【ながおし!㉑】いつか自分の写真展を! 高貝心之祐さん
長浜で推したい!長浜でこの活動を推している!そんな人々を紹介する「ながおし!」
第21回目は、市内の中学生、高貝心之祐さん。
私が高貝さんを知ったのは、彼が『「長浜曳山まつりフォトコンテスト」の特別賞を史上最年少で受賞』と、「さざなみタウン 長浜まちづくりセンター 長浜市」のXに投稿されていたからだ。
今年の「長浜曳山まつりフォトコンテスト」には339点もの投稿があり、金賞1点、銀賞4点、特別賞7点、銅賞5点が選ばれている。入選するのは相当難しい。ちなみに高貝さんのお父さんも銅賞を受賞されている。
私事だが、昨年4月に広報担当に異動し、市の行事やイベント、風景等の写真を撮るようになったが、良い写真が撮れた記憶があまりない。少しでも写真撮影のコツを教えてもらえたら…という思いもあり、今回高貝さんにインタビューをさせてもらった。
高貝さんは中学校の職場体験学習で「さざなみタウン」に来たそうだ。フォトコンテストの特別賞受賞が「さざなみタウン」のXに掲載されたのもそのためだ。せっかくなので高貝さんへのインタビューは「さざなみタウン」でさせてもらった。
待ち合わせの「さざなみタウン」に高貝さんは1人で来てくれたので、少しびっくり。なんとなく保護者の方も一緒に来られると思ったからだ。知らない大人からインタビューされるのに不安はないのだろうか。自分が中学生だったら一人でインタビューを受けられただろうか。そもそもインタビューを受けたとは思えない。
高貝さんの第一印象は、どこにでもいそうな普通の中学生という感じ。
まず、本題に入る前に、人となりを知りたくて、学校生活(主に部活)について尋ねてみた。
高貝さんは14歳の中学2年生で、吹奏楽部所属、トランペット担当。現在大学生のお姉さんが中学・高校とトランペットを吹いていたので、自然と同じトランペットを選んだとのこと。部活での目標は近畿大会出場だが、滋賀県から2校しか出場できない狭き門となっている。この高い目標に向かって高貝さんは学校での部活以外でも時々「さざなみタウン」でトランペットの練習をしているそうだ。
次に趣味を尋ねると「写真を撮ることです」と即答で返ってきた。
やはり写真は好きなようだ。俄然インタビューに力が入る。
写真はどれくらいの頻度で撮りに行くの?何を撮影するの?と、矢継ぎ早に質問をしてしまう。
「月に1~2回、父が写真を撮影しに行くのについて行って、撮っています。撮影対象は主に鉄道です。『撮り鉄』なんです。小さいころにはまってしまって。青春18切符で父と九州に行ったこともありました。ドクターイエローと500系新幹線が2027年には引退してしまうそうなので、それまでに機会があれば何度でも撮影してみたいです」
と笑顔で答えてくれた。
撮影した写真を見せてもらうことにした。
高速で移動する車両をどうしてこんなにうまく撮影できるのか・・
高貝さんが普段鉄道を撮影していることはわかったが、今回どうして長浜曳山まつりの写真を撮影したのだろうか…
「『長浜曳山まつり』は長浜の大切な伝統・文化です。多くの人に知ってもらいたくて、写真に残そうとしたもので、フォトコンテストのことは知りませんでした。父に『長浜曳山まつりフォトコンテスト』のことを教えてもらい、せっかくなのでと応募したら受賞した、という感じです。フォトコンテストに応募するのも初めてです」とはにかみながら答えてくれた。
はじめて応募して、いきなり特別賞。すごいとしか言いようがない。
写真はいつから撮り始めたの?と聞くと
「写真を撮り始めたのは4~5歳ごろです。幼稚園の時からだと思います。写真の撮影方法は父に教わりました」
中学生にして写真歴が10年近く!私より大ベテランだ。
幼いころからお父さんにたくさん写真を撮ってもらったり、お古のカメラを貰って一緒にあちこち撮影しに行ったり、撮影のノウハウを教わったりと、自然とカメラや写真に触れる環境で育ったとのこと。お父さんの影響が大きいようだ。
「父も鉄道や風景の写真が好きで、よく一緒に撮影に行っています。米原に好きなスポットがあり、列車の一部分がトンネルに入った状況で新幹線の全景を撮影できるんです」
と、嬉しそうに教えてくれた。
高貝さんの写真はどれも目を引く。
どうやって撮影しているのだろうか。
「写真を撮る前に『こういう写真を撮りたい』とイメージすることが大切かなと思います。『こういう構図の写真を撮りたい』と考え、父に教わったことを思い出して明るさやシャッタースピード・絞りを調整して撮影しています」
私のように写真のイメージ(構図)が湧かない人はどうすればよいのだろうか。答えにくい質問かなと思いつつ尋ねてみた。
高貝さんはしばらく考えたのち、
「う~ん・・・上手な人の写真をたくさん見て学ぶのと、うまい人に教わる・見てもらうのが上達の近道だと思います」
とやさしく教えてくれた。
高貝さんにインタビューをしてみて感じたのは、自分の世界をきちんと持っていて、受け答えもしっかりしているということ。こちらの質問にも丁寧に目を見て答えてくれる。私の変な質問にも慌てることなく落ち着いて答えてくれるからか、年齢よりも大人びて見える。
次に、「長浜曳山まつりフォトコンテスト」の特別賞を受賞した感想を尋ねてみた。
「こんな写真でよいのかな、というのが最初の感想です。別の写真で応募しようかと考えていましたが、サイトで見ていたら同じような構図の写真の応募があったので、出展作品を変えて応募しました。撮影現場は近くにTV局のカメラマンさんがいたので良い写真が撮れる場所なんじゃないかなと思っていました。変更前の写真は構図も考えて撮ったのですが、応募した写真の方はノープランで、直感で撮影しました」
うれしさがこみあげてきたのか、少年らしい少し照れた笑顔で答えてくれた。
こちらもつられて笑顔になる。
最年少ってすごいですね、と言うと
「やっぱりうれしいです。スマホでも写真は撮れるので、一眼レフやミラーレス一眼で撮影する人は少なくなっているんじゃないかと思います。スマホで撮る写真もだいぶ画質が良くなっていますが、『ぼかしやシャッタースピードをコントロールができる』のが一眼レフやミラーレス一眼の魅力だと思います」
写真のことになると熱く語ってくれる。
最後に今後の夢や目標を伺った。
「将来は自動車等の整備士かカメラマンになりたいなと思っています。どちらも面白そうなので悩んでいます。夢は『写真展』を開催してみたいです。さざなみタウンで写真展が開催されていたのを見て、僕も写真展が開けたらいいなと思います。テーマを一つ決めて、そのテーマに沿った『写真展』ができるといいなと思っています」
と目を輝かせて教えてくれた。
高貝さんの目の前には大きな可能性が広がっている。
今後成長していく過程で、心の琴線に触れたものを、ファインダーを通して映し出してほしいと思った。
成長した彼の開催する『写真展』が今から楽しみだ。
(とくぞう)