なぜMBTI診断が流行っているのか
それ自体は1900年代から存在していたものの、昨今のSNSではよく見かけるようになったMBTI診断。
その理由や本質を考察してみます。
結論
自分や相手のことを手っ取り早く理解し安心を得るためだと考えています。
この結論に至った経緯を、これから話していきます。
自分への理解
まず思い浮かぶのは、実際に診断してみた結果を読んでそれに共感すること。
結果が自分の取扱説明書のように書かれていると、「わかる!」「そのとおり!」となんだか面白くなってきませんか?
あれは、自分が何者なのか言語化して理解することができたときの気持ちなんだろうなと思っています。
相手への理解
自分への理解ができるようになると、今度は周りの人がどうか気になってきます。そうすると、友人に「やってみなよ」と勧めたり、SNSで呼びかけたりします。
そして、相手のMBTIがわかると「あなたはこういう人」と簡単に理解することができます。
今までわからなかったことが、言葉で説明できるようになるんです。
すると、今度は「あなたはINTJ(建築家)で社会不適合者」「あなたはISTJ(管理者)で私と相性悪いタイプだから近づかないで」と発言する人が出てきます。
これを私は、人を「ラベリングする」行為と呼んでいます。
MBTIの16タイプを使って、人にラベルをベタベタ貼っているんです。
なぜ人はラベリングしたがるのか
それは、ラベリングすることで安心感を得るためだと考えています。
まず、人は理解できないものに対して恐怖を感じる性質があると思います。
例えば、街中で奇声を発している人や露出狂を見かけたとします。
その現象だけを見ると「うるさい」だったり「ここで脱ぐな」と思ったりする程度に思えますが、実際は「なぜ奇声を発しているのか」「なぜ人前で服を脱ぐのか」と相手がその行動をしている理由がわからない気持ちが芽生えてくると思います。
このように、なぜそうしているのかわからないと思ったとき、人は「怖い」と思うのです。
つまり、人は理解できると安心できるんです。
ラベリングをすることで、相手を手っ取り早く理解=安心していると言えます。
ラベリング行為は今までもあった
私たち日本人は、血液型で自分や相手の性格を説明する場面があると思います。例えば、A型は几帳面だったり、O型は大雑把だったり。
ただ、血液型だとタイプが4種類しかないので、あまり当てはまらずしっくりこない人も多かったのではないでしょうか。
しかし、MBTIでは16種類の分類が用意されたので、血液型よりはいずれかのタイプに当てはまる人が多くなると思います。
なので、このラベリング行為はMBTI診断が流行った現在の特徴的な行動ではなく、人間の本質に近い行動なのかなと思います。
MBTI診断の有効的な活用方法
MBTI診断によるラベリング行為が蔓延っている昨今ですが、MBTIに対しては特に否定的な考えはなく、むしろ肯定的です。
MBTIによって、「こういう人もいるんだなぁ」と視野を広げることができるからです。
モノは使い方次第で、最強にも最凶にもなるというだけかなと。
ソーシャルタイプ
MBTIの16タイプは多くて覚えられない!という方におすすめの概念です。
私もMBTIより前にこれに出会って、仕事でも大変役に立ってます。
詳しくかつわかりやすく解説している動画があるので、紹介しますね。
私はこのソーシャルタイプでいうドライビングタイプ気質があるのですが、これを知ったことで自分とは全く違う考えを持っている人の存在を知ることができました。
私の経験でいうと、ムードメーカーで明るい友達がいましたが、いつも突発的に行動するところにイライラしている自分がいました。
また、職場にとっても優しい先輩がいたのですが、優しすぎて自我が少なく仕事にやりづらさを感じていました。
これらは、ソーシャルタイプでいうと前者はエクスプレッシブタイプ、後者はエミアブルタイプと呼べると思います。
彼らは理屈より感情を優先するタイプなのが特徴で、特にエミアブルタイプの先輩は「意見交換の場では自分の意見より周りの意見の方が気になる。平和を求める。」と言っていたのが、今でも印象的でした。
私のようなドライビングタイプ(MBTIではINTJ・ESTJあたり)の人間からすると、最優先で周りを気にかける考えに至らないので「ああ、そういう人もいるのか」と実感しました。
まとめ
相手のことを理解するのは、それ相応の時間と労力がかかります。
自分の普通が相手には通じないことが多く、社会人になるとそれを実感する機会がより多くなった気がします。
そんな中MBTIという1つのラベルを手にした我々は、相手にそのラベルを貼ることで簡単に・手っ取り早く理解することができるようになりました。
それは悪意ではなく、自分が安心したいからです。
私はまだ自分のタイプであるINTJ(建築家)とESTJ(幹部)しかまだ特徴を把握しきれていないので、折を見て他のタイプも学んでいこうと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?