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サッカーにおけるゾーンとマンマーク

みなさんこんにちわ!

今回は「サッカーにおけるゾーンとマンマーク」というお話です。
ゾーン=ゾーンディフェンス、マンマーク=マンマークディフェンスのことです。
サッカーの試合でよく聞くけどよくわからないって方もいると思いますので、その意味からをお話しいたいと思います。


①マンマークとは

ここで言うマンマーク=マンマークディフェンスのことです。
よくサッカー中継では「このチームはマンマークディフェンスですね」とか言ったりします。
チームでの守備の方法の1つです。

マンマークというのは文字通り「マン=人」を「マーク=つく」
「人につく」ってことなんですですが、こんな感じです。
わかりやすく人を減らして図でみてみると、

図1  マンマークディフェンス

青2番は白2番をマークする。
青3番は青3番をマークする。
青4番は白4番をマークする。
と決めている守り方です。

誰が誰を責任もってマークする方法ですね。

②マンマークディフェンスの特徴

このマンマークディフェンスの特徴ですが、
役割がわかりやすいというのがあります。
マークする敵を抑えて、いいプレーをさせなければいい訳ですからね。
はっきりしてますよね。

ですが、大きな弱点があります。
それは、スペースをつくられやすいという点です。

図2  スペースがつくられやすい(1)

例えば上の図2ですと、それぞれマンマークする敵が広がったとき、黄色の斜線部分のスペースが生まれます。だって、マークする敵についていかないと自由にいろいろやられてしまうので。

図3  スペースがつくられやすい(2)

また、横への広がりだけでなく、縦への移動でもマンマークだとスペースを作られてしまいます。そして、選手が交差してスイッチなんかされるとマークが外れてしまいます。
上の図3は白3番が少し縦の動きで下がって、白4
番とスイッチしている動きです。
これをすると青3番は「どこまでついてけばいいの?」って混乱します。理由は、ゴール前の大事なスペースを開けてまでマークする必要がないはずだからです。

あらゆるチームスポーツは「敵をある程度密集させて、空いたスペースにいる味方にパスして得点する」という点で共通していますよね。バスケットボールも、ハンドボールも、バレーボールだってそうです。アタックする時に敵のブロックを寄せて、空いたスペースでアタックしたりしますよね。

弱点を理解している敵は、その動きを意図的にします。
マンマークディフェンスは、敵の回転する動き、ポジションチェンジに弱いんです。

③ゾーンとは

ここで言うゾーン=ゾーンディフェンスのことです。
よくサッカー中継では「このチームはゾーンで守ってるので、、、」とか言ったりします。
ですので守備の方法の1つです。

ゾーンというのは文字通り「地域」「区域」「一定の範囲」ってことなんですが、
こんな感じです。

図4  ゾーンディフェンス

青2番はここからここのエリアを守る。
青3番はここからここのエリアを守る。
青4番はここからここのエリアを守る。
と決めている守り方です。

担当エリアにいる敵は責任もってみる方法です。

④ゾーンディフェンスの特徴

そんなゾーンディフェンスの特徴ですが、
守るエリアが決まっていると、マンマークと違って守備陣形が崩れにくいというのがあります。実はゾーンディフェンスはマンマークディフェンスの弱点を解決するためにできています。

ですが、ゾーンディフェンスも弱点があります。
それは、役割がはっきりしない部分があるという点です。
図でみてみると、

図5  ゾーンディフェンスは人に引っ張られない

図5のようにゾーンだと、ゴール前の陣形は崩れないですよね。自分の担当エリアに敵がきたら対処すればいいです。

図6  ゾーンディフェンスは中間ポジションが弱点

ですが、担当エリアの中間地点の曖昧な場所にたたれるとどうでしょう。
し守備をする青側に「どっちがアタックしてボールを取りに行くか問題」を突きつける形になります。
 上の図6であれば
・白4番は青4番と青3番どっちがみるのか
・白2番は青2番と青3番どっちがみるのか
という問題です。

このように、ゾーンでの守備は敵に中間のポジションを取られると、どっちがみるか問題が発生します。
これもやっぱり、わかっている敵は意図的にそんなポジションを取ります。


⑤メッシとマンマーク、ゾーン

そんなゾーンディフェンスとマンマークディフェンスですが、現代サッカーでは両方を併用しているチームがほとんどです。

戦術の歴史的な話をすると、
1987年~91年のACミランのアリゴ・サッキ監督がゾーンディフェンスを現代版に変えた画期的戦術と言われています。当時のACミランは無双状態でした。
その後、2011年頃にゾーンディフェンスを打ち破るペップ・グアルディオラのバルセロナが登場したという流れがあります。
この2つは戦術史の大きなターニングポイントですね。

そして今は少しマンマークが復活してきている。進化してきている感じです。

このゾーンとマンマークを一流の選手はよく観察しています。
その代表例がメッシです。
メッシはよく、「全然走らない」と批判されますが観察してるんです。

自分がこのポジションをとった時は敵はついてくるのか、誰がマークにくるのか。
そして、ボールが動いている時にディフェンダー(DF)がどう動くのか。

そこから、敵の守備のほころびを探してゴールを狙っているわけです。
メッシが長年トッププレイヤーとして君臨している理由の1つです。
うまいだけではあのレベルまで到達できないですからね。

あ、あとですね、大事なのは、
メッシは動かなくても、ボールが動いているとある意味メッシは動いていると同じ状態ってことなんです。自分が動かなくても周りが動くので、相対的にポジションが動いているってことなんです。


また、パリオリンピックの日本対スペインは3-0で完敗でしたが、スペイン代表はこの敵の守備に対する観察と対応能力が半端ないです。監督に言われなくても試合中に考えて変更・実行しています。
日本代表の森保監督に対して「戦術がない」「選手任せすぎる」と批判がありますが、
プレーするのは選手なのでジュニアユース、ユース年代でから「サッカーって考えるスポーツなんだよ」ってところを一貫して育成する必要があるんじゃないかと思います。

■PS

マンマークなんて古い戦術で、やっぱりゾーンでしょ!って時代があったんですが、
最近マンマークも少し形を変えて流行っています。
古いと思ったことが、新しくなったり、
正しいとされていたことが、まちがっているなんてことはいっぱいあります。
本当にそのやり方がいいのか、いつでもなんでも考える事が大事ですね。

では、また


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