PBIがスプリントをまたいでしまうのはなぜいけないのか?
PBIがスプリントをまたぐことの課題感を共有することは結構難しいなーと思います。
なぜこの課題感の共有が難しいのか
スクラムガイドにも書いてあるスクラムのかなり基本的な部分なのでなぜそれがよくないことなのか簡潔に説明するのが難しい気がします。
1つのプロダクトバックログアイテムを複数のスプリントにまたがって開発することはない。
スクラムガイド2020には以下の記述があります。
> Product Backlog items that can be Done by the Scrum Team within one Sprint are deemed ready for selection in a Sprint Planning event.
これは「スクラムチームが1スプリント内で完成できるプロダクトバックログアイテムは、スプリントプランニングで選択できる準備ができているとみなす」ということです。 つまり、1スプリントに収まらないサイズの場合、スプリントで選択するためには、リファインメントを行って、プロダクトバックログアイテムが指すスコープを小さくしたり、複数のプロダクトバックログアイテムに分割したりしなければいけません
https://www.ryuzee.com/contents/blog/14580
PBIがスプリントをまたぐのがなぜいけないのか
書くとするならスプリントをまたいでも問題ないという考えを受容すると、リファインメントでPBIを分割するモチベーションが下がり、プランニングで計画をたてるモチベーションが下がり、レトロスペクティブではどのできごとまでを振り返ればよいか不明瞭になるといったようにスクラム全体の営みがおろそかになるからとかでしょうか。
PBIがスプリントをまたぐことが常態化しているときはどういうアクションをとればよいのか
PBIがスプリントをまたいでしまうことがなぜ問題なのかを説くよりも、スプリントレビューを健全化することに注力した方がよいのかもしれませんね。スプリントレビュー時にインクリメントを見せるために自然とPBIがスプリント内で終わっていくことになりそうなので。
おまけ
一方でPBIがスプリントレビューまでに完了しないことを絶対に認めないのもよくないのかなと。PBIをスプリント内で終わらせる気持ちをもってPBIに取り組むことと、スプリントレビューまでにPBIが終わらないことが両立しうるというのも理解しにくいところと思います。