男性の産休制度導入【育休341日目】
思ったよりも世間はあたたかく迎え入れてくれます。私が娘を抱っこしながら買い物をしていると、いろんな方が声をかけてくれたり、手伝ってくれたりします。育児は体力勝負の側面もあり、その点では一般的には「男性」の方が育児に向いているとも言えるわけです。
先日、男性が育休を取得したくてもできなかった人が全体の「3割」もいたというアンケート結果がありました。そこで理由として挙げられていたのは、「代替要因がいない」「収入減」「雰囲気」とありました。
「収入減」については、企業の制度もありますが、半年は67%支給されることが保証されています。「収入減」と見えますが、通常時には税金等で引かれている分が除外されることで、単純に「減」とするのは、いささか早計かと思います。
ただ現状として「代替要因がいない」「雰囲気」は、明らかに企業に対して遠慮する「日本人的発想」があるように思います。これまで何度も書いていますが、「会社を思う」のであれば「妻や子を思う」ことができるはずです。特に「代替要因がいない」というのは、「育休取得希望者」の責任ではなく、「企業、経営者側」の責任です。人手不足ならば、その分業務改善するなどの策が必要です。人手不足を「人」で補填することは、今後の人口減少を考えれば、無理を来すことは自明です。
つまり、この「育休取得希望者」が「育休」を希望通り取得できれば、数値目標的に今回の報道のような「産休制度」自体必要がなくなるわけです。しかしながら、企業側に乗り気はなかったため、この「男性産休」や「男性育休の義務化」などの草案が、まとめられたわけです。
制度上、育休の場合、少なくとも1か月前に取得の申請が必要になります。しかし第一子の場合、誕生する前に申請することが、困難な場合もあります。もちろん、申請して、誕生後すぐに取得することもコミュニケーションを取りながらにはなりますが、できます。
今回出てきた「男性育休」は2週間という期間で申請ができることから、産後まもない妻をサポートしたい人にとって、大変ありがたいものになっています。また、これまで、男性は「年休」を申請することで、子供の誕生後の家事や育児をする時間を取っていましたが、男性産休によって、その期間は、経済的にも保証されつつ、立ち会い以降の育児のイロハを病院、産院で妻とともに受けることができるため、母親が主となってしまう育児からの脱却も図れます。
「男性産休」と「男性育休義務化」の話題では、何もしない夫をもつ妻からの不満が出ます。しかしそれがどこから来ているのかを考えると「産後の育児への介入ができなかったところ」が一つの要因になります。この期間に「夫婦で育児について話し、頼り合う」ことができれば、その後の育児への参加率も変わってきます。だからこそ、「男性産休」や「男性育休義務化」は必要になってきます。
今回の報道の結びには「女性が働き続ける」という文言もありました。この部分についても「育児は女性がするもの」という風潮の打破に向けた、一種の働き方改革が見えてきます。男性は残業し、給料を稼ぐことだけでなく、夫婦で働き、夫婦で育児をする第一歩にしたいという考えでしょう。これは、個人レベルではなく、やはり雇う側の企業、経営者側の努力が必要不可欠になります。今回の2つのことは、雇用の方法や役割など、「女性は休む、男性がずっと働き続ける」という旧態依然ではなくなることを考えざるを得なくなるわけです。ここまでメスを入れることは珍しいように思います。単に自身の経験ではなく、今後の社会を考えた一手になるため、不満を言うのではなく、どうしたらよかったのかを夫婦で考える機会にしてみてはどうでしょうか。
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