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東海道RTA(T=徒歩): 旧東海道を半年かけて踏破した話 Extra 五十七次編

はじめに

 本稿は続き物のおまけ。前編は以下の通り。

 前編に記した通り、2022/10/3にて東海道RTAは完走したのだが、完走後のフォロワー諸氏からの祝福のメッセージの中に、1つ不穏なものがあった。

57次まで行って真勝利目指しましょう

再掲: とあるフォロワー氏による「祝福」

 チッ、仕方ねえな(歓喜。
 まあ、もう一回同じことをやれと言われたら絶対やらないけど、やはり目標を定めて着実にゴールに近づいていくこと自体は楽しい。効率の良い行程を組むのは「攻略」要素であり、正直、週末しかプレイできないゲーム感覚で取り組んでいた。まさに行程計画はチャートであり、実行はRTA。そんなお気に入りの「ゲーム」の追加コンテンツなんだから、まあやるしか。ただ、京都を経由する関係で、京都のオンシーズンは外したいし、ほぼすべての週末を東海道RTAにつぎ込んできたので、普通の週末もしばらくは過ごしたい。かくして、冬の訪れとともに京都に舞い戻った。

念のため: 東海道五十七次?真勝利?

 東海道の京方は三条大橋だが、三条大橋直前の山科で分岐して伏見・淀・枚方・守口の四宿を経由して大阪高麗橋に向かう京街道ルートも含めて東海道五十七(=五十三+四)次と呼ぶとのこと。こっちも歩き通すことで、五十三次勝利を超えた真勝利と言えるのではないか、ということ。

レギュレーション的な話

 おまけとは言え、依然としてRTAなので、レギュレーションというか、自分の中で一応一定の決め事を持って取り組んだ。

  • 「京街道」を山科の分岐~大阪高麗橋まで歩く。国道1号ではなく旧京街道を歩く。この点でもはや「東海道」RTAではないねw

  • 鉄道によるセーブ&ロード可:ただし、宿場町に対応する駅のみ使用可且つ、進んだ宿場町より先の駅は使用不可。尚、禁止事項は京街道に対応するもののみ。スタート地点は山科で分岐するが、京都から引き返す形でok。また、のぞみも乗って良い。

  • 期限:年内:ケツを切ったほうが本気になれるからね。MBOやね。あと人混みは嫌いなので。あと、ゴール後はちょっといい宿で一泊して、のぞみのグリーン車で帰宅する。

 なお、京街道は以下のgoogleマップデータを採用し、スマホアプリのGoogle Earthで開くことで道中トレースできるようにした。

 前置きはこれくらいにして、以下、本編開始。まあおまけだし、さっと流していきましょう。

行程Ex-1: 山科追分-伏見-淀(2022/12/3)

区間データ: 距離 4里16丁(17.44 km), タァイム 8:19~12:54 (4:59)

 すっかり寒くなった京都に降り立つ。RTA本編時の装備に一枚上着を重ね、体があたたまるまでは手袋も着用、そしてもう太陽が弱々しいので帽子は要らない。京都の平安京エリアのメジャーどころは大体見尽くしてしまっているけど、山科~伏見はほぼ手つかずで、例によってこんな形で初来訪になるとは、って感じだった。醍醐の花見の醍醐寺ってこの辺だったんだね、とか。丁度道中にあった藤森神社はせっかくだから軽くお参り。レイヤーさんが結構いたのだけど、なにかの聖地なんだろうか。詳しい方はご教授いただければ。後は墨染寺。幽々子様の聖地。京阪墨染駅の近くにある事自体は知ってたけど、京街道歩きは京阪沿線をねっとり歩くことになるがゆえに巡り会えたって感じだ。やっぱり、このためだけに普通に乗って降りに来るという選択はなかなか優先度判定を通らないからね。

本当に墨染に咲くんですかね?

 伏見を抜けると、京都的な雰囲気が薄れ、さらに東海道ほど道筋を売りにしていないのもあって、正直歩いていてそんなに面白くないw とは言え、ちょっといいなと思った風景を一枚。中書島を越えた辺りの宇治川の対岸に一面のススキ野原。白くキラキラ輝いたのが風で波打っていた。

望遠持ってたらいい感じに切り出せたかも

 川沿いの工場を見ながら、たくさんの京阪電車を見送りつつ、東海道アプリにあったような宿場の入り口・出口が判然としない中、なんとなく淀駅に出て初日終了。今後も東海道ほどの盛り上がりはなく、淡々と続きます。

行程Ex-2: 淀-枚方(2022/12/4)

区間データ: 距離 3里23丁(14.28 km), タァイム 8:32~11:43 (3:18)

 長く引っ張るつもりもないし、行程自体も緩いので土日連続出動。ひたすら京阪沿線を黙々と進む。石清水八幡宮(というか、男山)の脇を通り過ぎた辺りの街並みが、五条の遊郭街と雰囲気が似ていることに気づいて、ググってみたら果たして橋本遊郭というものがあったんだそうで、ほう、経験が活きたなといったところ。

この2階の造りが特にね

 住宅街になっている旧道と府道13号京都守口線が合流する直前辺りで、人馴れした地域猫(?)の兄弟が玄関先に座っていたので少し遊んでもらった。軽く顔を触らせてくれるけど、後は爪を立てない猫パンチと甘咬みをたくさんもらった。

ウザ絡みでしたかね?

 その後はほぼ府道に沿って歩くだけだし、あろうことか雨がポツポツやってくる感じだったので、粛々と歩みを進めるだけ。京阪にして牧野・御殿山と二駅歩いて枚方着。次回、真最終回だけど、全然盛り上がらないw

行程Ex-3: 枚方-守口-高麗橋(2022/12/10)

区間データ: 距離 5里24丁(22.24 km), タァイム 8:55~14:41:08 (5:46:08)

 例によってカーン!!は無反応。「!」を2つもつけたのだけど。まあ、消化試合ってことですかね。さて、枚方は割りと宿場町・旧街道推しになっていて、いろんな跡地の石碑や看板、往時を偲ばせる建物が結構たくさんあった。大阪府だから京都ブランドは使えないので、ひらパーだけでは観光要素が不足との判断か、というのは邪推が過ぎるだろうか。

多分結構面白いと思う

 枚方宿を出ると、守口まではひたすら府北にある川の土手の上だけを歩く。冬の朝っぱらから淀川河川敷を10 kmも歩くなんて初めてだし、もう金輪際やらんだろう。ただ何もなく退屈かというとそうでもなくて、やはり昔から重要なだったのもあって、ちょくちょく史跡があって、気候が大変良いのもあり、まあぼちぼち楽しみながら歩いていた。

ご立派ぁ!

 守口ジャンクション脇の鳥飼大橋をくぐった所で淀川と分かれたら守口市。住宅街をしばらくいったところで、守口一里塚跡。まだ2里位あるけど、これが全編通じて最後の一里塚となった。

守口一里塚跡

 守口宿も枚方程度に旧街道の雰囲気を残していた。あとちょっと面白かったのが、どうもこのあたりの街道筋は、その当時の淀川の堤防上(文禄堤)にあったそうで、実際確かに進むべきルートが周りより一段高い所にあることが随所でわかった。守口なんてジャンクションくらいしか聞いたことがなかったのだけど、なかなか見どころさんがあってあなどれないなと。

交差する新しい道が全部アンダーパスなんだよね

 守口宿を出ると、少しの間国道一号現道を進む。結果として、そこで大阪メトロの駅(太子橋今市)と当たることで、いよいよ大詰めを感じたところで、まさに大阪市入り。

 「東京」と言われてイメージしがちなのは山手線の内側なのと似たようなもので、自分もやはり「大阪」というと梅田ーなんばー天王寺+大阪城みたいなイメージなので、京橋で大阪環状線を越えるまでは全然知らない大阪の街を進んでいく。特に千林から野江の辺り、都心から10 kmもないのにこんなに様子が違うのかとちょっと感心しながら歩いたように思う。都心付近のメインルートの一本裏の商店街…品川となんとなく雰囲気が似てる。

「京かい道商店街」

 京橋商店街を抜け、京橋駅横まで来ると、そこはもう割と知ってる大阪。太閤さんの時代だったらゴールだった大阪城脇を通り過ぎ、京阪本線の一本裏の道を進み…

 ここでタイマーストップ。記録は

  • 延べ 232日5時間46分08秒

  • 実質 26日5時間41分08秒

  • 実働 146時間14分22秒

でした。(直後のツイートとは違うがこっちが正しい。本編の計算ミスのあおりを受けてこちらの数字も訂正)

 なんとも盛り上がらない。あくまでおまけだし、艱難辛苦の果でもないし、場所も休日のビジネス街の片隅だからなおさら。その後は一応中の島のちょっといい宿に泊まったけど、バ○割全国旅行支援でごった返しているのに萎えてしまったので、梅田の百貨店レストランで適当に食べただけ。若干寂しい終わりだったけど、広げた風呂敷を年内にちゃんと畳んだところで、東海道RTA 真*勝利*!

祭りの後

 この章ではRTAを終えて、色々まとめた結果出てきたしょうもないものを紹介する。

総まとめ

 これはしょうもなくもないか・・・。

交通費関係

 公共交通によるセーブ&ロードなので、毎回「入場料」がかかる。これの累計と、それをキロ単価にしたものを横軸を宿番号としてグラフにしてみた。章を進めるごとに傾きがきつくなっていくのが面白い(財布的には面白くない)。後はこれに駐車場とか食事、宿泊なんかの雑費も入るので、まあなかなか半年もの間アホな遊びをしたもんだなと(ご満悦)。

後半の跳ね方がひどい
最終的にキロ600円払って歩かせてもらった、と

集合写真

 新幹線の利用票を全部残しておいた。んで、終わった後に集合写真を撮った(だけ)。名古屋を越えても最後の京都からの戻りまではのぞみに乗っていないところがこだわりポイント。

どやぁ

google map

 筆者はgoogleローカルガイド(Lv.8)であり、現在も活動を続けている。マップの各スポットに写真を投稿することでもポイント(経験値)が稼げ、投稿した場所は地図上でピンされるようになる。んで、道中で撮りためた写真を供養と経験値稼ぎの両面から投稿を続けた結果、上記地図上のピンがこうなった。

本編終了時
真勝利後

 東海道&京街道が見える見える…。これを画面に出せる人間は日本どころか世界でも相当少ないはず。なにげに自分がこのRTAを通じて一番誇りに思ってるのがこれ。これはゴールした後の宿でのツイートにも乗っけたのだけど、現地でこの絵を出してツイートしたいがためにわざわざPCを背負ったってのが事実。これ、凄くないですか?

真・終わりに

 ここを執筆している現在2023/4/22の23時頃。もうすぐ東海道RTA出発1周年になる。本編分を書き上げて、Extraは4月中でいいかとも思っていたが、それだと画竜点睛な感じだと思ったので書き上げた。「祭りの後」も含めて、このRTAについて書き残しておくほどのことをばすべて書きつ、今はただ筆を置かん。2023年もまた新しく年間目標を決めて着々と攻略を進めている。気が向いたら記事にするかもしれない。いずれにせよこの話はここでおしまい。ここまで読んでいただきありがとうございました。

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