子ども王国の日常vol.5
怪しげに他人の視線を気にする少女たち。
僕が
「何しているの?」
と尋ねてみると、少女の一人が
「大きな声で話しかけないで、見つかってしまうから。」
と一言。
どうやら、かくれんぼをしているようだ。
すると、僕らの話を聞いていた友達が近づいてきて、
「そう言っているあなたの声の方がうるさいよ。」
と少女の耳元で囁く。
「あっ、いけない。」
思わず、ほくそ笑む少女。
遠くの方から、二人を探す声。
「こっちに、逃げよう。」
「うん。」
二人の仲睦まじい笑顔が長閑に吹き抜ける午後の風に乗って弾けていく。
2003 バングラディシュ