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風を求めて 1

昔々、あるところにカンシャとドリョクとゼツボウが旅をしていた。

カンシャは、小さなことにも感謝した。

ありがとうが口癖だった。

カンシャがありがとうと言うたび、まわりの空気があたたかくなって、ドリョクとゼツボウの気持ちを和ませた。

ドリョクは、いつもがんばっていた。

みんなが落ち込むとき、いつも引っ張ってくれたのはドリョクだった。

ドリョクが前へ進むと、みんなが精一杯の力を出して後へ続いた。

ドリョクの背中から光が見えるようだった。

ゼツボウは、いつも絶望していた。

ため息ばかりついていた。

カンシャもドリョクも、ゼツボウが困らせるたびに優しく声をかけた。

なぜ、そんなに優しいのだろうか?

ゼツボウには、他のみんなには無い特殊能力があった。

ゼツボウがまわりの空気をどん底まで落とすと、決まって天使が出現した。

それはチャンスの天使だった。

決まって幸運が訪れた。

だから、ゼツボウも大切な仲間。

カンシャもドリョクも、めんどくさいなと思いつつ、いつもゼツボウに救われていた。

そんな三人の旅のお話。





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サトシマ
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