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24.6.16 異端の鳥【映画感想】
(映画のネタバレを含みます)
あらすじ
第二次世界大戦時、ホロコーストから逃れるために地方の叔母の家に預けられていた少年が、叔母の死をきっかけに自宅へ帰るまでの帰路を描いた作品
感想
この映画を見たきっかけは、Amazonプライムビデオで「面白そうな映画ないかな」と漁っていた時にたまたま見つけたあのサムネを見て決めまた
そのサムネは、首から下を土に埋められた少年と、その目の前にいるカラスというものだ(この記事の頭に付けているものである)
多少の暴力表現はありそうだなと思って見始めたが、なんてことは無い。最初から動物が焼け死んだ。これを見て、「当たりを引いた」と手を叩いて喜んだ。
しかし、暴力表現がある以外は何も分かってなかったので、舞台が第二次世界大戦時であること、主人公の少年がユダヤ人であることが分からなかったため、「どうして何もしてない彼がこんな酷い目に会わなきゃいけないんだ」と不思議だった。
映画の中盤でやっと気がついたが、気づいてからは納得がいった。最初は純朴で優しい少年が、次々に襲ってくる差別や暴力のせいでどんどん荒んでいく様子が見ていてとても面白かった。(私は、人が何を経験しどういう考えや感情を起こしどう進んでいくか、どう変わるのかを物語の中で見るのが好きなため、決してただ暴力の光景を見てゲラゲラ笑っている訳では無い)
自分が触れてこなかったため、初めて迫害の様子を具体的に映像として見た。きっともっと酷いことを受けた人もいるのだろう。不謹慎だが、自分の知らない世界がそこにあって非常に興味深く面白かった。
と同時に、今までの人生でいじめなどの理不尽な暴力に合ったことがなかったことに対し私は恵まれていると思った。
少年が旅の途中で出会う人は、多くが少年に暴力を振るったり差別の意識を持つ人々であった。彼らに共通することの一つに閉鎖的な環境にいることがあると考える。もうひとつは、他者の意見に隷属していることも考えられる。
私自身、田舎な島に住んでいるため閉鎖環境にいる。専門学校に通っていた頃は街の方で一人暮らしをしていたが、自分の世界が如何に狭いかをとても感じた。映画の隷属する人々をみてその事を思い出した。
自分の世界を広げるために多くを見聞し、多くの人の考えに触れ、それらを持って自分の考えはどうかを思考するのをこれからもしていきたい。そのためのひとつとしてこれからも映画を観ようと思う。