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「晴れの日も雨の日も」 #80 火の周辺

先日娘の親友が泊まりに来た。大宴会のあとは花火だ。この間、息子夫婦が来たときも最後はシメ花火だった。
いずれもコンビニで売ってる子供用のファミリー花火だ。ロケットとか打ち上げ系は無い。ねずみ花火もない。かわいらしいものだ。

最初はローソクから点火しているのだが、そのうち風でローソクの火が消えたりする。結局、みんな両手に二本持ちで、花火から花火へ火を付けるスタイルになる。
私は基本的には家族に出番を譲り、横でニコニコ見ている側に回ることにしている。
で、最後に線香花火を1,2本やらせてもらう。
実に日本人だなあとしみじみ感じる瞬間だ。

30歳代の約10年間、足立区千住に住んでいた。この季節になると徒歩圏の荒川河川敷で行われる花火大会を毎年家族で見に行った。隅田川の花火が有名だが、花火師はチームを組んで全国を行脚しており、荒川の花火大会も内容的には隅田川のそれとほぼ遜色ない。誠に豪華絢爛、ど迫力である。
まだ上の子も小学生で、子供たちの手を引いたり、だっこやおんぶで汗だくになって見た記憶がある。
夜店の冷えたビールがうまかった。

花火は人を感動させる。
そして終わったあとの寂寥感がこれまたなんとも言えない。


ちょうど今日は京都五山の送り火だ。5つの山に、左右の大文字・妙法・舟形・鳥居の火が灯り精霊を送る。
大文字焼きと言うなかれ。「野焼きみたいに言うな」と京都の人に笑われる。
我が母校のプールスタンドからは大文字がほぼ正面に見える。大学1回生の時に幻想的とも言えるこの火を初めて見ていたく感動した。細君や子供たちを何度も案内し好評を得ている。
残念ながら今年は567でOB戦は中止。送り火はフルスペックで決行されるとのことで、私もOB有志と京都西陣で一献予定だが、そこから送り火が見えるかどうかは、はてさて。あの青春の思い出深いプールスタンドから見るからこそ素晴らしく見えるのでは、という気もしないでもない。

22年8月16日 大文字送り火 西陣より
同上 舟形 同じく西陣より


京都の夜を彩る火には、このほかに、母校時計台の灯りと鴨川の橋の欄干に灯る明かりがある。学生時代の私は上記送り火とあわせ、京都3大夜の明かりと勝手に命名し、「街の明かりがとてもきれいね(ヨコハマ)♬」などと鼻歌を歌ったりしていた。平和な青年である。


そして夜を彩るといえば、これなしには語れないのがホタルだ。
若かりし頃京都の北のはずれ、貴船川で群れ飛ぶホタルを見たことがある。


もうめちゃめちゃ幻想的。
ロマンチック。
息を呑む思いだった。

もし、恋人がいるなら絶対二人でホタルを見に行くことをおすすめする。その夜、恋の炎が燃え上がることは、不肖恋愛マスターのながいコーチが保証する。私が上記のホタルを誰と見たのかはお願いだから聞かないでおくれ。


話は変わるが、革命が起きる3つの条件、という話を聞いたことがある。
群衆と夜の闇と松明の火だという。
大して深い意味もないような話だが、人の心を狂わせるという意味ではこの3つにはそういう要素があるのだろう。


さて、ながいコーチは誰かの心に火をつけたりできているのだろうか。頑張れながいコーチ。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井克之  
仕事のご連絡・その他ご相談等はこちらに→nagairb21@jcom.zaq.ne.jp

<予告>
$81  【企画参加】子供に伝える私のしごと
#82  京都トレイルは不発だったが。
#83  スカブラ
#84  中学生日記
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(続く)
※お盆休み連続投稿シリーズは今日で終了です。また、平日ほぼ隔に戻します。


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