「正解」に価値ってあるの?:「ニュータイプの時代」を読んで

最近、私が所属する会社では「正解」が求められていると強く感じます。具体的には、「市場で一番安い商品を企画しろ!」や「もっと大きな売上を狙える企画をしろ!」など、100人が見たら誰もが正しいと考えるような声が毎日のように聞こえてきます。

そんな「正解至上主義」に対して私は強く疑問を感じています。上記のような市場で最安の企画などは、頭では良いと思っても、心から共感することは中々難しいと思います。また、そのような企画はどこの企業が出してもお客様にとっては安さという価値しかもたらさないのではないのでしょうか。

このようなことを考えている際に、山口周さんが書かれた「ニュータイプの時代」を読みました。一部を要約すると、「高度経済成長時代には正解、つまり安いものを早く大量に生産することで企業は成長していったが、正解が溢れた現代では【意味】にこそ価値がある」ということが書いてあります。意味とはマーケティング用語で言い換えると情緒的価値を表します。本書では、日本企業はブランド物やスポーツカーなどといった機能だけでなく、心に価値をもたらす商品やサービスを生み出していかないと、今後存続していくことが難しいというショッキングな内容でした。

たしかに私の業界においても、日本製よりも価格がグッと安い海外製の商品が巷には溢れており、安さだけを求めていては売上を伸ばすことが中々難しい状況となっております。だからこそ安さといった正解ではなく、人々の強い共感を得られるような企画をしていくことが必要なのだと、本書を通して改めて実感をしました。

意味のある仕事をするためにも、企業のトップマネジメント層が人々の共感を得られるようなビジョンを設定する必要があります。そうすることで、働く従業員の皆さんが意味のある仕事に取り組めるようになるとのことです。ですが、私はマネジメント層ではないですが、魅力のあるビジョンを自ら生み出し、意味のある仕事も自発的に取り組めるようになっていきたいと思います。


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