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⭐️リハビリテーションの夢  京セラフィロソフィーに学ぶ創意工夫⭐️

 本日写真にアップさせて頂いたのは麻痺の機能回復のために使う訓練用キットです。私が東急ハンズで部品を買って作成し、病棟に置いていたところ、自然と病棟の訓練場面で頻用されるようになりました。
 使い方について簡単にご説明させていただきたいと思います。
 脳梗塞の後遺症として麻痺があります。このキットは麻痺の影響で手指が思うように動かない患者様のためのトレーニングキットです。
 麻痺になると、腕を上げるなどの大きな動きから回復し、最後に手指の細かい動きができないという巧緻性障害が残ります。その際、低周波の刺激を入れながら、この訓練キットにある直径5cmの円筒を握り離す動作から始まり、5cm大の■や〇の握り離しをしてもらい、徐々に大きさを3cm大、2cm大、1cm大に小さくして難易度をあげてゆきます。1cm大の〇をつまめる様になれば内服薬もご自身で管理することが可能となります。さらに、この1cm大の〇をお箸で移動させることができれば、ご飯のお米もご自身で食べられる可能性があります。〇や■をつまもうと、患者様は毎日汗を流しながら訓練に何か月も取り組まれ、ゆっくりと回復してゆきます。
 話が変わりますが、本多静六さんの著書と共にほぼ毎日欠かさず読んでいるのが、「京セラフィロソフィー」です。私は稲盛和夫さんの大大ファンです。
 大成功した稲盛さんの元には多くの経営者が「自分の会社を大きくしたいがどうしたらよいか」と尋ね、「自分の所には優秀な人材もいないし、所詮、自分の望んでいることは高ねの花で上手くいかないのかな」と言われたそうです。それに対し稲盛さんは、「創意工夫の精神を持ち続けることが、中小零細企業を大企業へと変えてゆく」と答えられました。
 その言葉に励まされ、認知症の患者さんは赤に反応しやすいので色を変えてみてはどうか、また■にザラザラしたやすりをつければ感覚障害によいのではないかと、工夫を考えます。もっと充実したものに完成させたいと考えています。
 一病院の勤務医であり、病院の中で私以外にこんなことを考えているスタッフはいないと思いますが、いつか病院に世界中の後遺症のある患者さんを受け入れ、日本の優れたリハビリテーションを受けていただきたいと願っています。
 日々、創意工夫を積み重ねることが、きっと医療技術の向上につながり、大きな夢の実現につながることを信じています。コツコツ頑張ります。
※京セラフィロソフィーの日本でのリバイバルを願っています


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