置からカップまでを歩測する動作。

この半年、1年くらいで急に増えた様に感じるので、いわゆるゴルフYouTuberなどのインフルエンサーの影響だと思われます。

「何歩だと、このくらいの強さ」

という基準を自分の中に作るということだと思いますが、私は残念ながらこの感覚で距離感やタッチを養おうとしているうちは、願うようなレベルに辿り着けないのでは?と感じています。

私が20歳の頃に吉祥寺の輸入書店で手に入れた、2度のマスターズチャンピオンに輝きパッティングの名手として名を馳せた、ベン・クレンショーのレッスンビデオ(VHSでした)のタイトルは、

「The art of putting 」

でした。

本編の中でクレンショーが、

「Putting is atr!」(パッティングは芸術)

と何度も繰り返し語りかけるのが、とても印象的でした。

クレンショーが傾斜の強いグリーンにボールを打ち出し、大きな曲線を描きながらカップに向かってグリーン上を進み、スピードが的確にコントロールされて傾斜を使いながらカップ際にボールが止まる映像は、何よりの視覚教材となりました。

その映像にあわせて、たしか、こうも言っていました。

「Speed determines line」(スピードがラインを決める)

もともと、ゴルフを始めて以来、私はパッティングは得意な方でしたが、このクレンショーのビデオを見て自分の中でパッティングに対するフィロソフィーができたのか、試合に出てもパッティングに助けられることが多くなり、パッティングに対する自信が持てるようになりました。

こんなところをベースとしながら、その後スタートしたレッスン活動や、世界各国で様々なタイプのグリーンでプレーした経験などから構築した、パッティングに対するノウハウや練習方法が、ダイヤのパターマットの紹介動画にまとめられています。

この動画の中でも話していますが、私が思うに、パッティングの距離感やタッチにライン読みとかは、自分で「デザイン」するものです。

クレンショーは「アート」という表現を使いましたが、たしかにオーガスタナショナルGCの様なグリーンでは「芸術的なデザイン」が求められると思います。

このレベルの話しになると、「何歩でこの強さ」では、なんとも暖簾に腕押し感がありますよね。

あと、最近わずかにカップを外れたパットに対して「ひと筋違い!」と悔しがるゴルファー多いですが、本当にパッティングが上手なゴルファーは、その「ひと筋」へ並々ならぬ執着心を持っていて、「悔しがる」のではなく「見切ろう」としています。

なので、グリーン面の損傷によるイレギュラーバウンドにも敏感で、時にそれを悔やむ様を見ると「グリーンのせいにしている」と思われるかもしれませんが、それを感じる繊細さもパッティング上達には不可欠だと感じています。

「デザインする」とは?

動画の中では、赤いミニカーを使って説明していますが、車の運転をイメージしてみてください。

今、あなたは止まっている車の運転席にいます。これからキーを回してエンジンをかけシートベルトを装着し、ブレーキペダルに右足を乗せてシフトノブをドライブポジションに入れてサイドブレーキを解除しました。

ハンドル手を掛けて、いよいよアクセルを右足で踏んでエンジンが回って車が動き出します。

その後、アクセルから足を離さずに踏み続け、車は加速して進んでいきます。

すると、赤信号が見えてきました。なので、アクセルペダルから足を離しエンジンの回転数は落ちますが、スピードはまだしばらく惰性で保ちながらも緩やかに減速していきます。

そして、ある程度減速した頃合いをみて、今度は右足をブレーキべダルに乗せ換えてペダルを踏みこみ、ブレーキを効かせて車を意図した停止位置にストップさせます。

この一連の流れを動画でも説明していますが、この①アクセル踏んで加速 ②アクセル離して惰性走行 ③ブレーキを踏んで停止 という流れのコントロールが「距離感をデザインする」となり、そこに傾斜による曲がりが入ってくると「ラインをデザインする」となります。

グリーンの速さの定義とは?

最近は、通常営業のゴルフ場でも、マスター室横やスタートへの出入口のあたりに、「本日のグリーンコンディション」が掲示されていることが多いです。

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(筆者が参加した9/21.22に開催の北海道・MR茨戸オープン会場MR茨戸CCは13フィートの仕上がり)

なので、ラウンド慣れしたゴルファーなら、今日のグリーンが「9.5フィート」と分かれば、練習グリーンでスタート前にボールを転がさなくても何とかなるでしょう。

ある程度ラウンド経験があるゴルファーなら、グリーンが「速い or 遅い」の感覚や基準は持っていると思いますが、このグリーンの「速さ」の正体とは何でしょうか?

これは、先の車の運転の三展開から見ると明らかで、グリーンの速さの正体や定義は、③の「ブレーキの効き具合」となります。

とはいえ、ゴルファー自身がボールに直接ブレーキをかけることはできないので、そのブレーキに相当するのがグリーンのコンディションとなる訳です。

車の運転に戻ると、ブレーキ踏んでも路面が凍結してのアイスバーンなら止まらないし(速いグリーン)、ぬかるみや砂利道などでは、ブレーキの効きがいい状態(遅いグリーン)となるでしょう。

なので、ゴルファーがスタート前に練習グリーンでおこなうべきは、このブレーキの効き具合の確認です。

そして、その日のグリーンにおけるブレーキの効き具合を掴むことによって、惰性走行の分をイメージしながら、どれだけアクセルを踏み込めばいいのか?というのが決まります。

これが、その日の距離感やタッチをデザインするための第一歩となります。

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ラインを決める要因

そこに今度はボールの左右の曲がりに、グリーン面ではなく傾斜によるブレーキの効き具合の変化も入ってきて、ラインのデザインをおこなう訳ですが、それに関係する要因をピックアップしてみましょう。

①傾斜
②全体傾斜
③芝芽
④風の影響
⑤乾燥の度合い
⑥芝の密度と均一性
⑦グリーン面の痛み具合(メンテナンス作業も含む)

それぞれ、簡単に説明すると、

①傾斜
これは、自分のボールとカップまでの間に存在する傾斜のことです。もちろん、これが一番影響しますので、的確に把握することが求められます。最近では、両脚を広げて傾斜に立ち、左右どちらの足裏が高いか?を感じるメソッドが人気です。

②全体傾斜
いわゆる高原や山岳地のゴルフ場でよく見られる錯覚で、高原地や山の裾野などの大きな傾斜の影響により、グリーンの傾斜が感じ難くなるという現象です。

③芝芽
これは芝の種類にもよりますが、何らかの要因により芝の葉が、ある一定の方向に傾いて生え揃うことで、温暖地で用いられるバミューダ芝や高麗芝などでよく見られます。特徴としては、打ったボールの勢いが弱くなると、転がりの回転軸が傾いてスクリュー回転をしてから止まるので、疑わしい場合は、同伴プレーヤーがパットした際のボール挙動を、よく観察する必要があります。

④風の影響
これは、アメリカのショートゲーム研究家のデーブ・ペルツなどが、かなり詳細な実験データを出していますが、かなり影響があるのは事実です。ただ、自分に不利な風の時に打たず、風が止むタイミングや有利な風に変わるのを待つのは、スロープレーの原因となるので、難しい問題です。

⑤乾燥の度合い
同じグリーン面でも、水分の量によって速さは変わります。注意すべきは、乾燥による速さと曲がり。グリーン面をボールが滑るような挙動になってくるので、予想以上の結果となる場合があります。雨や露など、水分が増える変化は分かりやすいですが、乾燥はなかなか感じ難いです。

⑥芝の密度と均一性
グリーン管理者が目指す至高のグリーンがここで、芝の芽が細やかで密度があり、しかも均一性が高いターフ面です。パターの芯でボールを捉えれば、ボールの垂直な回転軸がブレることなく転がり、減速率も一定なので最後はゆっくりと停止し、ボールのロゴがだんだん見えながら止まるのが特徴的。ゴルファーからは「速いけど、ラインに乗れば必ず入るグリーン」と評価され、不確定要素の無いグリーンとなります。これに対して、最近は「ポアナ」と呼ばれるカタビラが入ったグリーンは、そのせいで転がりの均一性が損なわれ、不確定要素が増えます。

⑦グリーン面の痛み具合(メンテナンス作業も含む)
最近は日本でもセルフプレーのゴルフ場が増えたので、ボールマークの未修復やスパイクによる傷など、グリーン面の管理とは違う問題での痛みが避けられません。やはり、キャディー付きでラウンドするゴルフ場は、グリーン面の痛みは少ないと思います。中には、ボールマークの痕跡を抜き取り、新しいターフを植える作業を常におこなっているコースもあるそうです。グリーン面の更新作業におけるエアレーションホールや砂撒き作業などは、ゴルファーの楽しみを奪うのは間違いないですが、やはり三展開を考えればデザインは可能です。そこには歩測を頼りに打っているゴルファーとは、全く違う楽しみがあるかもしれません。

これらの要素を考慮しながら、先の車の運転で例えた三展開でデザインした「スピード」をベースにして、今度は「ラインをデザイン」します。

もちろん、慣れてくると、先のクレンショーように「スピードがラインを決める」訳ですから、ひと手間で「デザイン 」することも可能です。

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「アクセルを踏む」とは?

いずれにせよ、最重要となるのはアクセルの踏み込みを調整して、加速度と最終的なスピードを、自分の見立てどおりにコントロールするかです。

もちろん、それはパッティング技術においてですから、転がっていくボールに対して、そのアクセルを踏んで加速するという感覚がイメージできない方も多いと思います。

その、イメージ作りとして、動画の中で取り組んでいるのが、5番アイアンでのパッティングです。5番アイアンくらいロフトがあると、インパクトしたボールが地面から離れて宙に浮きます。

いわゆるキャリーが出た状態で、アプローチショットではこのキャリーの落としどころを目安にして、距離感をつくるということは、ある程度のゴルファーなら皆おこなっており、特に理解し難い話しではないと思います。

それと同じ感覚を、グリーン上でのパッティングに対して、5番アイアンでイメージできるかトライしてみよう!というドリルになっています。

これと似たドリルで、よくあるのが、右手でボールを投げて転がしてみようというモノ。

上達のためのいろいろな工夫を凝らすので有名な日本のトッププロは、パッティングのルーティーンの際に、ボールの後方に立ってカップに対して右手でボールを投げるような動作を取り込んでいます。

この動作も「投げる」ことでキャリーが出るので、落としどころのイメージを無意識に作りつつ、距離感を「デザイン」している状態といえます。

この、右手でボールを投げて転がす感覚で、距離感をイメージさせる手法は、初心者レッスンにも導入されていますから、今回の車の運転に例えての三展開で距離感をデザインさせるのも、正しく導ければ、特段、難しいことをやっている訳ではありません。

「ロフトの役割」とは?

ご存知と思いますがパターにもロフトが設計されており、インパクトでボールがヘッドから離れた直後は、僅かながら地面から離れてキャリーが出ていて、これは「スキッド」と呼ばれています。

その「スキッド」からグリーン面に着弾して、ボールにオーバースピンがかかって転がり出すのが「ロール」です。

自分の打ち方に対して、「スキッド&ロール」を適正化してくれるパターをフィッティングするのが、ベストな状態といわれています。

各パターメーカーやデザイナーにより、この「スキッド&ロール」の功罪については解釈が異なりますが、私は、速いグリーンにはロフト多めでスキッドが大でロールが小。遅いグリーンにはロフト少なめでスキッドが小でロールが大という組み合わせが、相性がいいと考えています。

数年に一度くらいの割合で、「マイナスロフトでインパクトして、スキッドなしでオーバースピンをかけた方がいい」という理論や、それに紐付いた逆ロフトパターが登場します。

それに関しては歴史とゴルフ市場が答えを出していると考えており、私がゴルフを始めた約40年前のゴルフ雑誌に「オーバースピンをかける逆ロフトパター」の広告が出ていました。

もし、本当にマイナスロフトのパターが優位なら、世界中のツアープロにおけるパター使用率や、市場に並んでいるパターの中に、ある程度のシェアが確立できているはずですが、残念ながらそういう結果には至っておりません。

ということは、一部のゴルファーを除くと、あまりメリットがないということになります。

また、メジャートーナメントとかの厳しいセッティングにおけるグリーン周りのプレーで、ハイブリッドクラブやフェアウェイウッドを使って、グリーンにボールを転がしあげるプレーを、一流選手が披露することがあります。

これが上手くいった際に、テレビ中継の解説者は

「普段から、しっかり練習しているんでしょうね!」

とコメントすることが多いです。

でも、私が思うには、パターのロフトで「スキッド&ロール」をコントロールする一流の感覚があるので、それは19度のハイブリッドクラブを手にしても、19度のロフトなりに「スキッド&ロール」はイメージできるでしょう。

なので、特別な練習を積まなくとも、ハイブリッドクラブやフェアウェイウッドを使ったチッピングでも「距離感のデザイン」ができると考えています。

動画にもあるように、5番アイアンを使ってキャリーをコントロールするドリルは、この「距離感のデザイン」に最適なのですが、多くのゴルフ場ではグリーン上(練習グリーンも含む)ではパター以外のクラブの使用を禁止しているので、現実的にはなかなかやるチャンスがないドリルになってしまうかもしれません。

そういう意味では、パターマットでの練習はOKですが、欲をいえばもう少し長い距離でやった方が、アクセルからの三展開を感じやすいと思うので、パターマットの少し手前からやってみるのがいいかもしれません。

でも、動画にあるように、1mの距離でも強弱を出すときがあるのですから、ショートパットが苦手な方は、このあたりに解決の糸口があるかも?です。

2段グリーンも克服できる!

私は、このアクセルからの三展開を考えるようになってから、2段グリーンでのパッティングの「距離感のデザイン」がイメージでき、2パットで上がる確率が増えました。

イラストに書きましたが、2段グリーンの場合は、段を上ってから、もう一度アクセルからの三展開をデザインする必要があったのです。

従来は、1回の三展開の中に段を越えるところの挙動を含んでいたので、やはりショートすることが多かったです。

しかし、下の段と上の段で、2回に分けて「距離感をデザイン」するようにしたら、わりと結果がいいみたいです。

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もちろん、こういう局面はイマジネーションや経験も必要ですが、考え方として取り組んで頂ければ、いずれ結果に繋がってくると思います。

今回はダイヤゴルフのPR動画をベースにして、「距離感とラインのデザイン」についてのお話しとなりましたが、YouTube動画の中にはまだまだネタが満載です。

また機会があれば、違うドリルについても、掘り下げてみたいと思います。

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永井延宏のようこそNEOゴルフの世界へ!
より深いゴルフ探求のため、レッスンや研究をアップグレードするツールを導入したいと考えています。頂いたサポートは、ゴルファーの幸せのために還元させたいと思いますので、ご支援頂ければありがたいです。