みなさん、こんにちわ!
今回も、日本代表 vs ドイツ代表のマッチレビュー(試合後の振り返り)の第4段です。歴史的な勝利について少し時間があいた今、次のワールドカップのために振り返りたいと思います。
今日はサッカー専門雑誌でもやらないような、細かい振り返りなので、耐えられない方はちょっとずつ読むか、飛ばし読みがおすすめです。
ABEMAの本田解説に沿って解説する形をとっていますから、AMEBAプレミアムに入って、試合が再アップされたタイミングで観ながら確認していただくとよりわかりやすいと思います。
では、始めていきましょう!
【ハーフタイム】どういい形でボールを奪うか
日本代表交代 久保OUT→冨安IN
戦術的指示が細かいといわれるイタリアでもプレーした本田GMですが
さすがです。今日本代表がどういう状態で、どうするべきかが明確。素人にもわかりやすいですよね。ですが、どううまく奪うか、どううまく守備をはめていくかについては森安監督と少し考えが違っているようです。
【後半1:16】ノイヤーからのカウンター→ニャブリシュート
冨安を投入して3バックにしたんですが、早速ドイツに決定的シュートを打たれてしまいます。
守備をはめることができるシステムにしたのですが、前線の前田大然からの守備と、中盤、ディフェンスラインの守備が連動できず間延びしてしまいましたよね。
本田GMとしては、もうちょっと引いた位置から守備をスタートした方がよいという意見。一方森安監督は前線からプレッシャーをかける攻撃的守備を選択しました。
【後半2:19】GK権田→冨安のボール回し
ここは本田GMの解説はないのですが、あとで同じシーンが出てくるので、ピックアップしました。冨安が長友にパスをしたい状況だったんですが、長友がボールを受けれるポジションにいなかった場面。長友がもう少し下がって、冨安のパスコースを作ってあげないといけない。ビルドアップができず、ボールは無情にもタッチラインをわってしまいました。ボールをを支配される展開が多い中ドイツボールになってしまう。世界のトップで戦うには、こういうところは大事にしないといけないです。
【後半3:22】高すぎるプレス
プレスをかける位置は、おそらく試合前にチームで話をしているはずです。前半から方針自体は変わっていませんが、3バックにしたことでよりアグレッシブに守備にいくことが明確になったのではないかと思います。
【後半4:28】伊藤純也のドリブルでの切り込み
徐々に高い位置でボールを保持できるようになった日本、伊東純也がペナルティエリアまで侵入しました。伊東純也がキミッヒとぶつかって、こぼれたボールを鎌田がシュート。ドイツの選手にあたってコーナーとなります。前半終了間際の1本しかシュートを打てなかったのに、後半早々にシュートまでいきました。もう、臆病に退いて戦うのではなく、リスクを承知で攻撃にいく姿勢が功を奏してきました。
【後半5:08】日本の左コーナーキック(キッカー:鎌田)
コーナーキックのキッカーは鎌田でした。今の日本代表はセットプレーからの得点の匂いがしないですからね。この後のクロアチア戦の先制点はデザインされたショートコーナーだと思いますが、もっとレパートリーを増やしたいですよね。
【後半5:35】ムシアラシュート
実は後半の日本は、サイドでのたて一辺倒のパスではなく、少し横に繋いでドイツのプレスをかいくぐる動きもしていました。前半の映像と比較して観てもらうとわかりますが、前半ドイツは守備の際ピッチの縦半分より狭いスペースに日本を押し込めていました。その状況を打開するべく、日本はサイドチェンジの横パスがを使い始めたところ、プレスを回避しピッチを広く使えるようになりました。相手が強いドイツだから、カウンターのたて一辺倒しかないという意識から、強いドイツでも俺たちやれるよ。少し横へもつないで、プレスを分散して打開する意識へ変わってきました。
【後半7:15】GK権田→冨安→鎌田のボール回し
後半はじめにもありましたが、長友のパスを受けるポジショニングが少し遅れているため、冨安は一つ飛ばして鎌田につないだシーンでした。少し冨安と長友のところは連携がうまくいってない感じでしたね。。
【後半8:24】森保さんの強気、そしてハマり始める
強気に行っていた日本。ドイツの運動量が落ちてきたのと、日本が3バックに変えて、選手間のプレスにいくタイミングが揃ってきたのと、冨安がうまくミュラーをみはじめてから守備がはまり始めます。
ここはスカウティングでドイツの運動量が後半落ちることを予想していたのか、森安監督には聞いてみたいところですね。
【後半9:05】吉田→冨安→長友→鎌田 オフサイド
そうなんです。3バックは3センターバックで両サイドのウイングバックである長友と酒井宏樹がフリーになりやすいんです。このウイングバックを起点に日本は攻撃をし始めます。
【後半10:19】森保さんの次の一手
この動きをみると、あらかじめドイツのコンディションが悪いのを見抜いて、予定していた交代なのかもしれないですね。守備がはまり始めるのをみてなのか、森安監督はすぐ次の一手を打ちます。
【後半11:30】
日本代表交代
前田大然OUT ⇔ 浅野琢磨IN
長友佑都OUT ⇔ 三苫薫IN
うーん。三苫をウイングバックで使うという、誰も予想しなかった奇策。いや、奇策と言うより考え抜いた手なのかもしれません。だって、本田GMの解説にあった通り、3バックだとウイングバックはフリーになりやすいんですから。三苫をフリーにするための考え抜いた策だったんじゃないかと思います。
【後半11:57】酒井宏樹のダイレクトパス
3バックにして酒井宏樹の本格的な攻撃参加が始まりました。酒井宏樹は、ワールドカップ前の2021年からは浦和レッズに所属していましたが、以前はフランスのマルセイユで約5年間プレーしていましたよね。サイドバックでありながら体も大きく、外国人に負けないフィジカル、攻撃センスを持っています。この時の酒井宏樹の縦パスはドイツ選手を置き去りにする素晴らしいパスでした。是非観て真似してほしいですね。
伊東純也ですがこの試合ファーへ上げるパスはほとんどありませんでした。(恐らく前半の前田大然へのオフサイドになったパスぐらいしかないと思います)ドイツの高さを警戒してのことなのか。伊東ならいいクロスをあげられるのにもったいなかったですね。鎌田、田中碧がファーでフリーでした。
【後半12:48】これはどうなの?
解説陣も、日本の前からのプレスに疑問をもっていることがうかがえます。私も体力的に無謀なんじゃないかと思っていました。元日本代表キャプテン長谷部は直前のドイツ合宿に帯同して、『外から見た日本代表と内から見た日本代表は違っていた』とコメントしています。もしかしたら日本の選手達は「ドイツ相手でも対等に俺たちやれるよ」って感じで、この戦い方に迷いはなかったのかもしれないですね。
【後半14:10】ギュンドアンシュート!
決定的でした。ここまでギュンドアンをフリーにするとやられてしまいます。ポストに当たって外れて本当に幸運でした。決まっていたら勝敗はほぼ決まっていたシーンだったと思います。運も日本に味方をしていたのはまちがいなかったですね。
【後半15:05】冨安→鎌田→三苫ドリブル→浅野シュート
三苫をウイングバックで使うと、低い位置から上がっていくことになるため、良さが消えてしまうと誰しもが思ったところ、三苫効果が現れ始めます。
三苫は瞬間的に速いし、1対1の駆け引きもうまいのですが、実はスタミナと言う点でもハイレベルです(伊東純也もそうです)。それを森安監督はわかってのウイングバック起用だったのかもしれません。
三苫は川崎フロンターレ一年目のキャンプに行ったヨーヨーテストでチームトップだった動画があります。参考に動画のリンクをあげておきます。(0:10~3:25辺りです)
【後半:】ファーみろ!
どうしてファーを狙わなかったのか。うーん。
高さでは敵わないかもしれませんが、フリーの選手にピンポイントで合わせることは伊東純也ならできたはずです。
なぜニアを狙ったか、ちょっと聞いてみたいですね。
【後半16:00】田中碧のディレイ
攻撃直後にドイツにパスカットをされ、ピンチになった際、田中碧が頑張ってドイツの攻撃を遅らせました。攻撃に重心をおくと、ボールを奪われたときに中盤に広大なスペースが広がります。そこをボランチの選手がディレイする(遅らせる)んですが、お手本のようなプレーでした。
【後半17:30】本田GMの次の交代案1
確かに三笘がフリーでボールを受けるシーンがありましたが、位置が低くハーフウェイラインより下の日本陣地側でした。三苫の良さが生きない。前半の伊東純也のような状況。本田GMの言う通り日本の切り札三苫をゴール近くに置きたい状況でした。
【後半18:29】デュリガーのステップ
これは皆さんどう思いましたか?
私はホントにデュリガーは日本をバカにしてるなと思いました。はまた、後で慢心のデュリガーのお陰で日本は逆転するわけですが。
【後半19:19】本田GMの次の交代案2
本田GMは監督に向いているというか、森安監督のこの後の交代カードを予言しています。
右サイドに左利きの選手を入れると、縦にいくよりカットインしていく方がボールが取られにくいんですよね。堂安選手のからだの向きが左サイド側に向くので、左サイドへサイドチェンジのパスを出しやすくなります。これは森安監督も考えていたプランだったのか、このあと実現します。
一方ドイツは、日本に攻撃されはじめて、決定的な場面はないですが、守備のバランスが気になるのか守備的MFのゴレツカを準備し始めます。結果的には、ゴレツカ投入がドイツにとっては良くない交代になってしまいます。
【後半20:19】三苫を囮に浅野がシュート
このシーンをみると三苫はかなり高い位置をとれていました。パスは、三笘がスルーし浅野へ、浅野のシュートはDFにあたってコーナーとなりました。
浅野は右利きの選手なので、左足でのシュートには威力がなかったですね。。
でも、同一線上に選手が重なった時(ここでは三苫と浅野)の一つ飛ばしのパスからのシュートはいい攻撃でした。
【後半20:57】日本左コーナーキック(キッカー:鎌田)→板倉ヘディング
この試合のコーナーキックで初めてゴールの匂いがしたシーンでした。
コーナーキックは、キッカーを左利き、右利き両方を用意したり、ショートコーナーのパターンも用意するだけで随分違うはずです。
また、相手の高さが気になるようであれば、縦回線の上から落とすボールを蹴って、ピンポイントで合わせるとシュートまで持って行けたりします。
鎌田であれば蹴れると思うのですが、今後期待したいですね。
【後半21:30】
ドイツ代表交代
ギュンドアンOUT → ゴレツカIN
ミュラー OUT→ ホフマンIN
誰がこの交代からドイツが失速し始めると考えたでしょうか。
ドイツのフリック監督としては、ミュラー、ギュンドアンを下げて活きのいいゴレツカ、ホフマンを入れれば守備が安定すると思ったんでしょうが、逆になりました。
日本に問題を起こし続けていたミュラー、ギュンドアンの交代はむしろ日本に追い風となりました。
サッカーってホントにちょっとした交代から状況が一変します。
本当に面白いですね。
後半の前20分のところで今回は一旦おしまいです。
試合を細かく時系列で見ると、ターニングポイントが結構あります。特にサッカーは些細なシステム変更やプレーからガラッと様子が変わりますよね。
これがサッカーの醍醐味でもあり、視聴者全員が監督になってしまう理由ではあるんですが。
では、また!
P.S
後半の20分までをみても、3バックの一角を担った、冨安と、左ウイングバックに入った三苫効果は絶大でしたね。ドイツ相手にも個で圧倒できる選手が出てきたというのは日本代表にとって転換点だと思います。
後半20分以降にどんなことが起こっていたか、次回振り返ってみましょう。