本当の「自分の言葉」とは

「もっと自分の言葉で話してよ」

友達と居酒屋で話している時に、こう言われた。


自分は話す時、「○○も言ってたんだけどさ、」という切り口で話を始めることが多かった。

「他の人も同じことを言っていた」という話し方をすると、説得力が上がる気がした。

そのため、意識的に、読んだ本の内容や、有名人の言葉などを引用して話すようにしていた。


しかし、「自分の言葉で話してよ」と言われて、言葉に詰まってしまった。

"「自分の言葉」とはなんなのだろう?"


人はだれしも、成長する中で、「他人の言葉」から影響を受け、価値観を形成している。

これを否定できる人はいないはずだ。なぜなら、世の中は、無視することができないほど「他人の言葉」で溢れているからだ。

というより、この世界に存在している言葉は全て「他人の言葉」だと言ってもいいだろう。


私達の価値観を形成しているであろう言葉。

例えば、親からの教えや、尊敬する人の言葉。読んできた本や、ことわざ・格言。これらも全て「他人の言葉」だ。


無意識のうちに真似をしている言葉。

例えば、映画やドラマでお気に入りのセリフや、流行語。好きな人や友達の口癖。これらも全て「他人の言葉」だ。


生まれてから、数えきれないほどの「他人の言葉」を浴びてきた私達は、価値観や言動を「他人の言葉」に支配されているといっても過言ではない。

よく考えてみれば、「自分の言葉」だと思っていても、本当は「他人の言葉」だった、ということばかりなのではないのだろうか。


こう考えてみると、「自分の言葉」とはなんなのだろうか。



、、、いや、でもこう考え始めるときりがないから、『自分の口から出た言葉は「自分の言葉」』ってことにしとこう。

自分の口から、「言葉」をこの世界に生み出す。内容がなんであろうと、それはもう「自分の言葉」なんですよね、きっと。


「自分の言葉で話してよ」と言われたら、

「○○も言ってんだけどさ、」 という話し方をやめて、

「これはおれの考えなんだけどさ、」

に変えれば一件落着だわ、簡単なことだった。



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