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【LEGO校舎紹介】東館 野村ドームを魔改造してみた

はじめまして、77回生のTUKIYO3です。現在高1ですが今日に至るまで面倒くさいという理由で全く記事を書いてきませんでした。しかし今回は校舎の魔改造をしてしまったのでその責任をとって書いていきたいと思います。至らない点もあると思いますがどうか最後までお付き合いください。
 

動作


今回解説していくのは灘校校舎の東館にある天文台「野村ドーム」…だったものです。去年の記事はこちらから参照いただけます。「野村ドーム」ってなに?と思っている方はこちらを先に読むことをお勧めします。

前回の文化祭ではテクニックパーツを使用して校舎側面にあるつまみを回すと野村ドームが開閉する、という機構を制作しました。文化祭一周間前から作り始めた割に完成度はよかったのではないかと思います。しかしこの機構、欠点が一つありました。それは横方向にずれが生じるというものです。

左が閉じた状態、右が開いた状態です。横方向に5mm程度ずれているのがわかると思います。機構の特性上避けようがないことなので、この問題を解決するには機構ごと見直す必要がありました。
 
 さて話は変わりますが文化祭で展示をしていたり、学校の友人が部室に遊びに来たりすると一部から「野村ドームからなんか撃てたら面白いのに」(意訳)などと言われることがあります。確かに天体望遠鏡にカモフラージュされた何かの発射装置がドームに入っていたら…と妄想するとロマンがありますよね。
 
ということで作ってみました!
これがその全貌です!

「あれ、なんも変わって無くね?」と思われた方、カモフラージュされているのですから簡単には見えなくて当然です。むしろ完全にこのスペースに収まっていることを褒めてほしいくらいです。
では動作の説明に移っていきましょう。こちらの野村ドーム、このコントローラーで動かすことができます。

このコントローラーには2つのスイッチ、傾きセンサーが入っていて左側のスイッチで起動、右側のスイッチで発射、傾きで仰角調整を行えます。さらにドームを完全に平行に開閉することもできます。御託はここまで。早速起動してみましょう。
まずは左のボタンを押すことでドームを起動します。

ドームの開閉は写真のように回転させると伸びるパーツを使って行っています。そして開くと同時に内部から砲塔が(もちろん自動で)せりあがってきます。

上がってくるときには砲身は真上を向いていますがこれはプラスマイナス60度の範囲で可動です。上がり切ると自動で30度の仰角をとり、装填が始まります。

非常に分かりにくいのですが上から時系列です。
ハンマーをテグスで引っ張っています。
仕組みについて詳しくは後程説明しますが、全てモーターによって動かされています。
ここまで射手がすべきことは起動ボタンをポチるだけですが、ここから射手が仰角を調整できます。
コントローラーの傾きに応じて5度単位で仰角をとってくれるというラクラク仕様。そして撃ちたい角度が決まったら右のボタンを押すだけです。
すると弾が発射され、再び仰角は30度に戻され、装填が行われまた撃てるようにます。
これが野村ドーム使用時の流れです。
まあここまでひたすらにいい点ばかりを上げてきましたがロマン兵器は欠点がつきもの。
その一つが装弾数で予備の弾はわずか1発なので2発に一度給弾する必要があります。
装填に重力を利用しているため30度以下を向いた状態でないと装填ができません。
これでは何のために装填を自動化したのかなどと言ってはいけない。さらに栓の部分は特殊なパーツで制作したため時々ずれ、真横を向いた状態では発射できません。
だから仰角は30度から150度に制限され、装填時は30度に戻されるわけです。
さらに砲塔の旋回ができないという砲としては致命的なまでの欠点もあります。
しかしこれに関しては校舎ごと回転させればいいだけなので無問題です。
ここまでならまだよかったんですが弱点の真打は信頼性です。
利用可能なスペースが限りに限られていたため接続は1か所が基本、さらにプログラムの不備、モーターの誤作動などが相まって信頼性は皆無。
機能性にこだわりましたが空間に対しあまりに過大であったためこのように欠点(とロマン)だけが残るという結果となりました。

↑僕が一番かっこいいと思った野村ドームの写真です。 かっこいい…ですよね…

【重要なお知らせ】
 ところで話は変わりますが現在僕がこの記事を書いているのが2022年5月1日です。
はい、文化祭前日の夜ですね。いつもの灘クォリティ。
締め切りは今日中ですので全く問題はありません。
まだこれが完成していないという一点を除けば。
実はまだ完成してないんです。
結論から言うと、状況は絶望的です。
テストで例えると1年間世界史に全リソースをつぎ込んで勉強したのに共通テスト前日に世界史過去問3割だったけど9割のふりをしていた、といったところでしょうか。
この良く分からないたとえを聞いて読者の方は「努力の方向性が間違ってるやろ」とか「1年間無駄にしてて草」とか「さっきの画像はなんやねん」とか思われていると思います。僕もそう思います。
さっきの画像は手動で操作して撮影してましたすいません。
ただ一つ言えるのは、僕にできるのは明日の共通テストで4割をとるために努力することだけです。
そのためには早急にこの文章を終わらせることが肝要なので、ここから先の機構の解説は書き溜めていたものをちょびっと校正して掲載することにします。内容が変更されている可能性も大いにあります。
それでもいいという方はスクロールを、ふざけるなという方は文化祭に来て実際に見ていただければ最新の状況がわかると思います、と露骨な宣伝をしたところで解説に移ります。(当日に完成しているとは言っていない)

機構


ではここからはいかにしてこの魔改造がなされたかを解説していきたいと思います。
まずドームの開閉機構は写真のようになっています。ここは僕と同志タイプGで制作しました。特にパーツ探しや補強の面で彼が僕の技術をはるかに凌いでいたためここはほぼ一日で終わりました。まあそのあと勝手にいじった僕が壊しまくるのですが。ここで注目したいパーツはこれです。

これは回転運動を直線運動に変換するためにレゴでよく使われるパーツです。オレンジ色の部分を回すと奥の丸い奴が伸びます。以上。
さてこの機構を作るうえで最も重要なことは何だと思いますか?安定性?効率化?いいえ、もちろんそれらも大切ですが、正解は発射装置が入るスペースを確保することです。
よく見るとギアや先ほどのパーツが全て壁側に集中しているのがわかると思います。この「スペースの確保」が全体を通して最も重要かつ苦心した点で、これ以降僕と物理法則の熾烈な戦いが繰り広げられます。結局負けてるとか言わない。

開閉機構は完成したものの、それは通過点の一つにすぎません。肝心の発射機構はというと…難航していました。原因は主に二つ。一つ目はやはりスペースがないことです。
発射装置を作ると決めた時から自動装填、ボタン一つで発射、仰角可動は僕の中でクリアすべき条件でした。というか仰角可動に関しては達成されないと真上に向けた状態で建物内に収納するのは決定事項でしたから真上に向けたまま発射することになります。
すると当然発射されたパーツに姿勢制御などできるはずもないのでパーツが真上から落ちてきます。そんなことになったらお笑い種です。
ロマンのかけらもありません。装填や発射に関しても自動のほうがロマンありますよね。などとロマンに固執し続けた結果3つもの試作品が没になりました。
そして文化祭前日になっても終わる気配がない。これが一つ目の理由です。二つ目は、魔改造勢が一人になったことです。というのもレゴ同好会では文化祭で展示するために「メイン作品」と呼ばれる大型作品を通常春休みに制作するのですが、例年に比べ春休みに数えるほどしか人が来ず、しかもそのうちの一人が魔改造ばっかりやっていたもので文化祭一か月前には進捗が50%でストップしているという未曽有の危機に瀕していました。当然部長は部員を総動員します。するとどうでしょう、手伝ってくれる人が一人もいません。お前もメイン作品やれよ。人がいないとパーツは見つからないわアイディアは出ないわで大変です(現在進行形)。
さてこのような状況下で最たる課題だったのが自動装填装置の小型化です。モーターの回転運動を直線運動に変換しさらにドームの上に出すために先端の断面はブロック5×5個分(4cm四方)以下で作る必要がありました。
モーター一つ、ギア一つで容量の3割は埋まってしまいます。
そもそもブロックを発射する筒は3×3なのでそれだけで4割ほど食います。
つまり先端部分にモーターを入れることは不可能ということです。(筒とモーターを直列につないだものも造りましたが長すぎて今度は縦の大きさが砲身だけで校舎より高くなりました。)
そうなると土台部分にあるモーターからいかにして動力を伝達するか、ということも考えねばなりません。レゴで動力を伝達する場合十字の棒で行うのが基本ですが当然軸をそろえなければならずこれも難しいですし、直線運動に変換してしまうと動力の伝達はできないのです。
しかし僕は思いつきました。これらの問題を同時に解決する方法を。ずばり、テグスです。テグスを軸に巻き付けてその軸を回せば容易に回転運動を直線運動に変換できますし、通る穴を作るだけで伝達もめちゃ簡単にできます。レゴ同好会なのにレゴ以外使っていいのかと言われそうですがクレーンゲームでも使っていますし万事OKです。

この小ささなのに1分かかるというどこぞの列車砲も驚きの装填速度でしたが、しっかりと?自動で装填できています。(装填速度はのちに短縮されました。)
そしてこれを上下に動くように筒の中に入れ、この筒も引っかかったり摩擦を起こしたりするコードをまとめて、常に筒と接触しないように工夫されています。
さらに引き金部分も工夫し完成したのがこちら(写真)…だったはずなんですがこれでもまだ幅が大きすぎて入らず、小型化しましたが今度は横に行けない体積が縦に逃げてしまい内部が建物全体の高さを超えたため延長工事を行い、
結果として建物が5cm程度高くなりましたが言わなきゃバレないですね。そして今プログラムを書いていますが思い通りに動かず苦戦しているところです。もう22時を回りました。「明日よ、明日よ、もう来ないでよ」という歌詞が僕の好きな歌にありますが今まさにその心境です。未完成(蜜柑星)だけに。
因みに使用しているレゴは基本レゴ「マインドストーム」と「テクニック」のパーツです。センサーやモーター、光っている四角くて白い箱(インテリジェントブロック)とコード類がマインドストームというプログラミングができるレゴで、その他のパーツはギアなどを使って可動に重点を置いたテクニックシリーズのものです。
これらは当然ですが普通のブロックとも互換性があるので、校舎にも組み込むことができました。今回使用したマインドストームのパーツははタッチセンサー(6050円)×2、ジャイロセンサー(8470円)×1、Mモーター(6050円)×3、Lモーター(7260円)×2、白い箱(52800円)×2で合計10個(それぞれ単体で買うと158840円+コード、バッテリー類)でした。
すべて自腹で買ったわけではないですが。白い箱高すぎますよね。 以上が魔改造(未完)の内容になります。
最後に断っておきますがこれらは全てTUKIYO3の妄想と独断と偏見によって生み出されたもので実際の野村ドームの中身は天体望遠鏡です。決してビーム発射等はできませんのでご安心ください。
僕は野村ドームの名付け親?である地学教師の野村先生に怒られないか心配ですけど。文化祭に来た際には実物の野村ドームはもちろん東館にあるので、校門入って右手のスロープや中学棟4階のテラス、通称「サル山」から是非一度見てみてください。
では僕はそろそろ制作に戻らなければいけないのでこのあたりで筆を置くことにします。ここまで読んでいただきありがとうございました。


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