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人生は何が起きるかわからないという話

1月のわたしに言ってやりたい
夏の終わりには信じられないくらい幸せな日々を過ごしていると




年末に失恋した
8年にわたる長期交際で、婚約もしていた相手だった

もちろん一緒に暮らしていた

わたしの生活は一変し、実家に戻り、鬱はひどくなり、心も生活もボロボロで目も当てられない状態だった
別れた彼との復縁ばかりを考え、狂ったように神社に足を運び、精神的におかしくなっていた
前に進まなくてはとマッチングアプリを始めたけど身が入らないし、他の人と付き合うなんてどこか別の世界の話のようで具体性がなかった
冬の話だ

そんな時期に出会った人だ

誰かと付き合うなんてとても考えられないと思っていたのに、初めて会った時から、何故か『わたしはこの人と結婚するのかもしれない』と思った
たれ目で、泣きぼくろが印象的な人だった
パスタは啜るし、紙ナプキンで鼻はかむし、髪はボサボサだし(後日聞いたらセットしたつもりだったらしい)
マッチングアプリで出会う人としては正直0点だ
けど、不思議とまた会いたいと思った

何度かデートを重ねて、でもわたしは別れた彼が忘れられなくて、何度も振った
それでも諦めないで好きだと伝えてくる人だった
気がついたら、離たくない相手になっていた

そして、今はわたしの恋人になった
もちろん一緒に暮らしている

相変わらずスマートさとは程遠いし、お金はないし、頭は悪いし
何よりあまりにもメンヘラすぎる
でもわたしはこの恋人がたまらなく愛おしく、この世で何よりも大切に扱いたい宝物だと思っている

1月、鬱がひどくなり練炭自殺を調べまくっていたわたしに言ってやりたい

夏になったらお前はその恋人と花火を見てプールに行くし、そいつは手紙を渡すだけでボロボロ泣くし
二人で手を繋いで街を歩き、土日にしか来ないキッチンカーのクレープを食べる
二人で内見して決めた部屋は狭いけど、引っ越しはそいつの荷物が多すぎてヒイヒイ言うけど
タバスコをかけまくったキムチ鍋をつついて、レコードのかかった部屋で二人で踊って、たまに喧嘩をすればコーヒーを飲みながら話し合って

バチが当たるんじゃないかと怯えるくらいの幸せな暮らしを二人で送る

1月のわたしに言ってやりたい
いま涙が出るほど幸せな日々を送っていると
まだ出会ってもいない男と、人生で1番幸せだと思えるような日々を送ることになると

1月のわたしに言ってやりたい
死ななくてよかったと


ヲノデラ

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