マガジンのカバー画像

日刊やちだ

34
毎日がんばってかこうとおもいます・・・。 過去の回顧録
運営しているクリエイター

2019年5月の記事一覧

サヨナラババァ(6)

差押えの一報から、東京へ戻りKの事務所にいった。 Kの事務所の中には法務関係の本や、様々な石がいくつもあり、セメントで作られたコンクリートボックスのテスト壁などが山積みされていた。中には、「汚染土」の放射線無害化実験もやってたりもした。事務所の放射線を計測すると少なからず反応してたと思う。他にも除染した土を運ぶフレコンバックのサンプルや、防護服のサンプルなどまるで「311百貨店」か?というぐらいいろんな商売が並行して動いてた。  (Kの事務所で防護服を着る。まさかこのあと何

サヨナラババァ(5)

「Hは小者な詐欺師で谷内田はホンモノの詐欺師」 とババァによく”H”といるときに冗談で言われました。その”H”は精神障害か?ってぐらい、相手がフラフラになるくらい嘘をつく。大概の人は「もういい二度と会いたくない!」といった物別れに終わることがほとんど。 相手がヤクザだろうと政治家だろうとお構いなしに金があると喰いにかかる。また顔が無駄にハンサムなのでホステスにモテるそしてホステスの金を喰う。毎晩アメックスのカードで酒を飲み回ってターゲットを探してる。 どうしてこんな風に育

サヨナラババァ(4)

”H”との出会いは、2009年9月あたりまで遡る、とある永田町投資グループに彼は出入りしていた。その投資グループの資金源がババァの金だった。 30億〜110億ぐらいまでのファンド資金があったと思われる。 その年の夏 ババァと電話で話したのが8月27日だった、実際あったのは8月28日が初めてあった。 29日に僕が韓国で結婚式があり31日に日本へ戻り、9月の中頃にババァが韓国から出国停止を逃れて帰国。 その後、僕は永田町に呼ばれることになる。 そこに”H”は居た。 端正な顔立

サヨナラババァ(3)

「九州地方のとある都市計画が浮上しパチンコ屋の持ってる土地が再開発用地で高騰することを予想し投資家で共同で取得し配当を出せるのだが1口乗らないか?総額10億円の出資を集めている最中だ。年明けには開始され早ければ一月半ばには配当がくる。」 これが石巻で出された投資案件で、少なくとも900万以上の金がどこかで動いてることは感じ取れた。当時運転手として同行していたやつから情報は拾った。その投資の償還期限が年明けの一月半ばには開始される。 その案件がテンプラか実態のあるものなのか

サヨナラババァ(2)

2013年の12月、僕は東北自動車道を北上し石巻市を目指していた・・・。 ババァはその年の夏頃から”K”からの依頼で石巻へ入っていた。震災瓦礫が片付きはじめ仮設住宅へ住民が移住していた時期だ。そこで、地元で、家族をなくした若者で僕と同年代の”D”と同じく震災後自殺してしまった嫁の残された旦那”M”とババァは知人の紹介で関わり合いを持つことになる。そうして数ヶ月秋口頃まで東北各地を回ってきたらしい。その足跡の発端になった石巻にまずは僕はむかった。 石巻に到着したのは夕方ぐら

サヨナラババァ(1)

これは、ババァと僕が決別する日までの一年の話だ。 呼び出し2013年11月ごろに半年ぶりぐらいにババァから連絡があった。 ここしばらくは一仕事終わると数ヶ月連絡がこないことがよくあった。しかし連絡がなかったのが半年は今まで最長だった、風の噂で夏にババァが東北に行ってるとだけ運転手からの情報で知ってた。 僕は韓国で別の仕事に取り組んでいた最中だったが呼び出しをどこか心待ちにしていた気がする。それは今でも血が騒ぐような奇妙な依頼を待っるのかもしれない。 「すぐに日本にきてく

北朝鮮にあさり買いにいく。まとめ

1話目2話目3話目資料写真

海外逃亡 全話まとめ

1話目2話目3話目4話目5話目

『なりたい自分になれてる?』まとめ

なりたい自分になれてる?(7)

舗装された道路の山道をゆっくりと進んで荒涼とした景色から豊かな街の空気へと変わっていく。帰れないかもしれないという心配から解き離れたれて一路「成都」に僕らは立派なバスに乗ってむかっていった。  途中道で客を拾ってはのせていく、その度にボロボロの僕らをみてどこから来たの?と話しかけてくれる。「日本からきたよ」と言うと「へ〜」みたいなやりとりを何回も繰り返す。 方言の問題もあったかもしれないが、意識を遮断してしまってまったく相手がなにを言ってるのか悟れなくなっていった。 まるでス

なりたい自分になれてる?(6)

出発の朝、強烈な頭痛で起き上がるのに勇気がいる。 ゆっくりと体を起こして陽の光を浴びに外の蛇口の前に凍った水を眺めて座ってる1時間後ようやく体がほぐれて動けるようになった。 トラックは昼前に到着してすでかなりの人が乗っている。これで外を走るのか?と思うと相当な寒さが予想される。運転手に弟がまだ幼いので運転席と助手席の隙間に乗せてもらえないか?と交渉して乗せてもらった。全員がチベット族で民族衣装をきてる。収入の少ない彼らの移動手段として使われているのだろう。 ここから寒さと

なりたい自分になれてる?(5)

弟のヤスオの脇腹に、ナイフが刺さりそうになっていた。なんでこんな状態になったのか・・・ダニーは友達2人と一緒にまず宿に朝迎えにきた。そのままT字路のところまで世間話しながらあるき路肩に駐車してる車に乗り込む。ボロボロのワゴン車にはチベット族が崇めるダライ・ラマの写真が中国政府が定めた教祖の写真の裏に隠されて飾られ、それに花や数珠がバックミラーに飾られていた。後部座席にはさらにダニーの一味が2人乗っていた。「これは誰だ?」聞くと「友達と一緒にいく。」と言うではないか。 ダニー

なりたい自分になれてる?(4)

文明を感じる町はこの西寧が最後だった。 ここまでくる町ではチベット族の民族衣装も売っており、すぐ染まってしまう僕は毛皮の民族帽子を購入してしまう。口を閉じて鼻で呼吸するとすぐに凍りついてしまうぐらい寒かった。体感的には-18℃ぐらいだったのでないかと思う。そとを歩くにも一苦労だった。空気が薄いという印象はありまりないが標高の高さは感じる。 次の目的地「玉樹(ジェクンド)」まで12時間以上のバスの旅だ。 チケットは2種類ある。寝台バスと通常バスの2つだが、重綱くんのアドバ

なりたい自分になれてる?(3)

朝から小雨が降っており気温が半端なくさがっていた。 僕はサラリーマン設定だったがバックパックの中身が全部なくなるぐらい服を着込まないと寒すぎた。 バックパックはすっかり隙間ができてしまった・・・。 (※当時のイメージがなかなか見つからなかったがこれが一番近いです。) 上海駅の前は人がごった返してまるで市場のような有様だった。 長時間の移動になるので車内で食べる食料の買い出しにいく。大きなオレンジが目に入り何個か買ったのだが、入れてくれた黒いビニール袋数歩歩いたらちぎれしま