とある世界の物語【 バニィMeister 】
これは、とある屋敷に務めているウサギ族の『うさ子』が、
バニーの最上級職である【Bunny Meister】になるまでの物語である。
うさ子は悩んでいた。
屋敷の主人である大奥様の 私に対する態度が無反応なのだ
数年前までは、娘の様に可愛がって頂いたのに・・・。
今日も、温かい食事を運んで行ったのに
言葉すらも掛けて貰えませんでした。
一体・・私の何がイケなかったのででしょう~><
うさ子は考えた・・・
池に植木鉢を落としてしまった件でしょうか?
食器棚ごと倒してしまって 器を全て割ってしまった件でしょうか?
それともっ あの時のっ><?!
(うさ子は、『超』のつくドジっ子だった。)
「そうだわっ こんな時こそ先輩の『言葉』よっ!!」
そう言うと 廊下をパタパタと掛けて行き、自分の部屋へもどると
古ぼけた一冊の 小さな《手帳》を開く。
(先輩が辞めていく時に、私に渡された手帳。)
使い古された表紙を開くと、最後のページを開く。
『うさ子さん、ここを見ていると言う事は、またダメだったようねっ!
しかし、そのっ諦めない心だけは あなたの良い所です。
最後にあなたに贈る言葉があります、しかと受け止めなさい。
【【【Bunny Meisterになりなさい!!】】】
そうすればきっと、心配ごとは消える事でしょう。』
そして、最後の方には場所のメモらしきものが添えてあった・・・
「これですわっ!! 私はっ『バニィマイスター』に成るっ><!!」
それからの うさ子の行動は早かった。
手提げかばんに必要な物を詰め込むと、挨拶を書いたメモを残して
館を後にしたのだった。
港町に船が付くとその桟橋に うさ子の姿があった・・・
「この町に・・・マイスターの訓練所があるのねっ!」
初めて見る大陸の街並みに、目を輝かせながら 通りを歩いて行く。
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< 1週間後・・・。>
私、うさ子は訓練所で 講義を受けている。
講師は「マザー」と呼ばれている、元マイスターの『カミエル』様・・・
『うさ子さん、あなたは超~ドジっ子だけれど
体力だけは 優秀過ぎるほどにあるのですね 良い事です。
明日からは「訓練」を上級者と一緒に受けて頂きましょう~』
それから毎日のように、地獄の特訓が始まる。
いえ地獄など生ぬるいほどにっ!!
日の出とともに駆け足だ、街の城壁を30周ほどまわる。
その後は おのおのに自分の得意とする訓練に移る・・・
私の場合は、「暗器」を使用した戦い方が上手いと言われた
うんっ褒められると~嬉しい♡
それから午後は、2時間の休憩をはさんで その後講義を中心に行うのです。
『そこっの御方っ!!
「2時間の休憩」なんて羨ましいなぁ~』と思った あなたですっ!!
断じてそんな事は有りませんっ><!!』
訓練所に来た一番最初の日に、こんな事を言われたのです。
『これから色々あると思うけど、
《「 午後の2時間の休憩」》
だけは、ちゃんと気を引き締めながら休んで下さいね。』と。
その意味が分かるのは、次の日からだった。。。
早朝からの修練で疲れた体に、美味しい昼食を食べれば~
誰でも ぐっすり~スヤスヤです♡
<<< そこに『悪魔の講師達』が来るのです!! >>>
ある者は・・・痣が出来るほどの 石つぶての【指弾】の的になり。
ある者は・・・氷の様に冷たい【冷水】を浴びせられ。
ある者は・・・縄でぐるぐる巻きの【簀巻き】にされ ひと晩放置・・・
などなど、忍び寄ってくる講師達に気が付かないと
大変な目に逢わされてしまうのです。
講師達曰く、
『いついかなる時にでも、対処できるようにする為!』だとか
しかし私は・・・講師達が 密かに楽しんでいるのを知っている。
そんな感じで、あっという間の5年間が過ぎた。
(私は、過ぎた日々を思い出していた)
武器を使った戦闘。
生き残るための サバイバルの訓練。
知識を広げる為の勉強。
気品を身に着ける訓練。
講堂に Meisterクラスを勝ち取った強者達が並んでいる。
もちろん、その中には私も居る・・・
靴音を響かせてマザーの カミエル様が壇上に上り皆を見下ろした。
『あなた方は、Meisterクラスを勝ち取りました
その力は 帝国の近衛兵100名分に相当するでしょう。
これからは、おのおのが信じる事に使いなさい!
私からは以上です、長い間おつかれさまでした・・・・解散っ!!』
「「「「 ありがとうございましたっ!! 」」」」
講堂に、恩師に向けて弟子達の 感極まった言葉が響いたのだった。
それからの私は館に戻り、毎日楽しく過ごさせて頂いている
大奥様はもとより・・・
庭に住む妖精とも、楽しくお話が出来るようになったのだ。
Meisterクラスとなった私に、ひとつの特殊スキルが開花したのだ!
《《 想いを つなげる者 》》
相手と『心』を交わす事が出来るスキル・・・
木々はともかく
ただのお皿でさえも簡単な意思疎通が、出来るようになったのである。
(そのおかげか、お皿を割る事が無くなったのが嬉しい♡)
今夜も、
大奥様の大好きな スクランブルエッグを用意して
沢山の お話をして頂こうと思うのです。
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いま、うさ子 は とっても幸せです・・・たとえ大奥様が
「生きていなくても。」
~fin~
皆様お久しぶりです~なでこです♡
今宵は、一五夜と言う事で
ちょっと変わったウサギの物語を考えてみましたw
忙しい毎日でも・・・今夜だけはのんびり~と
お月様を見て 過ごしましょう~💖
では、またですw
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